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| 観光最終日、オプショナルツアーで |
| ポンペイへ向かう。 |
| ホテルの前に立ちふさがるように止まる |
| 巨大なバス。シートは真っ赤な革張り。 |
| 深く座ると床に足がつかない。 |
| そんな超豪華バスツアー参加者はなんと |
| たったの8人!こんな贅沢をしていいのか、 |
| という状況の中、思い思いの場所に座った |
| ラッキーなツーリストを乗せて、 |
| バスは青空の下、滑るように走り出した。 |
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| ポンペイは二千年も昔に栄えた街だ。 |
| 緻密に計算された建築物、街の構造、 |
| 道路標識、水道、庭園、パン工房・・・。 |
| 全く今と変わりない生活の匂いに驚かされる。 |
| かつて商店街だった道を撮影した。 |
| 賑わっていたであろうその道に、 |
| 偶然現代の若者が数人歩いている。 |
| なんとなくちぐはぐに見えるそのスタイルも、 |
| 案外二千年前と同じなのかも知れない。 |
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| 街の中には驚くべき物がたくさん残っている。 |
| まずは道路標識。 |
| 道路は歩道と車道に分かれていて、 |
| 馬車にひかれないよう横断歩道があり、 |
| 通行止めの表示も出ている。 |
| 山からひいた水道は鉛の水道管を通して |
| 街角の蛇口から出るようになっている。 |
| もちろん今でも使用可能である。 |
| その他、サウナも完備した |
| スポーツジムのような物もあり、 |
| 健康や美への意識も現代と何ら変わりない。 |
| 今すぐここに住むことも難しくないようだ。 |
| 繁栄の中で歴史を絶たれた街の |
| 不思議な息づかいを感じた。 |
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| これはアポロ神殿の右手。→ |
| この左手後方にヴェスーヴィオ火山がある。 |
| ポンペイは、今まで見てきた街とは異なり、 |
| 戦禍を感じない。きっと商業を中心に |
| 平和に暮らしていたのだろう。 |
| 途中、パン工房の窯と臼を見つけた。↓ |
| ポンペイはピザ発祥の地でもある。 |
| そういえばイタリアのパンはとても堅い。 |
| 歯ごたえを好むから、とのことである。 |
| なのでパスタもアルデンテ。 |
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| パスタとお蕎麦について。 |
| パスタは絶対にずずっと音をたてないこと。 |
| フォークにくるくるときれいに巻いていただく。 |
| これがマナー。かく言うイタリア人、逆に |
| お蕎麦を食べるのはとても苦手らしい。 |
| 音をたてまいとする日本人と |
| 音をたてようとするイタリア人。 |
| 郷に入っては郷に従えというけれど、 |
| 案外酷なことかも知れないな。 |
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| 苦しそうに顔を押さえてうずくまる人。 |
| 最後まで逃げなかった人が息絶えた姿である。 |
| すぐおさまると思ったのであろうか。 |
| 博物館の片隅で、一人未だ苦しみに耐えている。 |
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| 急に怒ったように降り出した雨に追われるように |
| 私たちはポンペイを後にした。 |
| その夜、最後の晩餐にとレストランで食事をする。 |
| メインの肉料理がとても塩辛かったのを除けば |
| 満足できるおいしさであった。 |
| 必ずテーブルに来る流しの歌い手さんの |
| 宇宙語のような「上を向いて歩こう」を聴きながら |
| 家族3人のイタリアの旅は幕を閉じた。 |
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