ピアノの上達のためには、良い先生にレッスンを受けることが最善の方法でしょう。
しかし、それに加えて、自分でも比較的容易にできる、練習のコツのようなものをご紹介しようと思います。
あくまでもレッスンの内容『プラス・アルファ』という視点でランダムに挙げていきますので、その点はご了承ください。
少しずつアップしていきますので、気長にお付き合いください。
なお、ご自分のレベルに応じて、内容が理解できる箇所のみを練習に取り入れていただければ幸いです。
☆menu☆
初級〜中級編
上手に弾けない箇所ほど、無意識のうちに速く弾き飛ばしてしまうことがありませんか。
感じとしては、まるでジェットコースターに乗っているかのように、「あ、指がもつれている!」と自覚していても、「え〜いこのまま何とか止まらずに弾いてしまおう」と考えたり。
でも、やっぱりこれは見過ごせません。
こんな時は、勿論その箇所を取り出して、左右別々にゆっくりと部分練習をすべきですが、それ以外に、加速してきたことに気付いたら、そこで思い切ってスピードダウンさせて弾く練習も効果的です。
つまり、「走っている」途中に思いきって「ゆっくり歩き出す」のです。これが、意外と難しいかもしれません。
逆に言えば、これが上手くできるようになれば、肝心な時に、落ち着きを取り戻して、丁寧に演奏できるようになるのです。
多分、最初は急にゆっくり弾こうと思っても、左右がバラバラになってしまうでしょう。また、ゆっくりと弾こうとしたのに、もつれて止まってしまうかもしれません。
意識的に速度を変えて弾く練習は、頭と指とを上手に連動させて弾くこと、つまり、常に自分の意識を演奏内容や指の動きと連動させ、演奏を自在にコントロールする第一歩でもあるのです。
f や p と書いてあったら、それはどこまで有効なのでしょうか。
それは、次の強弱の記号が出てくるまで有効なのです。強弱は、何となく記号のある箇所だけf(やp)で弾いていませんか。これをきちんと守ると、メリハリのきいた曲になります。
特に、ベートーベンでは f の次に p が現れる場合、本当にpの直前までしっかり強く弾くことが大切です。また、それを実行するためには、どうしてもインテンポでは無理!と感じる場合があると思います。(速い箇所、跳躍進行する箇所など。)
その場合にも、指示がない限りは速度を落とさずにpの直前まで弾いて、それからpで弾くためにどうしても必要な、ごく僅かの時間を取って下さい。
これは必要悪ではなく、その方が実は聴く側にも自然に聞こえます。そう、これが『間(ま)』と呼ばれるものです。
実際には、フレーズ(楽句:短いメロディー)とフレーズの合間には間が入ります。長いフレーズが終わったところでは、実際に息継ぎをしてください。そう、歌と同じです。その息継ぎが、どれくらいの長さだと自然なのかは、相対的なものですし、その違いが個性にもなります。
ただ、大切なことは、必然性があることで、無理に間を空けるのは不自然なだけです。
楽譜には実に細かい指示が載っています。一度じっくり、楽譜だけを眺める時間を取ると、きっと全体像がよく分かるようになりますよ。
なお、それ以外にもいろいろ指示が書かれていますが、必ず楽語辞典で調べて、理解してから弾きましょう。
ちなみに、sf (sforzando:スフォルツァンド)とある場合には、アクセントとほぼ同じと思ってください。
つまり、絶対的にではなく相対的に強く弾くという意味です。p と指示がある箇所に sf がある場合には、ffやf で弾くという意味ではなく、音量的にはmf程度でも十分だということです。ですから、f のなかの sf は ff 程度になりますし、p の中なら mf 程度というように考えてください。
fz (forzando:フォルツザンド)とある場合には、やはりそこを強く弾きますが、実際問題としては大体 sf と同様に考えていいと思います。
そんなの当たり前だよ、のはずですね。でも、本当に揃っていますか?
2つの音を鳴らす時、同時に鳴っているか、ズレているかを良く聞いて確認しましょう。
普段「ずれないように。」と意識して弾いていない方は、多分ズレています。沢山の音を一度に押える和音では、なおさらです。
もっと言えば、一番最初に弾く音からして、大抵の場合は、ずれていますよ。ずれているのと合っているのでは、響きが全然違います。
よく分からない方は、右手と左手で単音ずつ2つの音を、意識的にごく僅かだけずらして弾いてみてください。
次に集中して「ぴったり」合わせて弾いてみてください。意外とあわせるのは大変でしょう?
このように右手の音と左手の音、和音の音すべては、曲の最初から最後まで、ぴったり合っていなければなりません。
しかし、沢山の箇所で常に「音がズレていないか?」とよく注意しながら弾こうとするなら、今までの速度では確認できないはずです。
ゆっくり弾かなければ確認できないでしょう。
これが「ゆっくり弾く」ことの本当の目的の1つです。ゆっくり弾いて下さい、と私は繰り返し書いてきました。その意味はこの先をお読みになればますます納得していただけると思います。
二分音符とその後に休符があったとします。あなたは二分音符をきちんと2拍分延ばしていますか。
え?と思った方は、再確認してみましょう。
4分の4拍子としましょう。二分音符の長さを『1・ト・2・ト』と半拍(8分音符♪×4)ずつ数えたとき、『2』や『(2)ト』で指を離していませんか? (え?意識したことがありませんか?)
正解は、次の休符の拍の頭[の『3』]まで、つまり、2トのトの最後まで充分延ばす、ということです。
これが左手のパートで、休符のある3拍目に右手の音符があったとすれば、3拍目の右手の音を打鍵するのと同時に左手の指を鍵盤から離す、と考えてください。
ちょっと分かりにくいかもしれませんが、左手の休符のときに右手を打鍵するような状況なら、あたかも左手の音(二分音符)から右手の3拍目の音に『バトンタッチ』
するような感じです。
これを意識すると、指先と自分の打鍵した音に大変意識を集中しなければなりません。つまり、「音をよく聞く」ということです。
また、これをきちんと実行するには、多分今まで弾いていた速度では難しくなるでしょう。しかし、これが出来ると、音に神経が行き届いて「締まり」のある曲になってきます。
良い意味の緊張感があると言いましょうか。
心あたりのある方は、ちょっと気をつけて弾いてみてください。
『付点4分音符+八分音符』のリズム(ターン・タ)が連続している箇所は、うまく弾けますか。
このセットは長さの比が3対1になりますが、大抵2対1程度に詰まってしまいます。まずはその点に気をつけます。
次に、付点のリズムの連続をうまく弾くにはちょっとしたコツがあります。
まず、付点のセットが3組続くとします。[ターンタ]+[ターンタ]+[ターンタ]です。
恐らく殆どの方はいま書いたように[ターンタ]を3回、と捉えて弾いているはずです。ここで、ちょっと組み合わせを変えてみましょう。
ターン+タターン+タターン+タ・・・のように、1つずらします。
つまり、八分音符の方から始まるように捉えて弾くのです。(タターンと聞きます。)
付点のリズムが綺麗に弾けない原因の1つは、短い(速い)音符の用意が間に合わないことにあります。これは、先を読めないからでもあるのですが、今のように考えて
練習すると、自然にその用意が早く出来るようになると思います。
ちょっとしたことですが、一度お試しください。
弱く弾くのは非常に難しいですね。特に、小さくしようとして、音がかすれてしまったり。
そんな時は、1つの練習法として、pという指示であっても思い切って右手はmf、左手はpのつもりで弾いてみてください。
勿論、右手と左手の音量を変えて弾くこと自体が難しいかもしれませんが。
大切なことは、必ず1度は片手ずつ、鳴る音の強さを意識してください。右手のmfは、『普段無理なく弾く普通の音量』と思ってください。つまり、右手は普通に弾きます。
左手は音がかすれない程度でいいのですが、できるだけ弱く小さく弾いてみます。・・・どうですか?全体としてはpらしく聞こえてきませんか?
プロの演奏を聞くと分かるのですが、pといってもただ音量が小さいだけではありません。実際に聞くと(勿論本当に弱く小さくも弾きますが。)意外と音量は出ている(遠くまで届く音だ)なあと感じると思います。
それから、fからpに変わるのであれば(その逆も然り)、その落差をしっかりつけることも大切です。
大抵の場合、pの文字を見たとたんに無意識のうちに音量が小さくなりはじめます。それで余計に音量の差がつきにくくなります。大切なことは、pと書かれた箇所の直前までは、しっかりfで弾くことです。
曲の速度にもよりますが、直前までしっかりfを保ち、次に一気にpにしようと思えば、普通はその間でほんの僅かながら「息継ぎ」が入る思います。
つまり、数分の1秒でも「隙間」が出来るはずです。それが『間(ま)』です。大抵の場合、その間は必要です。聞いている人も、その間があった方が心地よく聞こえるものです。
間というのは無理に入れるものではなく、音楽の自然な流れの中から生まれてくるものです。
自分で本当に声を出して歌を歌っているつもりで考えてください。急に音量が大きく変化したり、急に高い音に飛んだりしたら、機械の様にはすぐに変われませんね?
そこに間が生まれるのです。
クレッシェンドが上手に出来ないときは、以下のことを試してみてください。
1.クレッシェンドの指示がかかれている箇所ではまだ音量を変化させないこと。(ここから強くしていくのですから。)
2.まず左手だけでクレッシェンドを弾いてみること。(左手だけで完璧に音量を変化させられるまで練習する。)
3.クレッシェンドする時は、一定の増加量(直線的な変化)ではなく、例えば最小音量を1、最終的な音量を5とするなら、1→1→3→4→5のように中ほどから急速に音量が増えるように弾くとよい。
特に最初は小さめに始めるのがポイントです。
4.クレッシェンドが始まる直前に、更に音量を一度落として弾く。(つまり、クレッシェンドが書いてある箇所の直前の音を意図的に弱く弾くのです。)
こうすれば、ポイント3に加えて、こんな感じに聞こえます。[(−1)→1→1→3→4→5]
これで相当メリハリが利くと思います。録音して確かめると更によく分かりますよ。一般的に、自分ではクレッシェンドしているつもりでも、殆ど音量が変化していないか、無意識のうちに最初からもう強く弾き始めてしまうことが多いのです。
ペダルのタイミングはなかなか難しいものです。まず基本としては、
1.姿勢・・・かかとをつけて、足の指の付け根辺り全体でペダルを押す。
2.踏む時・・・一気に一番下までぐっと踏む。
3.離す時・・・(ペダル自体がバネで戻るよりも速く)一気に離す。
ペダルを使用する大きな目的は2つです。1つは音をより長く持続させる(響かせる)ため、もう1つはレガートを保つため、です。
1.では倍音を豊かに響かせるという目的もあります。打鍵した音だけを長く伸ばしたい時はソステヌ−ト・ペダル(3本ある場合の真ん中のペダル)を使用します。
ペダルをつける音符の長さや曲の速度によって、踏むタイミングなどは一概には言えません。しかし、ここでは少しゆっくりした曲や長い音符にペダルをつける場合で説明します。
踏む時・・・打鍵する→(響きを確認する→)ペダルを踏む→押えていた指を離す
離す時や踏み変える時・・・(踏んでいるペダルは)次の音を打鍵するのと同時に離す。(又は次の音のためにまた踏む。)
*超スローモーションで見れば、次の音を弾いた瞬間にはまだ前のペダルが残っています。
次の音を打鍵した直後にペダルを離し、踏み変えるなら指が鍵盤から
離れる前に踏み直します。お分かりでしょうか?
また、連続して踏んでいく時には、「離したら反射的にすぐに踏む」ようにちょっと練習をして、離すタイミングに全神経を集中させます。
ゆっくりと二分音符などの連続で踏んでいく時には、「打鍵→0.5〜1秒位後に(ピアノから響きが立ち上がるのを確認して)から踏む」のです。意外とゆっくりでしょう?
また、足の感覚も大切ですが、まずは自分の耳でよく聞いて、耳で音が濁っていないか、切れていないかを確認して下さい。そう、耳で踏むのです。
片手で4つの音を押える和音を例に挙げると、大抵中間部の2つの音が相対的に弱くなっています。(勿論、通常は右手なら一番上の音が旋律ですから、これを強く弾きます。)
練習では、まず4つの音が全部同じ程度の強さで鳴るように意識してください。最初に耳でチェックできるように、中間部の2つの音だけを弾いてみます。
次に、4つの音を全部鳴らして、その中から中間部の2音が聞き取れるように訓練します。
これが出来れば、少なくとも指でそれぞれの音の強弱をコントロールする基盤が出来るわけです。その上で、必要な音を強く弾けるように練習を進めます。
バッハなどで、旋律が複雑に入り組んできた時に、練習に取り入れてください。また、ベートーベンなどで和音が連続で出てくるような箇所では、抜けた音が無いように、指先にも耳にも意識を集中することです。
なお、単独に耳の訓練をしたい場合は、和声(4声)の聴音が非常に有効です。
重音の連続をレガートで弾くにはどうしたらよいでしょうか。次のような譜面だとして、実際に指定の指使いで弾いてみてください。レガートで弾けますか?
(指使いは1-3、3-5、2-5とします。) |
ポイントは、まず上の音(ミ-ソ-ソ)だけ、下の(ド-ミ-レ)だけを頭と指にしっかり覚えこませます。
次に、最初の重音:ドミのミ(3の指)を先に離し、ド(1)だけにします。
次の重音:ミソのミの音に、前のドの音を繋げて弾いてください。下の音同士のド→ミを切らずにレガートで弾くのです。
同様に、今度はこの重音:ミソのソを先に離し、ミだけを延ばしておいて、最後の重音:レソのレにつなげて下さい。ミ→レとレガートで弾くのです。ソは同音同士ですから、一度しっかり離してから再度打鍵してください。
↓こんな感じで弾けましたか?
最初は考えながら、この指を残してこっちは上げて、とゆっくり繰り返して練習してください。そのうちに、指が反射的に動くようになるはずです。耳も音についていくことができましたか?
これを基本として、類似の箇所にはどんどん応用してみてください。
レッスンで「じゃ、ここからもう一度。」と言われても、すぐにそこから弾けない方がいます。少し前の(自分にとって)きりのいいところからでないと弾けないのです。
これは、練習が足りない証拠でもあります。どこからでも即座に弾けるようになっていないといけません。
練習する時に、常に最初から両手で弾いている場合は要注意です。1度で間違えずに通して弾ける曲以外は、部分練習や片手での練習は必須です。
むしろその方が練習効率はいいはずです。
逆に、練習ができているかどうかのチェックをかねて、時々途中から弾いてみるのもいいかもしれませんね。
楽譜には様々な指示が書かれています。しかし、これらを全て正確に理解しているかというと・・・。
ピアノを続けていくのでしたら、是非これらを自分で調べて書き込んでください。そのためには楽語辞典が必要です。さまざまな辞典が出版されていますから、楽譜を買うお店や一般書店で実際に
手にとって比較するのが一番です。
詳しい(厚い)ものもポケット版もありますが、私が2冊目として使っている辞典はなかなかお薦めですので、ちょっとご紹介しましょう。
独仏伊英による音楽用語辞典―速度 発想 奏法です。
¥1,165 出版社: シンコー・ミュージック
(書名をクリックするとアマゾンのサイトに飛びますが、ご購入の有無に拘わらず詳細がご覧になれます。ご参考までに。)
価格も嬉しいのですが(笑)、フランス語や英語なども収録されている点が便利でしょう。字もやや大きめで、行間が広いので読みやすいです。
とりあえず1冊、という方にはお薦めします。
速度記号にしても,一度きちんと覚えておかないと結構思い違いをしているものです。(←私の話。)また、発想記号については各国語が入り乱れているので、
やはりきちんと調べておく必要があります。
楽譜は様々な情報を発信しています。まず作曲者からのこれらのメッセージをしっかり受け止めてから、自分の演奏スタイルを考えることが大切です。CDなどで演奏を聞いて参考にするよりも、まず楽譜の指示を
正しく読み取って,演奏に生かすことが大切です。
暗譜が不得意という人がいます。短い曲で、練習しているうちに自然に覚えられるような長さならともかく、演奏時間が10分以上(30分とか!)になるとさすがに不安になる方も多くなるでしょう。
即効性のある対策は思いつきませんが、次のことを1つ1つチェックしてみてください。何かヒントが何か見つかるかもしれません。
1.暗譜のためにはまず楽譜を隅々までよく読むこと。
逆説的ですが、暗譜のためには穴が開くほど楽譜をよく読むことです。
楽譜をきちんと理解できていなければ暗譜になりません。普段も、強弱だけでなく、書かれた指示を(楽語も調べて)全て理解の上で、それらをきちんと表現しながら練習しなければいけません。
案外楽譜の指示の読み落しはあるものです。一度きちんと確認しながら弾いてみましょう。
2.楽曲の構成を理解して弾くこと。
長い曲ほど頭で理解してから体で覚えてください。その上で、再現部などで紛らわしい箇所はどこがどう違うのか、どこで間違えやすいのか、比較してその違いをしっかり頭に入れてください。楽譜に書き込みをするのもよい方法です。
3.確信を持って弾ける状態まで練習すること。
少しずつ暗譜していきます。構成上の区切りのよいところまでを選び、そこまでを確認しながら練習します。その際に最後まで目に焼きつく程じっくり楽譜を読みながら弾くことです。
10回繰り返すなら9回目までは見て弾きます。そして、楽譜を閉じて弾いたときに、目の前に楽譜が見えてくれば大丈夫です。その見える楽譜は自分なりに簡略化したものではなく、元のままの体裁で(+先生や自分の書き込みの文字も)浮かぶようになれば合格です。
これらの作業を繰り返して全体を組み立てていきます。
4。プレッシャーをかけた状態で弾いてみること。
誰かの前で・録音しながら・鍵盤に強い照明を当てて(←ステージの上の気分で。)など、緊張する状況で暗譜を試してみます。
そのときに一番大切なのは集中力です。舞い上がらず、自分の指先と自分の音、そして心の中に"見えている"楽譜に集中します。いまこのページの何段目を弾いている、ここでページをめくって、ここが赤丸をつけた間違えやすい箇所だ、・・・と考えながら弾きます。そうすれば、緊張する暇もなく、曲は進んでいくでしょう。
この状態だと、集中が途切れなければ大体最後までいけるでしょう。
もし止まっても、そこから続きを弾けるようになれば完璧です。
もしそれも出来ず、途中で立ち往生した場合はその原因を特定します。すなわち、集中が途切れたから分からなくなってしまったのか、暗譜が不完全だったのか。
集中が切れたと思う場合は、日を改めて再度トライしてみます。暗譜がまだだめだと思う場合は、止まってしまった箇所の前後を特に徹底的に楽譜を見て練習します。そこにはよく似た音型が何度も出てくるなど、何か間違えやすい理由があるはずです。それを突き止めれば、暗譜できるようになるでしょう。
録音して聞いてみるのもとてもよい方法です。この際は楽譜を閉じて聞きます。そうすると、気づかなかった「よく似たフレーズの繰り返し」や間違いやすい箇所が見えてくることがあります。
以上、当然のことしか書けませんでしたが、地道に努力することが結局近道だと思います。また、頭を使って弾くようにと書きましたが、体で覚えた上でさらに頭も使いながら弾くという意味です。調子がよければ鼻歌気分でスラスラ弾けるけれど、緊張した場面でも集中して弾けるようにしておくということです。
←このような 装飾音の場合は |
←このように 同時に弾く練習をします。 |
この部分には、pesante(重々しく)の指示があり、弾いていて本当に気持ちいいですね。手が大きければ(9度まで届けばOK)そのまま楽しんでください。テクニック的な難しさはさほどありません。響きを楽しめます。
2.さて、手があまり大きくない人には、いくつか「奥の手」があります。
(1)この4段の個所を、右手は、右手のパートの上の段だけ、左手は左手のパートの下の段だけ弾いてみてください。これでも十分楽しめます。
(2)または、8分音符の和音のうち、上3つだけを弾く(和音を構成する4つの音の両端が1オクターブなので、ドミソドのうちミソドだけを弾く)とよいでしょう。
左手は和音は一部ですから、そのままか、両端の1オクターブだけを弾けば十分です(ドミソドをドードで弾く)。
(3) 作者による2台ピアノ版も出版されていますので、2人で楽しむこともできそうですね。(ただし、難しさはあまり変わらないかもしれません。確認していないので、ゴメンナサイ。)
では、手に入りやすい楽譜とCDを紹介しておきます。
ラフマニノフは手が大きくないと確かに大変ですが、その重厚な響きは素晴らしく、ストレス解消に大音量で聞くといいですよ。
また、中〜上級者(ツェルニー50番に入ったくらい)なら、原曲のまま弾ける曲もありますし、きれいな曲が多いので、この際是非楽譜を手元に置いてトライしてください。
なお、外国版ではBoosey&Hawks版などがあります。
安価なピース版です。 | 前奏曲集。上級者は是非! | ソロと2台ピアノ版 | CD |