ブラックロック・ツアー・オブ・チャンピオンズ
2008年6月19日
サンプラスはデビュー戦となるサンパウロの舞台でムスターと同じグループになる


左からハイメ・イサガ、ピート・サンプラス、トーマス・ムスター、アンドレイ・チェルカソフ、マーク-ケビン・ゴルナー、ハイメ・オンシンス、フェルナンド・メリジェニ、マルセロ・リオス

今週ピート・サンプラスは、ブラジルのサンパウロ大会でブラックロック・ツアー・オブ・チャンピオンズのデビューを飾り、ラウンドロビンでは元世界ナンバー1のトーマス・ムスターと対戦する。

ムスターとの対戦は土曜日だが、それに先だってトーマス・コッホ・グループのラウンドロビンで地元のフェルナンド・メリジェニ、マーク - ケビン・ゴルナーと対戦する。

この大会はサンプラスにとって初の南アメリカ旅行となるが、これまでのところ、彼はこの地を気に入っている。

「まだここに着いて1日だが、サンパウロは美しい大都市のようだね」とサンプラスは語った。

「この大会、そして競い合う事を楽しみにしている。大入り満員になるといいね。ここの観客はとても熱狂的だと聞いている。僕は数週間前に背中を痛めたので、最初の1〜2試合では恐らくプレーが少し錆びついているだろう。だが僕は優勝候補の1人だと思っているよ」

カルロス・カーマイヤー・グループには、もう1人の元世界ナンバー1であるマルセロ・リオス、ロシアのアンドレイ・チェルカソフ、ブラジルのハイメ・オンシンス、ペルーのハイメ・イサガがいる。

サンプラスはブラックロック大会デビュー前日に、フェデラーへの思いを語る

ピート・サンプラスはデビュー戦準備のさなか、ロジャー・フェデラーが自己の14という生涯グランドスラム・タイトル記録を破る時には、その場に居合わせたいと語った。

BlackRockTourOfChampions.com 上の独占ビデオ・インタビューで、サンプラスはフェデラーに、その時には大会へ行くと約束した。

「ロジャーには僕の記録を破りたいという強い思いがある。彼がそれを成し遂げる時には、僕はその場にいたい」とサンプラスは語った。

「僕は彼に、ニューヨークかロンドンにしてくれと言ったんだ! オーストラリアは遠いからね! だが、もしそういう巡り合わせになったら、オーストラリアまで行くよ。彼にはその瞬間を楽しんでほしい。だが(その場にいて)記録と彼が成し遂げた事に敬意を表し、『おめでとう』と言いたいんだ」

最後にプレーした2002年から、サンプラスはウィンブルドンを訪れていない。フェデラーがどこで自己の14グランドスラム・タイトル記録を破ろうとも、彼はそこへ行くつもりだが、第1希望は、フェデラーが来年のウィンブルドンで15回目のメジャー大会に優勝するのを見る事だろう。

「ウィンブルドンのコートに戻ったら、様々な感慨が込み上げるだろう。僕にとってあの場所は大きな意味があったし、テニスというスポーツにとっても大いなるものだからね。運動選手としての僕にとって、とても重要な場所だった。我々のスーパーボウルだった。子供時代の僕に大きな影響を与えた。さらにボルグとマッケンローの対戦や、ベッカーが17歳と18歳の時にあそこで優勝したのを見た事には、非常に大きな影響を受けた。

36歳になった今、自分の子供たちと一緒にあそこへ戻るのは、とても感慨深いものがあるだろう。僕は正真正銘のアメリカ人で、USオープンを愛しているが、それと同じくらいに、ウィンブルドンにはある種のロマンスを感じていた。言葉でそれを表す事はあまりなかったが、内心ではあの場所、コートと競技場に繋がりを感じていた。僕にとってはテニスのすべてであるように感じていた。あそこへ戻ってその経験を楽しみたいと思っているよ」

そして彼は、懸命に努力して達成した記録を失う事にはこだわっていない。

「冗談でロジャーに、僕にもう何年か記録を楽しませてくれてもいいんじゃない、と言ったよ!」とサンプラスは語った。

「けれども、自分の時代にできる事はすべてしたから、満足だよ。プレーヤーとして、そして人間的にもロジャーにはとても敬意を感じている。彼は素晴らしい男だ。少しばかり彼を知る事ができて、アジアでは一緒に過ごしたし、共に移動もした。そしてとても親しくなったんだ。僕たちは共にドライなユーモアのセンスを持っている。さらに、ロジャーにはこれまで知らなかった側面もある。僕が知っていたのは、彼はとても感じのいい人間だという事だった。だがあまり見せる事のない社交的な一面もあるんだ。彼は愉快で、はっきりとものを言い、ほら話が好きだ。

僕は彼のゲームにだけでなく、コート内外での振る舞い方にも敬意を払っている。彼は世界じゅうの子供たちにとって良きお手本だ。スポンサー、メディア、子供たち、大会にとって素晴らしい存在だ。世界でベストのプレーヤーになると、求められる事がたくさんある。僕は誰に対しても距離をおきがちだったが、彼はもう少しオープンで、申し出などに快く応じていると思う。我々が仲の良い関係にある事、そして僕が彼を尊敬しているという事実が、彼が記録を破る場に居合わせたいと思う理由だ」

彼はまた、フェデラーが下り坂にあるという見方を否定した。

「彼はとても多くの大会、メジャーで優勝し、しかもそれを容易にやってのけて、モンスターぶりを発揮してきた」とサンプラスは語った。「ロジャーほど素晴らしい選手でも、負ける事もあれば上手くいかない日もある。多少の中休みを経験するのは人間の常だよ。メディアは物語とか、人の心を掴むような何かを必要としているんだ。彼が迫力を失ったというような話題を。

彼は迫力を失ったりしていない。もしこの先数カ月間、彼が何回も負け、大会でも優勝争いに絡まないとなると、そういう事も言えるかも知れないが、それはないと思う。メジャー大会に入れば、彼は今でも優勝の可能性がいちばん高い男だと思うよ。彼は2大会で優勝を逃したが、それはむしろ彼をやる気にさせ、火を付けるだろう。彼は申し分ないよ」



ブラックロック・ツアー・オブ・チャンピオンズ
2008年6月20日
サンプラスはブラックロックのデビューを勝利で飾る


木曜日にブラジルのサンパウロで、ピート・サンプラスは地元のフェルナンド・メリジェニを退けるのに、彼の名だたるパワー、技能、経験のすべてを必要とした。そしてブラックロック・ツアー・オブ・チャンピオンズを勝利でスタートした。

サンプラスとメリジェニの生涯対戦成績は1勝ずつだったが、WTC ゴールデン・ホールを埋め尽くす地元びいきの観客を前にして、サンプラスが仕事を素早く終えようとしている事はすぐに明らかになった。

サンプラスは第1ゲームでメリジェニをブレークし、6-3で第1セットを取った、しかしメリジェニは第2セットの2-2で元世界ナンバー1をブレークし返した。最後はエースで決めて、第2セットはメリジェニが6-4で取った。チャンピオンズ・タイブレークに入ると、サンプラスは力強いスタートを切り、素早く7-3リードとし、6-3、4-6、10-6(チャンピオンズ・タイブレーク)で試合を締めくくった。

「ここの人々はとてもスポーツ好きで、サンパウロにはテニスファンがたくさんいると聞いていた」とサンプラスは語った。

「ここでプレーするのは楽しみだった。彼らは僕のプレーを生で見るチャンスがなかったからね。僕はここにいる事が嬉しいよ。コートは速くて、1試合だけで適応するのは難しかった。だが明日はもっと良いプレーができると思う」

メリジェニにとって、自国ブラジルのファンの前で14回のグランドスラム・チャンピオンと対戦するのは格別の経験だった。

「ブラジルでピート・サンプラスと対戦するのは光栄な事だ」と彼は語った。

「彼は生ける伝説で、恐らく史上最高のテニスプレーヤーだ。地元観客の前で彼と再びプレーできて、とても楽しかった。観客のエネルギーを受け取って、見事なショーををファンに提供できたと思う。ピートのような男とハードコートで対戦するのは非常にタフだ。彼のショットは速くて重いから、反応する時間があまりない。彼のサーブは僕がこれまでリターンした中でも最高レベルで、彼のプレースメントはもう信じがたいくらいだ。彼のゲームについては、語り尽くせないよ」

チリのマルセロ・リオスもまた、ブラックロック・ツアーのサンパウロ大会を勝利で始めた。元世界ナンバー1は才能のすべてを披露して、ロシアのアンドレイ・チェルカソフを61分、6-3、6-2で退けた。 現在リオスは南アフリカ航空のツアー・オブ・チャンピオンズ順位表で3位につけているが、サンパウロでタイトルを獲得すると、リードを得る事ができる。

「ここでの最初の試合としてはとてもいいプレーができたが、さらに向上の余地があると思う。明日のハイメ(オンシンス)戦が楽しみだ。サンパウロでブラジル人と対戦するのを楽しみにしている」とリオスは語った。

早い試合では、地元のオンシンスがペルーのハイメ・イサガに6-4、6-4で勝利し、マーク - ケビン・ゴルナーはトーマス・ムスターに6-2、6-4の勝利を収めた。

最新のグループ成績表

トーマス・コッホ・グループ
マーク・ゴルナー  1勝0敗(2-0)
ピート・サンプラス 1勝0敗(2-1)
フェルナンド・メリジェニ 0勝1敗(1-2)
トーマス・ムスター 0勝1敗(0-2)

カルロス・カーマイヤー・グループ
ハイメ・オンシンス 1勝0敗(2-0)
マルセロ・リオス 1勝0敗(2-0)
ハイメ・イサガ 0勝1敗(0-2)
アンドレイ・チェルカソフ 0勝1敗(0-2)

プレー予定表、2008年6月20日金曜日
17:00
ハイメ・イサガ対アンドレイ・チェルカソフ
18:30
フェルナンド・メリジェニ対トーマス・ムスター
20:00
マルセロ・リオス対ハイメ・オンシンス
21:30
ピート・サンプラス
対マーク・ゴルナー




ブラックロック・ツアー・オブ・チャンピオンズ
2008年6月21日
リオスとの決勝を前に、ムスターがサンプラスに挑む


元世界ナンバー1がもう1人の元世界ナンバー1と対決するであろう決勝戦への途上に、さらにもう1人の元世界ナンバー1が立ちはだかる――それがブラックロック・ツアー・オブ・チャンピオンズである。

1990年代、ピート・サンプラスとトーマス・ムスターは共に ATP ランキングのトップとなった。そして土曜日には、彼らはブラジルのサンパウロで開催されているブラックロック・ツアー大会のラウンドロビン最終戦で対戦する。もしサンプラスが勝てば、マルセロ・リオスとの垂涎の決勝対決が待ち受けている筈だ。

サンプラスもリオスも、ここまでのグループ戦で2勝を挙げている。金曜日にサンプラスはサーブ&ボレーでマーク - ケビン・ゴルナーから6-3、6-4の勝利を収め、リオスはハイメ・オンシンスに6-2、6-1で圧勝した。

「今日のプレーには満足しているよ」とサンプラスは語った。

「昨日よりも快適だったし、サーブ&ボレーもかなりできた。コートにも順応していたと思う。明日のムスター戦はタフな試合になるだろうが、それに勝って日曜日の決勝戦に進みたいね」

サンプラスはムスターとのキャリア対決11戦のうち、9回勝利した。そしてラウンドロビン対決でも有力視されている。今週ムスターは苦戦してきたのだ。金曜日、ブラジルのフェルナンド・メリジェニに6-3、6-3で敗れた後に語った。

「僕は上手くボールを打っていなかった。サンパウロの標高が関係していると思う。だがフェルナンドは素晴らしいプレーをしたから、彼の勝利は当然のものだ」

一方リオスは絶好調で、決勝へ進むにはハイメ・イサガを下すのみである。

「コートにも馴染んでいるし、昨日よりも良いプレーをしたと感じている。明日もこんなプレーができて、決勝戦に進めるといいね」と彼は語った。

最新のグループ成績表

トーマス・コッホ・グループ
ピート・サンプラス 2勝0敗(4-1)
マーク・ゴルナー 1勝1敗(2-2)
フェルナンド・メリジェニ 1勝1敗(3-2)
トーマス・ムスター 0勝2敗(0-4)

カルロス・カーマイヤー・グループ
マルセロ・リオス 2勝0敗(4-0)
ハイメ・オンシンス 1勝1敗(2-2)
アンドレイ・チェルカソフ 1勝1敗(2-2)
ハイメ・イサガ 0勝2敗(0-4)

プレー予定表、2008年6月21日土曜日
17:00
アンドレイ・チェルカソフ対ハイメ・オンシンス
18:30
フェルナンド・メリジェニ対マーク・ゴルナー
20:00
ハイメ・イサガ対マルセロ・リオス
21:30
ピート・サンプラス
対トーマス・ムスター



ブラックロック・ツアー・オブ・チャンピオンズ
2008年6月22日
サンプラスがドリーム・ファイナルでリオスと対決


ピート・サンプラスと・マルセロ・リオスが日曜日にブラジルのサンパウロで対決し、ブラックロック・ツアー決勝戦で初の顔合わせが実現する。

土曜日に、リオスはペルーのハイメ・イサガを6-0、7-5で退け、一方サンプラスはトーマス・ムスターを6-3、6-2で一蹴した。つまり2人は無敗でラウンドロビンを終了した事になる。それはブラジル大会の決勝戦に、何かを付け加える事になるだろう。

今大会にとって完璧な終局であると同時に、もし彼らが現役時にもっと頻繁に対戦していたら結果はどうだったか、という疑問への手掛かりとなるだろう。

リオスが1998年にテニス界のトップに達した時、サンプラスとの間でスリル満点のライバル関係が生まれる事を期待されていた。

リオスはジョン・マッケンロー以来の最もユニークな才能ある左利きだったが、その年の前半にインディアンウェルズ、マイアミ、ローマでタイトルを獲得し、ナンバー1の座に就いていた。サンプラスは5回目のウィンブルドン優勝を果たして、最終的にその年も世界ナンバー1で1年を締めくくり、6年連続記録を樹立した。その緊迫した12カ月を通じて、彼らの間には一度も対戦がなかったのだ。実際、彼らのキャリアは8年間の重なりがあったにも関わらず、2人の対戦は2回だけだった。そしてサンプラスが2回とも勝利した――1994年にローランギャロのクレー(リオスがツアーデビューした年)で、そして2001年にシュトゥットガルトのインドアで。

2人は32歳と36歳になったが、リオスとサンプラスは現在も引き締まった身体を保ち、今年になって2人ともエキシビションマッチで現役の ATP プレーヤーを倒した。

「きっと見応えのある決勝戦になる筈だ」とサンプラスは確約した。

「リオスは若くて才能があり、とても良い状態だ。サーブもいい。恐らく今でも(ATP)ツアーでプレーする事が可能だろう」

リオスもまた、日曜日の対決に胸を躍らせていた。

「ここでサンプラスと決勝戦を戦うなんて、信じられないほど素晴らしい事だ。彼がブラックロック・ツアーの大会に出場を決めてくれて、我々は喜んでいるよ」と彼は語った。

他には、ハイメ・オンシンスが1時間50分でチェスノコフに6-7(2)、6-4、10-7(チャンピオンズ・タイブレーク)の勝利を収め、日曜日にフェルナンド・メリジェニと3位決定戦を戦う。メリジェニは7-6(10)、4-6、10-7(チャンピオンズ・タイブレーク)でマーク - ケビン・ゴルナーに勝利した。

グループ最終成績表

トーマス・コッホ・グループ
ピート・サンプラス 3勝0敗(6-1)
フェルナンド・メリジェニ 2勝1敗(5-3)
マーク・ゴルナー 1勝2敗(3-4)
トーマス・ムスター 0勝3敗(0-6)

カルロス・カーマイヤー・グループ
マルセロ・リオス 3勝0敗(6-0)
ハイメ・オンシンス 2勝1敗(4-3)
アンドレイ・チェルカソフ 1勝2敗(3-4)
ハイメ・イサガ 0勝3敗(0-6)

プレー予定表、2008年6月22日日曜日
14:30
3位決定戦 フェルナンド・メリジェニ対ハイメ・オンシンス
16:00
決勝戦 ピート・サンプラス対マルセロ・リオス



ブラックロック・ツアー・オブ・チャンピオンズ
2008年6月23日
サンプラスはリオスを倒して初のブラックロック・タイトルを獲得


ピート・サンプラスはサンパウロの決勝戦でマルセロ・リオスを6-2、7-6(5)で下し、ブラックロック・ツアー・オブ・チャンピオンズの初タイトルを獲得した。

サンプラスはリオスより4歳年上だが、彼のサーブは来週のウィンブルドンでも見劣りはしないだろう。第1セットでは第5、第7ゲームをブレークして、素早くセットをものにした。第2セットでは、両プレーヤーともブレークポイントを生かす事ができず、タイブレークまで行ったが、サンプラスが勝利して試合を終えた。

「タイトルを獲得してこの週を終える事ができ、とても嬉しいよ」とサンプラスは語った。彼は決勝戦で16本のエースを放った。「ここブラジルの観客の前でプレーするのは楽しかったよ」

リオスは失望していたが、サンプラスに称賛を送った。

「ピートは素晴らしいテニスをしていた。彼のサーブはとても強烈で、対抗するのは難しかったよ。また彼と試合をするチャンスがあるといいね。このサーフェスでは、明らかに彼が大きなアドバンテージを握っているが、いずれまた彼に挑戦したい」

3位決定戦では、ブラジルのハイメ・オンシンスが同国のフェルナンド・メリジェニに1時間30分、6-2、6-7(6)、10-7で勝利した。

サーキットは来月、トルコのイスタンブールへと移動する。ブラックロック・ツアー・オブ・チャンピオンズがトルコで開催されるのは初めてである。

結果、2008年6月22日日曜日
決勝戦 ピート・サンプラス対マルセロ・リオス 6-2、7-6(5)
3位決定戦 フェルナンド・メリジェニ対ハイメ・オンシンス
      6-2、6-7(6)、10-7(チャンピオンズ・タイブレーク)



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