AP通信独占:
2006年2月28日
サンプラスがワールド・チーム・テニスでプレー
文:Howard Fendrich / AP通信スポーツ記者


ピート・サンプラスがテニスコートに戻ってくる。最後の試合から3年以上が経ち、彼はプロリーグの「ワールド・チーム・テニス」に参加登録したのだ。

「単にもう少し忙しくなろうとか、得意だったものに集中しようという事ではない」リーグによる水曜日の発表に先駆けて、サンプラスは電話インタビューで語った。「今年はもっといろいろやろうという事だ。昨年は、いわばサボっていたからね」

サンプラスのプロ最後の試合は、2002年USオープンの決勝戦だった。彼は長年のライバル、アンドレ・アガシを下し、記録である14番目のグランドスラム・タイトルを獲得した。翌年のUSオープンで記者会見を開き、サンプラスは引退を宣言した。

WTT(ワールド・チーム・テニス)でプレーするのが楽しみだと言うが、彼は1つの事を明確にした。カムバックではないと。

彼はAP通信に語った。「プレーするのは懐かしい。メジャー大会を懐かしく思う。競い合いが懐かしい。だが、以前のようなレベルでのプレーは、全く別問題だ。僕は今までやってきて、それには何が必要かを知っている」
「今年、僕が少しばかりテニスをするのは、自分がコントロールできる事であって、そこにプレッシャーはない。リラックスして、なおかつ楽しむ事ができる。カムバックは考えていない」

34歳のサンプラスは WTT に出場した事が一度もない。12のチームから成るリーグで、近年はアガシ、シュテフィ・グラフ、ジョン・マッケンロー、マルチナ・ナヴラチロワ、アンディ・ロディック、ビーナス・ウィリアムズといったスターを起用してきた。

3月28日のドラフトで、サンプラスはいずれかのチームに配属される。そして7月6〜26日のレギュラーシーズンの間、半ダースの試合でプレーする予定になっている。

サンプラスがツアーにいた頃、WTT の共同創設者ビリー・ジーン・キングは、彼にリーグ参加を承諾させる事はできなかった。

「彼は確かに、私たちが求める人物よ」WTT コミッショナーの Ilana Kloss は語った。「ピートが戻ろうとしている事に、ただもうワクワクしている。そしてファンは、再び彼を見るチャンスが得られるでしょう」

また、サンプラスは4月にヒューストンで、エキシビション・マッチに出場する。テレビ解説者を務める事については考えたが、コーチングには興味を持っていないという。

「引退して離れてみると、テニスに関する事は何もやりたくなくなる。2年間楽しく過ごし、スポーツに関して大して何もやっていないと、少し退屈して、人生の次の段階は何かを知りたくなる。昨年はターニング・ポイントだった。『次に何をするつもりか?』決断しなければならなかった」とサンプラスは語った。

「人前でプレーする……ちょっと楽しみだね」



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