冷谷のオントド(冷滝オントド)
斜瀑、落差約13m、徳島県海部郡宍喰町久尾
野根川の支流、冷谷に懸かる滝。
水量はやや多めで淵状の滝壺を持つ。
滝壺の回りは絶壁に囲まれ、そこに水をドウドウと落としている。
滝に向かって右側、滝壺横の崖は大きくえぐられ、オーバーハング状になっている。滝壺の出口は両岸の崖の岩がせり出し、やや細くなっている。
このように険しい谷に落ちる滝であり、滝壺から全景を拝むのは濡れる装備がなければ困難である。もし全景を拝みたければ次の2つの方法がある。
- 下流にあるメントドまでひとまず泳いでいき、メントドの懸かる崖をよじ登り、オントドの滝壺まで行く方法。
- メントド下流から大きく谷を巻き、オントドとメントドの間まで何とか行き、そこから谷に降りてオントド滝壺へ向かう方法。
ただ前者はメントドの崖を越えるのが難儀であり、後者はメントドを巻くのが一苦労なことと谷に降りる際にロープが必要なため危険である。
またいずれにせよ、オントド滝壺からオントドを眺めるには、滝壺の中に立つ必要があり、濡れる準備が必要である。
このような状況のため、オントドの全景を滝壺から撮影することは諦めた。左の写真は、オントド下流の崖の上から撮影したものであり、オントドの上部一部と滝壺が写っている。
なお世間一般に冷滝として紹介されている写真は、冷谷のメントドの写真が多いようであるが、本来はこのオントドが冷滝であろう。
野根川上流の谷にはオントド、メントド、ウナギトドの名を持つ滝が多いが、ここでその説明を述べておく(あくまでこの地域での話である)。
- オントド(雄滝):その谷のメインの滝。つまりその谷を代表する滝であり、普通はその谷で最も大きな滝となる。
- メントド(雌滝):オントドの下流にあり、オントドに次ぐ滝に命名される。男上位の名残で、昔は男の方が女よりも上という考えから、メントドはオントドの下流にある。
- ウナギトド(鰻滝):ウナギがよう登らない滝という意味。オントドの下流にある場合も、上流にある場合もある。
付近の滝:
冷谷のメントド、
幻の滝、
冷谷のメントド下の滝、
冷谷のウナギトド
写真データ:(070520-1 No33)
2007.5.20
ミノルタα7
ミノルタAFズーム24〜105mmF3.5-4.5(D)
f=8
s=2秒
CPL
三脚・レリーズ使用
フジクロームベルビア100
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