グランド・ラピズ・プレス
2008年10月26日
グランド・ラピズを訪れるサンプラスは、今も謙虚である
文:Doug Vanderlaan


テニス界を支配していた頃、ピート・サンプラスは大会初日に自分の新聞写真を気にかけたりはしなかった。彼が望むのは、大会の最終日にそれを見る事だった――目標を達成した(優勝した)という証としてだけ。

「僕は注目や金のためにプレーはしなかった。唯一の目標は、ベストである事だった」と、記録的な14回のグランドスラム優勝者である引退したプロは、先週カリフォルニアの自宅から電話で語った。「テニスでは、チームメイトやコーチの後ろに隠れる事はできない。良いプレーをしていない時にも、自分を立て直して戦い抜く事ができるのは偉大な選手だけだ」

サンプラスは6年連続で世界ナンバー1の座に就いた唯一の選手として、2002年に引退した。彼は火曜日にヴァン・アンデル競技場において、2008年ミラクル・マッチ・チャリティ・テニスイベントの第5戦でジム・クーリエと対戦する時に、その意欲を見せたいと望んでいる。

イベントの収益はミラクル・マッチ財団に寄贈される。財団は幹細胞に関係する病気の患者を支援するため、単核細胞白血病( AML )から回復途上の地元テニスプロ、ビル Przybysz によって1997年に設立され、資金集めに努めている。

サンプラスは尊敬に値する大使である事を証明してきた。

「僕は対戦相手に、そしてゲームに敬意を表する運動選手を尊敬していた」37歳のサンプラスはテニス界のかつての偉人、ロッド・レーバーとケン・ローズウォールを例に語った。「彼らは比類なき存在で――自らのゲームに物を言わせた。僕は論争を引き起こす事もできただろうが、それはベストであろうとする自分の意欲を削ぐ事になるといつも感じていた」

「それが僕の考え方であり、現在でも物静かで謙虚なチャンピオンが存在する余地はあると思う」

サンプラスはゴルファーのタイガー・ウッズ、バスケットボールの元スター、マイケル・ジョーダン、インディアナポリス・コルツのクォーターバック、ペイトン・マニング等をそのグループとして挙げ、彼らは各々のスポーツにもたらす敬意ゆえに、同じく品位をもって引退に対処すると考えている。

「ただ退屈し、興奮を恋しがる者もいる」それが、多くのプロフェッショナルなスターがカムバックを試みる事に対するサンプラスの見方である。その中には自転車のランス・アームストロング、NFL のクォーターバック、ブレット・ファーブ、そしてジョーダン自身さえもいる。

「僕の場合は、家庭やゴルフとこういったチャリティ・イベントでプレーする事の間に、ちょうど良いバランスを取る事が必要だった」

家庭、ゴルフ、チャリティ・イベントでプレーする事のバランスを見いだす事は、6月に刊行された著書『A Champion's Mind』でサンプラスが伝えるメッセージの一部である。しかし彼は著書や自分の生活が、個人的なアドバイスの秘訣になるとは意図していなかった。

「僕はただ隠し立てのない正直なやり方で、自分がチャンピオンであるために何が必要だったか、すべてを語ったんだ。だがそれは、明け透けにする事ではない」とサンプラスは著書『A Champion's Mind』について語った。「どんな分野であれ、ベストを尽くしたいと望む人々を手助けする本にしたかった」

それが、今年のミラクル・マッチツアーにサンプラスが参加した事を Przybysz が喜ぶ理由である。

「このようなイベントは地域のテニスクラブやプロに、ピートのような模範と共にスポーツを育てるチャンスを与えてくれるのだ」と Przybysz は語った。


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