クウィーンズベリー・ルールズ
2008年12月1日
我々が彼の素晴らしいキャリアを振り返るなか、サンプラスは競技に戻る
文:Thomas Rooney


火曜日、テニス界の偉人ピート・サンプラスはブラックロック・マスターズ大会に出場し、6年ぶりにロンドンへと帰還する。2002年にウィンブルドンの2回戦で敗れて以来、アメリカ人はロンドンに姿を現していなかった。記録的な14回のグランドスラム・チャンピオンは、シニアシーズンの最終戦に出場する。さらに興味をそそる事に、彼はラウンドロビンでジョン・マッケンローと対戦する。2人は現役中に3回対戦したが、サンプラスがすべて勝利している。再びサンプラスと対決するにあたり、マッケンローはこれを真剣に受け止めているであろうと私は想像する。

実際、遠慮なくものを言うマッケンローはすでに、サンプラスや他の出場プロへのメッセージで警告を送った――「私は負けるためにロンドンに来るのではない」と。これら「他のプロ」、つまりステファン・エドバーグ、パット・キャッシュ、セドリック・ピオリーン等は、とても楽しいテニス週間となる筈のイベントに参加するメンバーである。

ご承知のように、サンプラスは今大会に先がけて考えを語りはしないだろう。そして正直なところ、彼ほどマッケンローと異なる者はいなかったのだ。現役の間、サンプラスはめったに感情を露わにしなかった。そして現在でもそれは変わっていないようだ。

ブラックロック・マスターズを迎えるにあたり、37歳のサンプラス――テニス界を引退してから、とても穏やかな生活を送ってきた――は、自分は常に「普通の人」であろうとしてきた、そして「内向的な」特質は現在でも変わらないと語った。

サンプラスはテニスキャリアで達成した事に「満足している」と認めている。その間に64のタイトルを獲得した事を考えれば、これは驚くにあたらない。そして「満足している」との発言は、私がこれまで聞いた中でも最大級の控えめな表現なのかも知れない。

サンプラスは長きにわたって男子テニス界を支配し、出場するすべての大会で、優勝するチャンスがあると目されていた。

記録である286週間もの間ナンバー1の座に就いた男は、業績のリストに7つのウィンブルドン、2つのオーストラリアン・オープン、5つのUSオープンのタイトルを含めている。そして15年のキャリアでただ1つ、フレンチ・オープンのみが欠けていた。とはいえ、彼は注目に値する選手だったのではないか?

デビスカップの勝敗記録はまずまずだが、サンプラスは優れたチームプレーヤーでもあった。1992年と1995年、彼は合衆国の優勝に貢献した。デビスカップの全勝敗記録は19勝9敗である。

このテニス界の伝説的偉人がキャリアを終えたやり方は、恐らく選手としての彼を要約していたと言えるだろう。2002年のUSオープンでは第17シードだったにもかかわらず、彼は驚くべき出来で大会優勝を果たしたのだ。これは彼が ATP プロとして出場した最後の機会となった。そしてテニス界における史上最高の選手の1人として、地位を確定した。

選手としてのサンプラスについて振り返り、そして彼が大会でプレーするためにロンドンへ戻ってくるという事実を受けて、サンプラスは現在のゲームにどう適応するだろうかと考えずにはいられない。彼はフェデラー、ナダル、ジョコビッチ、マレー等のどこに位置するだろうか?

皆さんの考えを教えてほしい。


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