アウトバック・チャンピオンズシリーズ 電話記者会見
2007年1月30日
ジム・クーリエ
ピート・サンプラス


ランディ・ウォーカー:今日はお集まりくださり、ありがとうございます。テニスの殿堂入り選手であり、インサイドアウト・スポーツ&エンターテインメント社の共同設立者、そして2006年アウトバック・チャンピオンズシリーズの年間最高ポイント・チャンピオンであるジム・クーリエをご紹介します。彼は今日、テキサス州ダラスから電話で参加してくれています。ジム。

ジム・クーリエ:どうもありがとう、ランディ。皆さん、今日は電話で我々に合流してくれて、ありがとう。まず2007年のアウトバック・チャンピオンズシリーズについて話します。もちろん皆さんの多くは、今日早くに流れたビッグニュースを聞いた事でしょう。それについて数分間、さらに詳細を話し合います。

ツアーの概要ですが、2005年の終わりに1つの大会、ヒューストンで行ったスタンフォード・カップから始まりました。ツアーは急速に成長し、昨年は5大会を開催するに至りました。今年2007年には6大会を開催します。我々はツアーの発展をとても喜んでいます。チャンピオンズテニスは合衆国で歓迎されてきて、その事にも興奮しています。

2007年のスケジュールは、すぐにお伝えします。ツアーの参加資格は、30歳を超えていて、ATP ツアーでフルタイムのシングルス・プレーヤーではない事です。グランドスラム大会の決勝戦に進出したか、ATP ランキングのトップ5にいたか、あるいはデビスカップ優勝チームでシングルスをプレーしたか、いずれかの条件が必要です。その基準で参加資格を満たす者は、世界中で40名ちょっとです。

2007年のスケジュールは、すぐに電子メールで送りますが、6つの大会を開催します。最初のイベントはネイプルスで開かれ、新しいタイトル・スポンサー、オリバーグループが付きます。開催時期は3月7〜11日です。わりとすぐだね。

ボストンでは、新しい開催場所、ボストン大学の屋内ホッケー・アリーナに移動します。チャンピオンズカップ・ボストンは5月2〜6日です。広く伝えられたように、ピート・サンプラスはそこでチャンピオンズシリーズのデビューを果たします。それを楽しみにしています。

シリーズ6番目の開催地、それは新しい場所で、大いに楽しみです。国際テニス名誉の殿堂があるロードアイランド州ニューポートで、ギブソンギター・チャンピオンズカップを開催する予定です。もちろん、芝生でプレーします。日程は8月22〜26日で、USオープンの直前になります。かなり結構なものになるでしょう。9月26〜30日はシャーロットへ戻り、パリセイド・チャンピオンズが行われます。昨年は素晴らしいイベントになり、しかも僕が優勝しました。だからいっそう快いね。

テキサス州ダラスでも、新しい開催場所を得ます。僕はここ、スタンフォード財政事務所から電話をしています。スタンフォード ・チャンピオンシップスは10月17〜21日、ドクターペッパー・スターセンターで開催されます。我々は今日、地元で記者会見を行いました。

シリーズの最終戦は、我々が始めた場所、ヒューストンに戻ります。期日は11月7〜11日です。

さて、それではピート・サンプラスに加わってもらおう。彼はロサンジェルスから電話で参加します。アウトバック・チャンピオンズシリーズ・テニスにピートを迎えるためにしてきた事は、僕の個人的なハイライトだ。我々は長い間、話し合ってきたんだ。ピートがボストンでデビューするのは、とても嬉しいよ。

現在、今年後半の彼のスケジュールを検討していて、さらに何大会か出場してほしいと望んでいる。だがボストンで始めて、ピートがロッカールーム、コートに戻ってくるのは、個人的に素晴らしいと感じるよ。我々のキャリアでの対戦は、16か17試合だと思う。

ピート・サンプラス:少なくとも。

ジム・クーリエ:少なくとも。

ピート・サンプラス:1つ2つ抜けてたよ。

ジム・クーリエ:幾つか忘れていたかも知れないね。コートに戻って、ピートに一泡吹かせてやるのが楽しみだよ。アウトバック・チャンピオンズシリーズは、大きな年を迎えると考えている。それでは、ピートと僕への質問を始めよう。

近頃ジャスティン・ギメルストブは、あなたのゲームを見る限り、現在テニス界で2番目にベストのプレーをしている、と言いました。ウインブルドン、芝生への誘惑を感じますか?

ピート・サンプラス:
いいや。我々はみんな引退すると、再びプレーする事、現在のゲームで自分がまだ競えるかどうかを考えると思う。僕がプレーする日々は、少なくとも ATP ツアーでプレーするのは終わった。それは大変な仕事だ。僕が終えたのは、異なったライフスタイル全体だ。

そうは言っても、僕はかなり上手くボールを打っているよ。過去6カ月間、頻繁にヒッティングをしてきた。今でもかなり良いレベルでプレーできる。何人かの選手とは競い合えるかも知れないと感じる。だがそれで引退から戻ると考えるのは強引だ。より大きいラケット、テクノロジーを利用するのは、確かにパワーとコントロールの助けになってきた。現在テクノロジーが選手たちにもたらすものは、本当に驚くべきものだ。僕はそれを試している。違ったものであれこれやってみるのは面白かったよ。

だが再びウインブルドンでプレーするというのは、現実的ではない。

もしミディアムスピードのハードコートでロジャーと対戦するとしたら、前に詰めますか? あなたの戦術・戦略はどんなものですか?

ピート・サンプラス:試みるだろうね。彼に対して前へ詰めるのはかなり難しいだろうが。誰に対してであれ、それが僕のゲームだったと思うよ。対戦相手に対して僕は前に詰めようとし、セカンドサーブを攻撃しようとし、いくらかはステイバックするが、前へ詰めるチャンスを窺っていた。

ロジャーに対しても、ジムやアンドレとやった時と変わらないだろう。前に詰めて相手に時間を与えないようにする。ロジャーに対してステイバックするのは厳しいよ。ステイバックする相手に対して彼がしている事をご覧よ。彼はただもう相手を切り刻んでいる。

僕だったらとにかく前へ詰めて、彼が上手くリターンできるか、バックハンドのパスを抜けるか見ようとするだろう。そのうち彼はそれをこなすだろうけど。でもそれが僕の戦術だろうね、彼を焦らせるための。とにかくアクセルをふかさなければ、そして上手くいくのを願うのさ。

どんな結果になると思いますか? 言いがたいですか?

ピート・サンプラス:
何とも言えないね。僕が90年代半ばにプレーしていた頃と比べて、テクノロジーが少しばかり関わっているゆえに現在のゲームはもっと速いようだ。ロジャーと僕が対戦したら――彼は一度ウインブルドンで僕を倒しているが、彼はそれからもっと良くなっていると思う。本当に何とも言えないね。

一方が他方を完全に制圧するという事はないだろう。僕はいくらか勝ち、そして彼もいくらか勝つだろうと思うよ。我々のゲームはかなり似ていると思うが、僕はより前へ詰める事を狙う攻撃的プレーヤーで、彼はむしろショット - メーカーと言えるだろう。互いの全盛期に当たったら、大いなる対決だっただろう。僕がしなかった事でロジャーがしている事は、彼の支配の仕方だ。彼は2年間で5試合しか負けていない。スポーツでは前代未聞だ。

でも僕のゲームが上手くいっていたら、サーブがいい時は、誰かに支配されるには相当ビッグなゲームだと思うよ。僕は倒すのが難しい、負けないように感じていた。

あなたは彼をやや防御に回すかも知れませんか?

ピート・サンプラス:
そうしようとするだろうね。でも行うより言うは易しだ。彼は動きもとてもいいし、両サイドともとてもいい、サーブもとてもいい。僕は彼を焦らせ、最善を尽くそうとするだろう。彼は動きが良くて、サーブやボレーにも追いつけるから、厳しいだろうけどね。彼は走りながら素晴らしい事ができる。何が起きるかは、何とも言えないね。僕が頭角を現し、マッケンローが去ろうとしていた時、彼と僕はどんな対戦になっただろうと、みんな思っていたよ。我々は数年間、言わばずれていたんだ。同じ事がロジャーと僕にも言える。

ピート、あなた方が一度コートで出会った時、ロジャーが勝ちました。当時、彼がどれほど良くなるか、感づいていましたか?

ピート・サンプラス:
いたよ。彼は当時もかなり並はずれていると感じた。素晴らしいショットを打ち、本当に僕を驚かせた。言わば僕の不意を突いた。彼と彼のゲームについては聞いていた。初めて彼と対戦して、とても、とても感銘を受けたよ。彼は次の試合でヘンマンに負けた。当時は少し安定性が欠けていたのだろう。だがゲームは存在していた。

この4〜5年で、彼はすべき事を理解してきたのだと思う。今、彼のゲームはより揺るぎない。彼には相手を畏れさせるオーラがある。途方もない選手だ。僕がウインブルドンで彼と対戦した時でさえ、その兆候はあった。今、彼はそれを研ぎ澄まし、ずっと安定してきたと思う。だが当時でも、彼は特別な存在だと分かったよ。

あなたが引退した時、14(のタイトルは)ディマジオの数字か何かのように見えました。誰かがこれほど早く迫ってくるとは想像しましたか?

ピート・サンプラス:
7〜8年よりは長くかかるだろうと思っていたよ。だが、それは起こりそうだね。彼は2年くらいで僕を追い越し、さらに17、あるいは18くらいまで行くと思っている。真に脅かす男が2〜3人もいるとは思わない。彼はただただ良くなっていくだろう。相手は彼に対して時には上手くやるだろうが、彼には他の男たちが持っていない特別のギアがあると思う。

彼はあまりいいプレーをしていない時でも、勝つ途を見いだすようだ。誰も彼を真に追い詰めてはいない。17、18、19くらいのメジャー大会に優勝すると思う。すでに10タイトルを獲得し、まだキャリアの中間だからね。

確かに、14は凌ぐのが難しい数字だろうと思っていたよ。だが彼はいい時に現れ、途方もないテニスをしている。彼がストップするとは思わないね。

彼のプレーを見るのは楽しみですか? 彼が順調にやっているのを見る事は辛いですか?

ピート・サンプラス:
僕は彼のゲーム、気質、コート内外での振る舞いのファンだよ。自分なら彼とどうプレーするだろうと想像したりする。ソファに座って見ている今、彼ができる事にただ感嘆している。優れた動きで、コートの両側から素晴らしい事をして、必要な時には前に詰められる。そしてかなり強烈な1stサーブを持っている。全てのパッケージを備えている。彼にできない事は何もない。

それがいいね。彼は全てを簡単そうに見せる。スムースで、素晴らしい運動選手だ。

時折、ロジャーの容易さ、楽そうにプレーするからか、フェデラーには興奮が欠けていると疑問視する人がいます。ほんの少し彼に不利に働くでしょうか?

ピート・サンプラス:
まあ、幾分この国ではね。彼はスイス人だ。アメリカ人が1人、あるいは2人そうする程には、テニスを盛り上げないかも知れないね。彼は素晴らしい男で、控えめだ。ある程度この国では、もう少しばかり――論争とか物語を必要とする。だが一方、ロジャーはもっと能率的なようだ。彼はコートに出て、そして圧倒する。僕も90年代の数年間、そんな感じだった。あまりにも簡単そうだったり、あるいは圧倒した。

難しいよ。ライバル関係が助けになるだろう。できればアメリカ人の1人が、ブレイクでもロディックでも、もっと彼を追い詰めて、より注目を集められるといいね。でも彼はとても良い広報をしていると思うよ。特にタイガーとの比較とか。多くのニュースがあると思う。

彼がこれまで可能にしてきた事、どれほど堅実かは驚くばかりだ。さっきも言ったように、彼はアメリカ人ではない。だからここでは、全体としてテニスを盛り上げるとはいかない。少し手助けが必要だと思う。ナダルでも、競争といったものを加える助けができるだろう。特にメジャー大会となればね。

ロディックがもう少し彼をプッシュできたら、テニスを盛り上げる主たる存在になるだろう。もしロディックがオーストラリアでもっと競り合い、彼を倒しでもしたなら、この国の人々は明らかに耳を傾けただろうと思うよ。それは大ニュースになっただろうから。より大きい何かに発展できた筈だ。

ロディックは精神的に、あるいは肉体的に後退しているのでしょうか、それとも未だギャップを縮めようとしているのでしょうか?

ピート・サンプラス:
オーストラリアの試合は少ししか見ていないんだ。彼は一歩後退したかも知れない。オープンではかなり迫り、上海では彼に対してマッチポイントを握った。みんな、彼はついにロジャーを倒す間際にいると感じただろう。

彼の負け方を見ると、ロジャーは言わば、自分は明らかにベストの選手で、誰も自分を4あるいは5セットにさえ追い詰められない、と誤解を正したかったようだね。

ロディックはビッグゲームを持っているが、ロジャーとの対戦は居心地が良くないようだ。ロジャーは動きがとても良くて、バックハンドスライスを使ってボールを低く保つ。ロディック、彼らは似たようなゲームをするが、ロジャーの方がもっと上手くやる。彼がもう少しプッシュできそうな兆候もあったが、ロジャーには自分の意志を押しつける特別なギアがあるのだろう。

ロディックにはその特別なギアがない、もしくは、少なくとも2時間それを持続できない。一方ロジャーは2日間連続、そのレベルでプレーする事が可能のようだ。

出場したいアウトバック・シリーズ大会はたくさんありますか? 特に、シャーロットの大会に出るかどうか、考えは?

ピート・サンプラス:
僕が確約している唯一の大会はボストンだよ。どんな具合か見るつもりだ。その後は、まだ何も予定していない。ボストンでプレーして、どんな感じか見るつもりだ。もっとプレーしたいと思っている。気持ちと相談しながらプレーするって感じだね。

テニスへ戻る事、これはあなたが強く望んだものですか、それとも申し出があって良い機会だと考えたのですか? どのように関わっていったのですか?

ピート・サンプラス:
基本的には、僕は昨年少しばかり手を染めて、チームテニスとか、あちこちで幾つかのエキシビションに出た。この2年ほど、彼のイベント、彼の申し出について、ジムと話をしてきた。僕はそれについて考えた。今年は言わば次のレベルへ進む機会だと思ったんだ。より高いレベルでプレーする、かつての名選手、ジム、ジョン、皆と対戦する機会だとね。

ある程度はトーナメント的なプレーをしている。エキシビションの機会と場所はある。だた大会には賞金がつき、我々は皆もう少し刺激を感じて臨むだろう。僕は次のレベルに進む事を楽しみにしているよ。もう少し真剣に準備をする。5日間で4試合できるようにするには、もうちょっと調整しなければね。

楽しみだよ。かつてとは違うが、似たものではある。それを楽しみにしているんだ。ここカーソンでジムと対戦したが、それは言わば僕が初めて沸きたつ思いを感じた時だった。面白かったよ。かつての日々のようだった。そんな感じに戻るのを楽しみにしているんだ。ボストンではどんな風になるだろうね。

これまで、開催者を叩きのめすチャンスのある大会でプレーした事はありますか? 新しい経験ですか?

ピート・サンプラス:
僕たち双方にとって新しい経験だね。ジムは僕にプレーさせようとしてきた。そして今、僕は大会に出て彼を倒そうとするんだ。ジムと僕は、常にコートでそうしてきた。僕たちは長年良い友人だった。10代の時からツアーで成長してきたからね。ある意味で、引退した選手たちは皆、彼がこのツアーをまとめるために時間を割いてくれた事を感謝していると思うよ。我々にすべき何かを、努力すべき何かを与えてくれる事を。

そうでないと、我々はもっと退屈するだろう。ジムはテニスを何らかのビジネスに移行させ、素晴らしい仕事をしたと思う。彼が1大会から今年は6大会までに発展させてきたのは、見ていて楽しかったよ。かなりの仕事だ。

ジム、この仕事はあなたにとってどんな意味がありますか? あなたは懸命に努め、ここシャーロットで大会のプロモーションをしてきました。ほんの2年目でピート・サンプラスのような人をツアーに引き入れた事は、あなたにとって何を意味しますか? その名前が意味するものは?

ジム・クーリエ:
昨年テニスというスポーツにピートを引き戻した事は、 テニス界にとって素晴らしい事だった。我々のアウトバック・チャンピオンズシリーズにとっては、ピートが出場して競うのは大いなる事だ。彼は歴史的な偉人の1人で、世界中の人気者で、しかもアメリカ人選手だからね。行く所どこでも、アメリカのテニスファンからまず受ける質問は、ピートはプレーするのか? 何をしているのか? テニスに興味を持っているのか? って事だよ。

この2年間は、これらのイベントでどんな事をしているかピートに知ってもらうプロセスだった。僕を含めて我々は皆、再びトーナメントテニスをしようと決める前は、どんな風に感じるか知りたいと思う。楽しめないかも知れないという不安がある。

ピートに話した事は経験によるもので、自分で自分のテニス、スケジュールを管理できて、好きな時にプレーし競い合えるのはとても楽しいという事だ。ランキングを追うために、望まないのに飛行機に乗って試合へ向かわなくてもいいんだ。

それはスポーツに関わり続け、才能に恵まれた事をする、同時に多くを与えてくれたスポーツに恩返しをするという事だよ。

もちろん、ピートが参加するのは我々にとって大きな事だ。彼がもっと参加したいと思ってくれるのを望んでいる。僕はボストンでコートに戻り、彼に一発くらわせてやるのを楽しみにしているよ。さっき言ったように、彼との対戦成績はかなりひどいからね。

ランディ・ウォーカー:2人の対戦成績は16勝4敗で、ピートが優っています。彼らは全てのグランドスラムで対戦しました。

ジム・クーリエ:僕がパリの予選で勝ったのは、入ってないみたいだね。

ピート・サンプラス:それは公式じゃないから(笑)。

ジム・クーリエ:公式戦だけど、カウントされないんだ。

ピート・サンプラス:じゃあ16勝5敗って事にしよう(笑)。

ジム・クーリエ:次の質問をどうぞ(笑)。

ピート、マッケンローの全盛期に対戦したらどんな風だったか、という話題をあなたは出しました。あなた方両者が全盛期で対戦したとすると、どんな対決になったと思いますか? また、今のマッケンローやクーリエとは、どんな対決になるでしょう?

ピート・サンプラス:
僕はかなりいい感じだよ。先ほど言ったように、調子を整えるためにこの6〜8カ月間、週に2〜3回ヒッティングをしてきた。今でもヒッティングを楽しんでいる。ジムとはカーソンで実際にプレーした。かなり気合いを入れ、相当いいプレーをしたよ。

ジョンとの対戦に関してだが、僕は彼のキャリア終盤に対戦した。僕は言わば真に――彼を圧倒したとは言いたくないが――テクノロジーが生み出すパワーで彼を数回打ち負かした最初の男の1人だったと思う。

両者が全盛期だったら、どちらがより支配的であったかは何とも言えないね。80年代と90年代を比べるのはとても難しいと思う。才能という点では、マッケンローかな。彼にできた事、ショットメイキングの巧さ、サーブ&ボレー・テニス、それは僕が時に苦戦した類のテニスだ。素晴らしいボレー、動き。

世代を比較するのは難しい。彼は火のように燃え立つ男で、僕はもう少し控えめで、素晴らしい対決になっただろうと思うよ。テニス界のある時期には、例えばロジャーと僕についても話が出るが、すれ違いが起こるんだ。でもジョンと僕は大いなる対決だっただろうね。

どちらがネットを制するかという戦いになったでしょうか?

ピート・サンプラス:
そうだね、どちらがリターンを上手く打つか、どちらが相手のサービスゲームによりプレッシャーを掛けるかに尽きただろう。ジョンについて嫌じゃなかった事は――僕はゴランやクライチェクのようなビッグサーバーとの対戦が好きじゃなかったんだ。ジョンとだと、彼のサーブを拾えるかどうかは大して心配じゃなかった。僕を悩ませたのはネットでの彼の動き、バックハンドで彼をパスできるか、だろうね。彼はサーブでボールを低く保ち、動きが素晴らしかった。

彼は難問を提出してくれたよ。彼の動きは素晴らしかった。良いテニス、サーブ&ボレーのテニスになっただろうね、それは現在もう見ないものだ。同じようなプレーする2人の男、その日により上手くやった側が勝っただろう。

ジム・クーリエ:ボストンを見てくれ。

ピート・サンプラス:ボストンを見よう。

ジム、あなたと全盛期のマッケンローとでは、どんな対決になった思いますか?

ジム・クーリエ:
ジョンと僕は2回くらい対戦したと思う。僕がツアーに出たばかりの時だった。彼が去りつつあった頃だ。彼がグランドスラム大会でプレーした最後の試合、USオープンで僕は彼を負かした。

ジョンもまた、ピートが言うのとは別の時期だが、移行期間に遭遇したプレーヤーの1人だ。ウッドラケットからグラファイトへと、彼の時代にテクノロジーは本当に進化したよ。それから発展は続き、最近ではストリングスの変化がメインのようだ。ジョンにはそういう要素はなかった。

確かに彼のタッチ、感覚、信じがたいコートセンスと抜け目なさ、それはピートにも共通しているが、テニス界でも希有なものだ。僕がコートに提供するのはパワー、荒々しい力、反逆者的な手腕、自分の強みを生かし、弱点から相手を阻もうとする能力だ。

サーフェスごとに言うと、芝生だと僕はジョンに苦戦しただろう。もちろんクレーでは彼が苦戦しただろうね。ハードコートなら、かなり面白い対決になったと思うよ。最近のエキシビションや大会はハードで行われ、我々がプレーする場は大体ハードコートだ。彼は僕より12歳も年上だが、今でも素晴らしい体調で動きもいいし、熱心にトレーニングしているよ。彼はまさに信じがたい競技者だ。

もう一度言うが、サーフェスによって、ケース・バイ・ケースだと思う。彼はそれなりに勝利を得て、僕もまた勝利を得ただろう。

あなたは現在のジョンとの対決について触れました。自分の強みを生かすのに、あるいは彼の強みを阻むのに、どんな事を試みますか?

ジム・クーリエ:
ジョンとの場合、彼の感覚とスピンを使わせてしまうと、コートで彼が操る側になってしまうと、トラブルに陥るね。それはベースラインの支配権を狙う戦いだ。僕はできる限りコート中央を支配したい。彼をサイドからサイドへと動かせるなら、僕が上手くいく典型的なパターンだ。

もしジョンが予測してネットにつくと、とても機敏だからパスするのは大変だ。基本的には、僕がベースラインから支配的なら、順調だ。もし彼が攻撃しているなら、僕は苦戦しているって事だよ。

現在は、あなたとピートのゲームは、どうぶつかり合うと思いますか?

ジム・クーリエ:
我々が昨年の夏にカーソンでエキシビションをした時、ピートはかなり小憎らしく僕をやっつけてくれたんだよ。もちろん、試合前にピートが僕に言わなかった事――後で教えてくれたが――は、彼がラケットとストリングスを換えたって事だけどね。ピートと僕は、キャリアを通じて同じラケットでプレーしてきた。道具を換えるのがどれほど難しいか、2人とも知っている。僕たちはどちらも、現役の間にそれをできなかった。

彼が道具を換えたのを見て、もちろん、すぐ次の週に僕はそのラケットを握り、ストリングスも換えたよ。今、僕はもう少し良いプレーしていると思う。だが僕はまだ気懸かりだ。まあ、様子を見よう。

ジム、あなたが描いているアウトバックシリーズの将来像はどんなものですか? シニアゴルフツアーがモデルですか? ピートを迎え、これをグランドスラム・レベルにして ITF(国際テニス連盟) に公認させる事も可能と見ますか?

ジム・クーリエ:
アウトバック・チャンピオンズシリーズに関して我々の目指すところは、ダラス、ボストン、シャーロットなど、主要なマーケットを得られる場所に来る事だ。現時点ではプロテニスのイベントがあまり行われていない。我々が提供するものは、テニスファンがゲーム、名前を知っている馴染みの人々と繋がり、良い競技テニスを見る大いなる機会だと思う。

これを大きくしていく事に関しては、PGA チャンピオンズツアーの大会数をよく知らないが、年に25とか30週もにしたいとは考えていない。僕自身もだが、選手たちはそんなにたくさんプレーしたいとは思っていないだろう。今年は6大会だ。合衆国の中で8大会くらいになると見ているが、それが適当な数だろうと思うね。それよりもう少し多くできるだろうけど。

だが、それは選手しだいだ。彼らがどのくらい家を離れてプレーする事を厭わないかだ。まあ、見てみよう。我々は確かに好機を探している。グランドスラムを含めて、テニス界のすべての理事会とオープンな関係を築いているし、協議を続けている。驚くには当たらないが、彼らは我々がしている事にとても関心を抱いている。我々が揃えるネームバリュー、スターパワーを見ている。それが彼らのレーダーに掛かるのは確かだ。

我々は05年に1つの大会から始めて、ほんの2年で6大会にまでした事を、とても喜んでいるよ。急成長だ。それに満足している。だがもう少し余地がある。

ピート、あなたは名誉の殿堂への就任で、7月にはニューポートにいますね。大会が8月に開催される前に、そこで練習するチャンスを得るつもりですか?

ピート・サンプラス:
出場のプランは立てていないよ。日曜日の午前にチャリティ・エキシビションを行うが、それは名誉の殿堂とティム&トム・ガリクソン基金のためだ。今のところはボストンでプレーするという事で、その後については様子を見ながらだ。ニューポートに戻る計画はまだない。

ジム、ロディックについての考えは? あのように大敗して、最初の段階に逆戻りでしょうか?

ジム・クーリエ:
いいや、逆戻りだとは全く思わない。ウインブルドンからジミー・コナーズと共にやってきて、アンディは大きく進歩したと思う。彼のゲームは様々な面で上達したようだ。あの試合でロジャーに負けた事を、僕はそれほど重く見ない。

アンディはベストのテニスをしなかった。ロジャーは信じがたいほど良いプレーをしたんだ。アンディはかなり進歩した。彼のゲームには素晴らしいものがたくさんある。よりネットに出ている。コートでのポジショニングも良くなっていると思う。バックハンドが上達した。彼は今、確実にバックハンドのダウン・ザ・ラインを打っている。

ロジャーは多くの男を無情に打ち負かすんだ。ピートがさっき言った事に同感だね。それらの男たちは、ロジャーに思い知らされる。だが、いずれは勝利を得ようともしている。1試合でアンディがパニックになるのは早計すぎる。

ロジャーはオーストラリアで、そう言っていたと思うよ。彼は同じ質問をされたが、その日の調子だろうと彼は言った。基本的に彼が言っているのは、今日は今日で、それを気に病んでも仕方ないって事だ。それが、アンディに必要な物の見方だと思うよ。

ピート勧誘に成功した今、アンドレをツアーに参加させる可能性は?

ジム・クーリエ:
ピートが何をする気か知らないんだ。ピートは僕よりもラスベガスに行く機会が多いと思うよ。

ピート・サンプラス:2人の子供がいて、君ほど独身生活を謳歌してないんだよ。

ジム・クーリエ:アンドレとは、ピートと僕が初めに交わしたような会話からだね――アウトバックシリーズについて、実際にアンドレと話したよ。僕がしている事、進捗状況、どんな風か、僕がプレーを楽しんでいるかなど、彼は知りたがったよ。彼は確かに意識している。我々が何をするか、彼に知ってもらったよ。彼のスケジュールしだいだ。いつ、あるいは参加すると決めるかについては、全て彼しだいだ。

ピートと同じで、彼は生活のためにこれをする必要がない。それはまさに、彼が何をしなければならないかではなく、何をしたいのかという問題だ。もし彼が望むなら、我々は喜んで彼を迎えるだろう。ピートのように、彼も歓迎されるよ。

あなたが出てきた頃の個人的な意欲と対照して、アメリカのジュニアテニスの現状、子供たちの意欲をどう見ますか? 今や意欲は親、あるいはコーチに駆り立てられるもののように見えます。

ピート・サンプラス:
ジムが答えると思っていたので、質問全体をちゃんと聞いてなかったよ。

ジム・クーリエ:僕が最初に答えるから、君は同調したり補ったりしてくれ。質問は要約すると、何がアメリカのジュニアテニスで起こっているか、だよ。

アメリカのテニスファンが理解しなければならないのは、世界がどんどん開かれてきたという事だろう。様々な国が競い合っている。我々が子供だった頃は、ほんの数カ国だった。今は中国がいる、テニス界で一大勢力となるだろう、そしてインドも。

テニス界に登場してくるそれらの国の、たくさんの人について語る時、大きな変化が見られるだろう。ロシア、前のソビエト・ブロックもそうだった。もちろん南アメリカは大いなる存在だ。

一方アメリカでは、男女のツアーともトップ100に入る選手が減ってきている。だが世界中でどれだけ多くの人間がプレーしているか、同じくテニス人気に注目すれば、驚くには当たらない。この国ではテニスはトップ3あるいは4のスポーツではないが、世界中のあらゆる他の国ではもっと人気が高い。大局的な立場で、我々の現状を認識しなければならないと思う。

そうは言っても、ボロテリー・スクールへ行くと、一人前になるためには何をも厭わないというハングリー精神を持ったたくさんの子供と会うよ。僕も確かにそういうケースだった。

僕はピートがトレーニングするのを見てきた。多くの人は、ピートがコート外でトレーニングするのを見た事がなかったが、ピートは時間をかけていたよ。努力なしでは何も得られない。我々の世代でも多くの者が、優れた選手を目指して、時間をかけて技能を磨いてきた。我々にとっては残念な事だが、現在は競争がさらに熾烈だというのが現実だ。

ピート、決定的な質問に対して決定的な答えをくれますか。ロジャーはフレンチで優勝しますか?

ピート・サンプラス:
できると思うよ。彼はクレーでプレーして成長してきたからというのが理由の一部だ。それは恐らく彼が子供の時、最初に経験したサーフェスだろう。この数年、彼はもう少しの所まで来た。彼があそこで優勝するのは、時間の問題だと思う。運が少しばかり、適切な時に素晴らしいプレーをする事が必要だ。彼は優勝できると僕は信じているよ。彼には最終的に勝つべきゲームが、堅実さが、動きがあると思う。

ジム、メルボルンの結果を見ると、作戦という点でみんなラファを攻略し始めた、作戦がロッカールームに広がってきたのだと思いますか?

ジム・クーリエ:
ラファを攻撃できるなら、より速いサーフェスで彼に迫れるなら、彼から時間的余裕を奪う事ができると、確かに気づかれてきたと思う。彼はコートの遙か後方でプレーする。

ゴンサレスやジェームズ・ブレイクのようなパワーがあれば、彼らはラファに対して上手くやってきたが、早い段階で彼に迫り、彼を具合の悪いポジションへ追いやる事ができる。このところ、ラファは少しばかり自信を失ってきたのだと思う。ウインブルドン決勝戦から彼は決勝に進出していないが、それは彼の基準としては長い時間だ。これは、彼にとってはちょっとした途切れだ。きっと彼は短期間でそれを取り戻し、自信を回復して、ローランギャロスでは脅威の存在になると期待しているよ。

そうは言っても、ロジャーは昨年クレーで明らかに世界のナンバー2だった。フレンチ・オープンもあと少しだった。第1セットではラファを圧倒した。それ後、彼は戦術的に拙い試合をしたのだろう。ロジャーが健康な状態でいるなら、(優勝は)時間の問題だと思うよ。ラファ以外に彼を苦しめるクレーコーターは大していないからね。

ピート、10〜15年後にでも、ジミー・コナーズがしている事を自分がするかも知れないと想像できますか? パートタイムであれフルタイムであれ、トップ選手を選んで、その選手と共に働くかも知れないと。

ピート・サンプラス:
それはないだろうが、どうなるかなんて分からないよ。アンディへしているように、若い選手に影響を及ぼすという事は、ジミーにとってかなり満足のいくものに違いない。異なった役割を務める事、彼が過去に成したように、若い選手がなしがしかの成功を収めるのを見る事はね。僕にもそういう事が起こるかどうか、分からないね。旅が伴うが、それには、特に外国への旅には、乗り気にならない。

でも遙か未来を予測する事はできないよ。自分がシニアテニスをするとは思っていなかったが、今年はここに座り、いくらかプレーするつもりになっている。何が起こるか分からない。考えには入れてないが、絶対にないとは言わないよ。

スポーツ・イラストレイテッドでは、スーパーボウルの予想について、あらゆる人の意見を集めています。勝者、スコア、その理由を簡単に挙げてもらえますか。

ピート・サンプラス:
僕はインディアナポリスを推す。ペイトン・マニング、彼が輝くと思うよ。コルツが強烈な攻撃的ゲームをして、35対10で勝つと思う。

ジム・クーリエ:高得点だね。

ピート・サンプラス:彼らの攻撃が、いい時にいい場面で決まると思うんだ。

ジム・クーリエ:僕は2週間半オーストラリアにいたから、あまりフットボールを見てないが、僕の予想もコルツの勝利だ。シカゴは寒い地域のチームだから、アウトドア(フロリダ州マイアミで開催)でプレーするのは不利じゃないかな。それに比べてインディアナポリスはインドアでプレーしている。スコアは低いと思う。僕は24対17で行こう。

ピート、あなたはボストンのみ出場を決めています。もっと多くの大会に出られると判断するには、何を見、感じ、経験する必要がありますか?

ピート・サンプラス:
自分が楽しいと感じるかどうか知る事だね。出場して相手と競う事、週そのもの、練習、会場にいる事、人々と交流する事をどう感じるか知りたいんだ。ジョンやジムと話して、楽しい週、競い合う週だと聞いた。みんな上手くやって勝ちたいと考える。

自分にとって有意義か、すぐに分かるだろう。そうだろうと思っているよ。ボストンに出場してコートで競い合ったら、もっとよく分かるだろう。スポンサーを通した活動への参加、クリニック、いろいろな事でテニスへお返しをする機会でもある。一種の調整をしている。そこへ行ったら、もっと良い感触を得るだろう。直観的には、楽しくてポジティブなものだろうと思っている。

ローンテニス協会( LTA )におけるあなたの元コーチの新しい役割ですが。ポール(アナコーン)は非常に注目を集める仕事に就いています。それを聞いて、どう思いますか。また、イギリスに眠る才能を発掘するのに、彼はどんな資質をもたらしてくれるでしょうか?

ピート・サンプラス:
ポールは――もちろん彼贔屓になるが――コーチングや才能の見極めが素晴らしいよ。彼は最高レベルのテニスを見てきた。そして今、より若い選手を指導するという異なった役目に就いている。彼は大いなる掘り出し物だよ。

残念ながら USTA は彼を手放してしまった。USTA が彼を雇い、我が国に彼の専門的知識を留めておくのが最高だったと思うけどね。LTA が彼とブラッド・ギルバートにかなりの金額を払っているのは、大したものだ。ポールと共に LTA がウインブルドン・チャンピオン発掘に乗り出すのは大きな取り組みだね。

ポールはとても信頼されていると思う。話し方も非常に洗練されている。ゲームの裏表を知っている。彼はトップ15プレーヤーだった。自分の仕事に伴うであろう政治的な事にも対処できる。だがまず、彼はテニスを、若い選手たちと共に過ごす事を楽しむだろう。

彼は今でも少しヘンマンと一緒にやっている。彼ら2人はチームとしてロンドンで子供たちを手助けし、素晴らしい事ができると思うよ。LTA にとって、ブラッドとポール両人を雇ったのは、大いなる掘り出し物だと思う。双方とも素晴らしい選手たちと共にやってきた。マーレーを先頭に、イギリスから何人か若者が出てきて素晴らしい事をするのは時間の問題だろう。

今年、マーレーとナダルはオーストラリアン・オープンの注目株でした。非常に才能があり、対ロジャーの先駆けです。今後2〜3年で、彼は何を成し遂げる可能性があると思いますか? 彼を充分に見てきましたか?

ピート・サンプラス:
ええ。それほどたくさんじゃないが、どういうプレーをするか知るには充分な程度、彼を見てきたよ。とても強烈な1stサーブを持っていて、優れたグラウンドストロークでそれをバックアップしているようだ。彼は背が高くて、ひょろっとしているが、コートカバーも良いようだ。

これからどんどん良くなろうとしている。彼はまだ19歳だよね。肉体的にもう少し強くなり、体格もしっかりして、さらに自信を深めていくだろう。

彼はできるだろう――2〜3年で、もっとロジャーをプッシュできるだろう。たしか一度シンシナティで、ロジャーを倒したよね。彼は上昇途上だと思う。

コートでの気質もいいね。彼のプレーは好きだよ。年齢と共に、コンディション調整に取り組むと共に、肉体的にもより強くなっていくだろう。彼は多くの素晴らしい事ができる。

あなたの攻撃的ゲームがフェデラーへの解決策だと想定して、そのスタイルが戻りつつあると見ますか、それとも廃れているでしょうか? また、セレナについでですが、あなたのように、彼女は2年間タイトルがなく、批判され、もう終わりだと言われてきましたが、メジャーで優勝しました。彼女とあなたを比べる気はありませんが、あなたの経験に基づいて、彼女はこれを維持できると思いますか? それとも時折メジャーで優勝するパートタイム・プレーヤーになるでしょうか?

ピート・サンプラス:
僕は女子テニス、もしくはセレナについてよく知らないんだ。見聞きしたところによると、彼女は調子を取り戻し、動きも良くなったようだね。それは彼女の才能の問題じゃなくて、本当にテニスに集中するのかという心の問題だと思うよ。彼女はテニス以外の様々な活動をしている。ジムも同意するだろうが、トッププレーヤーでいるためには、本当にそれに集中する必要がある。二足のわらじは難しいよ。

彼女はオーストラリアでの経験から自信を得るだろう。メジャーで優勝し、再びテニスが楽しいものになっただろう。望む限り、彼女はそれを維持できる。彼女の心しだいだ。もし世界最高の選手でいる事を望むなら、彼女は確かにそうできるよ。努力し、集中する事にかかっている。

サーブ&ボレーは、フェデラーを攻撃する方法のようです。ベースラインからでは誰も彼を打ち負かしません。このスタイルは今や消えたと思いますか?

ピート・サンプラス:
そう思う。廃れたと思う。ビッグサーバーはいるが、前へ出ようとしない。この数年ウインブルドンを見ると、フェデラーでさえそれほど前へ詰めようとしていない。誰もがステイバックし、強力なグラウンドストロークを打っている。

テクノロジーによるところが大きい。今の若い選手は、子供の頃から大きいラケットとストリングスを使っている。正しいボレーの仕方をきちんと習わない。僕はウッドラケットで学んだから、正しいテクニックを身につけねばならなかった。

今はみんな強力な、スピンとコントロールの利いたボールを打っている。サーブ&ボレー・テニスは、哀しい事だが、僕の意見では――ロジャーなり誰かに攻撃をかける者を見かけない。彼はコート後方からやりたい放題だ。サーブ&ボレーヤーとベースライン・プレーヤーの対戦が、最高のコントラストだと僕は感じていた。優れた激突だ。現状は変わらないだろう。真のサーブ&ボレーヤーが現れるとは思わないよ。
絶滅だ。哀しいね。

ジム、ヨーロッパのシニア・サーキットと共同でイベントを行うという協議やアイディアはありますか?

ジム・クーリエ:
彼らとは素晴らしい関係だよ。僕はあそこでも何年かプレーした。我々は相補う関係だと思う。彼らはヨーロッパで上手くやっている。我々は合衆国で6つのイベントを行うに至った。

そこに競合する要素はないと思う。我々には独自のスポンサーがつき、彼らには彼らのスポンサーがついている。現段階では重なりはないね。将来、協働してより大きい、より強力な、そして皆にとってより重要なものを作り上げられるかについては、我々は柔軟な態度でいる。彼らと話し合いを行ってきたし、今後も続けるよ。

テニスへの私見だが、これまでとは少し違った目で見ようとしている。思うにテニスは、我々は他の娯楽と競合している。他のスポーツ、ビデオゲーム、映画などと競合している。人々はあらゆる分野に自由裁量の支出ができるんだ。

だがテニスは内部で競合しすぎている。我々はそういう事をしたいとは思わない。我々は全般的にテニスの発展に寄与したい。誰もがその恩恵に浴するんだ。漠然とした素朴な声明だが、それが今のところ我々が取り組んでいるやり方だ。

ランディー・ウォーカー:今日参加してくれた皆さんに、特にピートとジムに感謝したいと思います。2007年のアウトバック・チャンピオンズシリーズは、3月7日、フロリダ州ネイプルスで始まります。ピートはボストンで5月2〜6日、デビューを飾ります。皆さん、会場でお会いしましょう。どうもありがとうございました。



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<おまけの写真> *2006年のエキシビションより。写真をクリックすると、拡大版が見られます。