カナディアン・ロッキー   2012年7月

個人旅行で行くカナディアン・ロッキー(7月上旬〜中旬の10日間)


カナディアン・ロッキーを歩きたいね、という話が出たのは昨年。早速資料を取り寄せると、ハイキングがメインのツアーは燃料サーチャージ(現在約5万円)別でも軽く40万円を越えている。 7〜9日位でこの値段は私には法外。
そこで例によってあれこれ調べ始め、個人なら30万円位で行けるのでは?と感じる。
すると、10年前にヘリツアーをしたというiさんを含め、あっという間にいつもの山仲間が集まって早々旅行が決まった。

今、実際に旅から戻り、改めて全く国内旅行感覚で行けたことに驚くほど。 一番大変だったのは、実は下調べの膨大な時間と手間だったかもしれない。
カナディアンロッキーの個人的なハイキングに関しては、ネット上に沢山の記録や役に立つHPがあるので、 ノウハウはそちらで詳しく調べて頂くとして、ここでは簡単な記録にとどめる。

(なお、画像は順次ブログにアップします。)

   Sunshine Meadows (サンシャイン・メドウズ)                 Moraine Lake(モレイン湖)


*私のポリシー
・宿は安くてもOK,安全・お花・時間とお金の有効活用にはこだわる。

*旅行の概略
・バンフとレイクルイーズに宿泊。
・ハイキングは、メジャーなコースを自分たちだけで行う。
・ただし、2日間は現地ガイドを依頼し、お花に的を絞った貸し切りハイクとする。(◆印)

*歩いたコース(概略は次のページ。)
Sunshine Meadows(*シャトルバスの予約が必要)
・Larch Valley(ラーチ・バレー)
・Lake Agnes & Big Beehive(レイク・アグネスとビッグ・ビーハイブ)
・Emerald Lake(エメラルド・レイク)周辺◆
・Plain of Six Glaciers(プレイン・オブ・シックス・グレイシャーズ)◆
・Marble Canyon(マーブル・キャニオン)(*軽いお散歩コース)
+ Icefields Parkway(アイスフィールズ・パークウェイ)のドライブ


*資料
地球の歩き方 カナダ西部 
  旅行全般の情報や、簡単なハイクのコース説明もあり、非常に便利。
Canadian Rockies Trai Guide (9th edition) by Brian Patton & Bart Robinson
カナディアンロッキーのほぼ全てのコースを網羅した、定評のあるガイドブックとか。日本語のガイドブックを探したのだが、情報が古そうで断念し、アマゾン(US)で購入。
Wildflowers of the Canadian Rockies by George W. Scotter
これもガイドブックと併せてアマゾン(US)で購入。現地(バンフ)では、もっと詳しいもの、持ち歩き用の薄い1枚タイプまで各種あり。
Gem TreckのBanff, Lake Louise & Yoho (登山地図)
これは必携。国内では手に入りにくかったので、現地購入。案内所の他、書店等でも簡単に入手可能。

・その他、バンフの観光案内所ではコースの現状や地図等の購入、国立公園のパス(Pass)を購入できる。動物への注意などは日本語版もあり、必ず立ち寄って情報を得たい。無料のパンフレットなどもかなり利用価値の高いものがいくつもあり、非常に便利。(英語版)

*旅の実際
・航空券
アメリカ経由だとかなり安いが、時間がかかり、検査も大変、ハイキングの余力を残し、時間も有効活用したかったので、エアカナダのカルガリー直行便を利用。燃料費込みで往復16.7万円。

・ホテル
中心部に近い便利なところで、バスタブと冷蔵庫のあるホテルを選択。バンフは選択肢が比較的多い。
 しかし、レイク・ルイーズは非常に小さな町で何もかも高い。ホテルの部屋もかなり狭く、冷蔵庫がなくて困ったが、ショッピングモールも近いし、静かで結構気に入った。8泊で一人56,400円
 バンフ(Bow View RodgeとHomestead Inn), レイクルイーズ(Lake Louise Inn)に宿泊。

 驚いたことに、遮光カーテンがなく、西日が当たって暑いのなんのって・・・。午後10時まで暗くならないので慣れないうちは大変だった。
 また、貨物列車が夜中に何度も警笛を鳴らすので、その都度目が覚める。おそらく、動物避けのためだろうが、すさまじい轟音。
 高級ホテル以外は、アイマスクや耳栓が必要かもしれない。

・カルガリー〜バンフの移動
 Banff Airporterなどがホテルまで送迎してくれる。空港から2時間ほどかかるのと、まだ時差ぼけの頭で慣れない左ハンドルは恐ろしいので、送迎を利用。往復で9,350円。  私は事前にネット予約。(多分、当日利用でも大丈夫。復路はホテルからも依頼可能。)

・レンタカー
 あれこれ調べるうちに、どう考えてもレンタカー無しでは旅行が成り立たないと気づき、清水の舞台から飛び降りて、利用を決意。バンフに支店があるのはAvisとHerzで、ホテルから近いのはAvisだったので、これを国内で予約。(日本語でOK!)

 保険など調べた結果、「現地通貨払い」の「スーパーバリュー」を、JAF会員(1割引)で。 借りたのは「フルサイズ」のシボレーのインパラ。7日間で総額345カナダドル。

 一言でいえば、本当に乗り心地が良く、高速道路も走りやすいので運転がとても楽で、ドライブが何と楽しかったことか。左ハンドル・右側通行には、予想外に早く慣れた。是非また利用したい。
 ただし、これは同行のお友達のお陰。常に私のバックミラー・サイドミラー代わりになって下さり、大きな車でも駐車・バックで困らなかった。

 なお、レンタカーを使う際は、保険についてよく調べ納得しておく必要がある。
 強制保険のほかに、LDW/CDW(自車両保険、カナダでは車両盗難保険(TP)も含まれる)、車両税(現地払い)が含まれるパックだが、PAI(搭乗者傷害保険), PEP/PEB(手荷物保険)は海外旅行で掛ける傷害保険でカバーされているので不要。

 ただし、カナダの場合、対人・対物共に保障限度額が20万ドルと非常に低いので、エース保険の旅行傷害保険に特約として対人1億円+対物5000万円のを上乗せして掛けた(その分の差額が6330円)。
 レンタカーの事故は、個人賠償ではカバーされていない。国内でこの保険をかけられるのはエースだけらしい。(シフトアップ・プランを参照。)

 国内外共に初めてのレンタカーだったが、なんと係員は中米系の濃いお顔のお兄さんで、キーをポンを渡されて、後は自分で・・・。

 なお、給油はセルフで、2回利用。クレジットカードで給油するが、店によってシステムが違うかもしれない。 私が利用した店は、先に店内で給油機の番号を告げ、カードを渡し、その後自分で給油する。カードを入れても反応せず、戸惑っていたら、他のドライバーーが親切に教えてくれた。
<レンタカー7日間、フルサイズで 27,298円、ガソリン2回分で6,559円。>


・現地ガイド
 当初は、連日、日本人向けの送迎つきガイドを利用しようと考えていたが、これが1人1日あたり100〜140ドル、4人だと3〜5万円×日数・・・。ため息の出る値段になってしまい、視点を変えて、定評のある英語ガイドに依頼。
何度かメールで相談するうちに、結局、私たちだけのオーダーメイドに切り替え、お花に的を絞って事前にいろいろリサーチしておいて貰う。
非常に知識が豊富で人を楽しませることに努力を惜しまず、常に笑顔ですばらしかった。<1人1日125ドル相当。>
ただし、英語ガイドを利用するには、それなりの英語力が必須。

・食事
 主にスーパーを利用して買出し。パン、チーズ、ハム、ヨーグルト、果物、ジュース、トマトなど。(ホテルでの朝食分とハイクのお弁当用)
 他に、1日1回はレストランを利用。なぜか3日も通ったのは韓国料理店。(もちろん、アルバータ牛のステーキや、サーモンも。)

*ハイキングの実際
・女性4人だったこと、常に熊の危険があることを考え、無理をせずに人の多い一般的なコースを選択。(旅行社主催のツアーも同じ。)結果的には非常に楽で、足回りの心配さえなければ個人で十分楽しめる。難しいところは何もなく、高尾山感覚でOK.

 ただし、周回コースなどで複数の選択肢がある場合、標識に経路は書いてないので地図を持参し確認したい。(私も分岐でコースを質問された。現地の人たちも標識のみか、簡単なマップ片手に気軽に歩いている。
 夜9時過ぎも煌々と明るいので、15時過ぎからもどんどん登ってくるのには驚く。)

・コースの始点には必ず広い駐車場がある。朝9時過ぎから歩き始めるなら、場所の心配はない。遅くて満車の場合は、路肩に停める。各所で国立公園のパスをチェックされるので、外から見やすい場所においておく。(ルームミラーに引っ掛けるらしい。)

・宿泊は、買出しやレストラン等の数でなんと言ってもバンフが便利。しかし、ハイキングの基点は主にレイクルイーズ。バンフ〜レイクルイーズは高速道路で40分弱。

・今年は雪が多く、また直前まで天候が悪かったそうで、お花は遅く、標高の高いところはまだクローズ。その分、景色はよく、春の花から夏の花まで多種見られた。

*総括
・食べたいものを食べ、レストランも利用したが、食費を含む旅行総額が予定通り10日間で30万円になりそうだ。(カード決済がまだのため概算で。)
 これは一般のハイク・ツアーと比べて15万円以上の差になる。もちろん、ホテルのランクも違えば食事内容も違うが、ハイキングの中身に関しては差がないのだから、これは大きい。
・バンフにもレイクルイーズにも日本人の店員が大勢いるので、旅行中は同行の皆さんも、あまりストレスを感じなかったのではないかと思う。

・すべてにカードが使えるので、現金はチップ分のみ両替すれば足りる。(ただし、私たちはガイドさんが現金払いだったので、3万円を空港で両替した。率が悪いのはわかっているが、銀行等の開いている時間帯に行くのも大変なので。)
・チップには悩まされたが、そこそこのレストランでは、チップ込みで請求が来るか、請求書に15%と20%のチップ額があらかじめ入っていて、支払い時に自分でそれを加えて決済するようになっている。
 共同の買い物はすべてカードで決済した。手数料が要らないのでこれが一番便利で無駄がない。

・インターネットの普及で、今では簡単に個人旅行が可能になった。飛行機、ホテル、現地ガイド、空港送迎などすべてが事前に自宅で調べられ、予約できるのは凄いことだと思う。
 また、個人のHPで得られる情報も多く、ますます個人旅行が増えるだろう。

・いつもなら、「さあ、皆さんもぜひ個人でカナダへトレッキングに行ってください!」となるのだが、事前の予約からして英語力が要求される。空港とバンフの往復、サンシャインメドウズのシャトルバス、レンタカーの現地係員との会話、空港でのチェックイン・・・  ここまでだけでもかなりハードルが高いかもしれない。
 問題は、飛行機の遅延・オーバーブッキング、ホテルの予約ミス、ひょっとしてレンタカーを含む事故などに遭った場合、最悪の場合すべて英語で交渉しなければならないかもしれない。(たいていの場合には、保険会社なり航空会社なりで、誰か日本語が話せる相手に代わってくれると思われる。)
 実際には慣れの問題でもあって、それほど高い英語力は必要ないのだが、せっかく楽しむためにでかけてきた旅行で、そんな事態になったら、と考える人には、個人旅行は向かないだろう。
 (英語ガイドを利用したハイキングは言うに及ばず・・・。)

・だが、それでもツアーよりもかなり安く上げる方法はある。
 時間のある人向き・・・安い航空券を利用して乗り継ぎながら現地に入る。数万円の節約になる。
 レンタカーは無理、という人向き・・・バンフからの日帰りツアーを利用する。
 @節約度大・・・サンシャイン・メドウズなら、バンフからの送迎(朝8:15ごろ出発)もある。
          さらに、説明が英語でも構わない(送迎付きだし、花なら場所さえ教えてくれればそれで十分)という場合は、現地発の英語ツアーも各種。
 A節約度小・・・現地の日本人向けツアーに参加。(人数がそろうと少し安くなる会社も。)

*個人旅行に必要な英語レベル
英語についてはこちらのページで。大体、私の実感とも一致する。(ちなみに、もう20年以上前ながら私のTOEICのスコアは875点。今はもう少し力がついていると思う。)
但し、私の場合、英語能力は『読む=書く>聞く>>>話す』の順で、「話す」能力がその他に比べてガクンと落ちるのが実に情けない。(ただ、内容はほぼ全て聞き取れるので、余り支障はないが、普段から話す機会が無いのが痛い。)

カナダはオーストラリアに比べて訛りがなくとても「きれいな」英語だった。また移民が多いようで、人々も大らかで、生活にゆとりを感じた。そのせいか、車を運転していても常に道を譲られたし、クラクションは一度も聞かなかった。
とても親切な国民だと感じる。

こちらのサイトは、その他事項についても、とても参考になる。旅行前にぜひ一読を。

*最終経費
何と食費まで含めた旅行の総額が、10日間で30万円を切った。(お土産代以外はすべて含む。)→298,770円!
勝因の一つは、現地で全てカード払いにしたこと。コーヒー1杯でもカードでOK.なお、為替は、1カナダドル=約80円だった。
フフフ・・・。

コース詳細に続く★


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