コース:銀泉台8:15〜11:52赤岳〜銀泉台
登山口のある銀泉台へ向かうと、林道に入ってから脱輪した乗用車を発見。勿論親切で屈強なる男性陣がバスを降りて手伝いにいくが、如何せん側溝が深くて抜け出すのは無理と分かる。
そこで銀泉台からJAFに電話してあげることとし、不安そうなドライバーの「お兄さん」を残して目的地に向かう。
駐車場に着き、JAFの件はマイクロを運転するSさんにお任せすることになる。
赤岳へは多少雪渓が残っているらしい。でもお花畑が沢山ある素敵なコースと聞いて、何とか頑張って歩こうと思う。
登山口には豊富な水が湧き出ており、暫くは林道が続く。さっそくクリーム色で大型のレイジンソウが沢山咲いている。(蝦夷ノ伶人草だとすると大[オオ]伶人草より距が短いらしい。)
すぐに本当の登山口に到着。ここから登り出すと、すぐにキッという鋭い鳴き声がする。先頭のリーダーが「ナキウサギだ!」というが後方には声しか聞こえない。樹林帯の中を縦横に駆け回っているらしい。
しばらく頑張って登ると急に視界が開けて展望のよいお花畑に出る。ウサギギク、エゾツツジ、エゾコザクラなど。今日はのんびり山行のため、十分な展望&撮影タイムがある。ここは第一花苑と呼ばれるているらしい。
次々とガイドの腕章をした人が登ってくる。リーダーは「ギンザンマシコ」(赤い色の野鳥)を見られるかどうか尋ねているが、ガイドは誰も見ていないそうだ。
みんなはその珍しい名前をもじって「銀座マシ子」や「銀座の松子」だのと茶化している。私もマシコという鳥の名は聞いているがギンザンマシコは初耳だ。でも見られたらいいなと思う。
撮影タイムが終わってまた登っていく。今日はやっぱり体が重いし、何となくお腹も痛い。調子はよくない。 ただ、今日は危険箇所もなくやはりピストンなので、いざというときは待っていたり一人でも戻れると思うと気は楽だ。 次は第二花苑、そして駒草平に至る。花は本当に多い。こまくさが沢山咲いている。しかし、体が重い。
この先はしばしの急登となるが両側はお花畑。ずっと続いているので何とか頑張れる気がする。 みんなは歓声をあげ、記念撮影をしているが、座り込みたくなる。せっかくの展望なのに、立ち上がって周囲を見渡す元気が出ない。これで明日の大縦走が果たせるのか不安で一杯。 |
足取りも重く往路を戻ることになる。クモイリンドウがあったと教えられ、カメラを構える。(トウヤクリンドウと区別しない人もあるらしい。) 昼食休憩した沢の地点を過ぎ、左右の花に慰められながら惰性で足を運ぶ。 雪渓を降り、木道を注意して歩く。 時間の制約も余りないので、全員で立ち止まって、どこどこ?と視線を泳がせると、確かに斜面の中腹に寝そべっている茶色の"毛皮"が目に入る。お昼寝中なのだろうかと思うが、どうやら年寄りのキツネらしい。覇気がない。 モルモットくらいの大きさで、動きは機敏、潅木の中を見え隠れする。 | クモイリンドウ (トウヤクリンドウ) |
最後に大きなご褒美を貰った気分で連日の疲れも吹き飛ぶ心地がする。
いつまでも眺めていたい気持ちを抑え、十分出会いを堪能したあと、下山となる。
残念ながらリーダーが切望していたギンザンマシコとの出会いはなかったが、全員がしっかりとナキウサギを見ることができたし、時間に追われず山歩きを楽しめる1日となった。
<赤岳で見た花たち>
イワブクロ(タルマイソウ) | コマクサ | エゾノ ツガザクラ | キバナ シャクナゲ |
エゾ コザクラ | タカネ トウウチソウ | リンネソウ | メアカン キンバイ(黄色)とイワヒゲ(白) |
ミヤマ サワ アザミ | ヨツバ シオガマ | ミヤマ リンドウ | エゾ ツツジ |
チングルマ | チシマノ キンバイソウ | ウサギ ギク |
さて、本日のお宿は最終日の表大雪縦走に備えて、登山口の層雲峡。途中で「流星の滝」と「銀河の滝」の絶景を楽しんで、ロープウェイ乗り場に近い宿となる。
部屋に分かれ、久しぶりにゆっくり荷物整理をし、ちょっと洗濯をして、それから数軒先の「黒岳の湯」へ。なかなかいいお風呂だった。
毎度のことながら、コンビニによって翌日の昼食と飲み物を買い、乾いた喉を潤す。そろそろコンビニ食も食べ飽きてはいるが、もう1日の辛抱だ。
部屋に戻るがちょっと腹痛。あとは足を一生懸命ストレッチ&マッサージ。明日も長丁場、何とか頑張って歩きたいのだが・・・。
*表大雪縦走へつづく*