2008年12月２日
サンプラスはイギリスへ戻り、シニア大会に出場する
AP通信
ロンドン：ピート・サンプラスは、いずれロジャー・フェデラーが14のメジャー・タイトルという自分の記録を破るだろうと考えてきた。現在、ラファエル・ナダルにもそれが可能かも知れないと考え始めている。
37歳のサンプラスは、ロイヤル・アルバート・ホールで開催されるシニア大会に出場するためロンドンに来ている。彼は現役最後の試合となった2002年USオープンで優勝し、生涯で14のグランドスラム・タイトルを獲得した。現時点でフェデラーは13、そしてナダルは４つのフレンチ・オープン・タイトルを含む５つを獲得している。
「考えてみると、ラファにも２桁のタイトルを勝ち取るチャンスが充分にある」とサンプラスは火曜日に語った。「ロジャーはこの２年くらいの間に記録を破ると思う。ラファについては、さらに何回かフレンチで優勝し、ウィンブルドンで２回くらい優勝する事も可能だろう。引退までに、少なくとも10〜12のメジャータイトルを獲得する事もあり得る」
2008年のテニスサーキットには、フェデラーの支配状態からナダルが究極の上昇を遂げるという変化が起こった。彼はフレンチ・オープンとウィンブルドン両方で前トップのスイス人を下して優勝し、さらにナンバー１の座も引き継いだのだ。
今年のウィンブルドン決勝戦は、テニス史で最も素晴らしい試合の１つと見なされたが、闇が訪れる直前にナダルが第５セットを９-７で勝ち取った。
「勝つのは１人の男だけだ。それが今年はラファだったんだ」と、オール・イングランド・クラブで７つのタイトルを獲得したサンプラスは語った。「これまでに見た中でも最高の試合の１つだったよ」
しかし今シーズンはナダルが優勢だったとはいえ――芝生でついにフェデラーを倒し、ウィンブルドンにおける彼の連続優勝を５年でストップさせた――フェデラーはさらに幾つものタイトルを獲得するとサンプラスは考えている。
「彼にはまだ余力が充分にある」と、サンプラスは友人と呼ぶフェデラーについて語った。彼らは手紙（メール？）も頻繁に交わしている。「彼はメジャー大会に焦点を合わせる段階へ来たのだと思うよ」
来シーズンについて、サンプラスはすでに好奇心を募らせている。
「来年ナダルがどうなるか、興味深いね」とサンプラスは語った。「健康を保ち、トップの座に留まる、彼がそれを続けるには大いなる努力が必要だ。それが、ロジャーが彼より優っている点だ。ロジャーの方が、トップに留まるためのエネルギーは少なくて済むと思うよ」
サンプラスはまた、アンディ・マーレーとノバク・ジョコビッチについても語った。両者ともトップの２選手よりほんの１歩後れを取っているが、他の選手たちよりも１歩抜きん出ていると。
「彼はナダルやロジャーと並ぶところまで来ている」と、サンプラスは第４位のマーレーについて語り、このイギリス人選手に助言を与えるよう頼まれてはいないと付け加えた。「もし彼がアドバイスを求めるのなら、ウィンブルドンで勝つためには何が必要かを僕は知っているよ」
今週のブラックロック・マスターズ大会は、サンプラスにとって2002年以来、初の訪英となる。その年、彼はウィンブルドンの２回戦で５セットの末、ジョージ・バストルに敗れたのだ。
「最後に僕がここにいた時は、どん底だったよ。でも今はかなり良い気分だ。僕は37歳だが、今でもかなり良いプレーができる」とサンプラスは語った。彼は６月にブラジルで開催されたシニア大会に優勝した。「今でも上手くサーブ＆ボレーができるよ」
もし許されるなら、今週オール・イングランド・クラブのコートにもう一度立つために、サンプラスは白いウェアを身につける事もするだろう――たとえ練習のためだけとしても。
「あの場所が恋しかったよ」とサンプラスは語った。彼は1993〜1995年の３年間、および1997〜2000年の４年間、連続でウィンブルドン・タイトルを獲得したのだ。「もう一度、あのコートでプレーしたいね。息子たちを連れて」
「世界じゅうで、あのような場所はどこにもないよ」
今週、サンプラスはラウンドロビンのAグループでジョン・マッケンロー、ジェレミー・ベイツ、セドリック・ピオリーンと対戦する。初戦は水曜日のマッケンロー戦となる。グレッグ・ルゼツキー、パット・キャッシュ、ギー・フォルジェ等はBグループに属する。
「今でも競い合うよ。我々は皆、良いプレーをして勝つというプライドを持っているんだ」と、サンプラスはシニアツアーについて語った。それから、全盛期の頃と必ずしも同じはないと注釈をつけた。「ここに来て大会で優勝しなければならない、というものではない。つまり、それを望むけれども、かつてとは違うんだ」
「言うなれば、人々は僕の良いプレーを見たいと望む。そして僕たちはみんな良いプレーをするんだ」
彼はイギリスで最後となった試合時よりも良いプレーを心がけるだろう。ある事はめったに変わらないとしても。
「今も雨が降っているよ」ロイヤル・アルバート・ホールの外に霧雨が降るなか、サンプラスは微笑んで言った。