テニス X.com
2006年3月14日
サンプラスは(ヤングを欠いた)4月のエキシビションに真剣である
文:Richard Vach, Tennis-X.com シニアライター


ピート・サンプラスは、アンドレ・アガシを破った2002年USオープンの決勝戦以来、公の場に初めて登場する準備をしている。引退のギアをゴルフコースから練習コートに入れ替え、2006年4月3〜9日に行われる「リバー・オークス・インターナショナル・エキシビション」で、テイラー・デントかロビー・ジネプリと対戦する予定である。

「再び真剣になる必要がある」とサンプラスは「ヒューストン・クロニクル」紙に語った。「身体をテニス向きに戻し、腕をサーブに耐えられるようにしなければならない。この何週間か、週に3〜4回ヒッティングをしてきた。ボールを打つ事よりも、スタートとストップに慣れる事だ。すぐに身体を痛めるのは嫌だからね」

サンプラスは16歳の「天才児」ドナルド・ヤングと対戦する事になっていた。彼のプロキャリアは、マネージメント会社 IMG による早期デビューの方針をとったが、その計画は明らかに変更された。今週のインディアンウェルズで、彼のツアー成績は0勝8敗となった。

リバー・オークスの主催者は、ヤングを試合についてこさせるためサンプラスがギアを落とさねばならないという見通しには、あまり喜べなかった。

最悪のシナリオになる可能性もありはしないか。ヒューチャーズのタイトルさえ獲得していない16歳の少年をサンプラスが叩きのめす、あるいは、ATPレベルの8試合で1勝もできない16歳の少年にサンプラスが負ける? 一度は契約された対戦から手を引いたのが、サンプラスなのか、それともエキシビションの主催者なのかについては、説明がない。

リバー・オークスのエキシビションは34歳のサンプラスにとって、7月に行われる「ワールド・チーム・テニス」デビューに向けてのウォームアップである。

「単にもう少し忙しくなろうとか、得意だったものに集中しようという事ではないよ」とサンプラスは語った。「今年はもっといろいろやろうという事だ。昨年は、いわばサボっていたからね」

ジム・クーリエは月曜日の夜、シニアツアーの「アウトバック・チャンピオンズカップ-ネイプルズ」で優勝したが、サンプラスを2006年に彼のシニアツアーでデビューさせるべく誘いかけをしてきた。

「僕の印象だと、ピートは良い調子で、準備ができている時だけ、プレーするのだと思うよ」とクーリエは語った。「彼は取り敢えず出てきて、様子を見て、そしてどんな具合か知りたがるとは思わない。彼はするかしないか、まず決定するのだろう。それは彼の決断だ。我々はそれを尊重する」

サンプラスは、ソファでテレビを見たり、子供と遊んだりする事の代わりを探しているだけなので、あまり多くを期待しないようにと言う。

「昨年、少しばかり退屈になったんだ」とサンプラスは言い、元ナンバー1のマルセロ・リオスが今年後半に計画しているカムバックのように、多くのシニア大会でプレーする気はないと付け加えた。

「競い合いを求める僕の血潮が、再び湧き出ている。でも僕はコート上でなにがしか楽しみたいだけだ。これはカムバックではない。『未だ引退中』のカムバックだよ」




<関連記事>
ヒューストン・クロニクル
2006年3月13日
サンプラスは「リバー・オークス」に否と言えなかった