テニス・スペース
2013年1月20日
ピート・サンプラス独占:ビッグ4についての見解
ピート・サンプラスがビッグ4について、テニス・スペースに語る
文:Mark Hodgkinson


ノバク・ジョコビッチについて:

「僕はノバクと少しばかり共に過ごしたが、彼は心の優しい堅実な男だ。昨年ロスで夕食を共にしたが、彼は僕がどうやって長い間トップの座を保てたのか知りたいと望んでいた。それについて知りたがっていたよ。僕は彼に、すべてを出来るだけシンプルに保っていたと話した。僕はプロモーションとかコマーシャルに関わりすぎなかった。お喋りや何かをしすぎたりもしなかった。プレーする事に集中したかったからだ。

同じく、何人もの取りまきは望まなかった。いつも同じ顔ぶれの善良な人々に囲まれていたかった。そしてエネルギーを浪費したくなかったんだ。それが僕の快適な領域だった。物事をシンプルに保ち、周りには同じ顔ぶれの小さなグループを持つ事だ。ノバクはそのやり方を受け入れたと思うよ。


誰もが異なっているし、有効な事は人によってそれぞれだ。そして僕は、彼が幾つかの事に関わっていると承知している。その夕食会では、彼にとても感銘を受けたよ。ノバクは自分のためにプレーしているだけでなく、国全体の代表として、希望をもたらそうと考えているのだと思った。彼は戦争を経験し、卑劣な行為を見てきたんだ。

今後3〜4年間、彼は絶頂期にいようとしている。彼は正しい位置にいる。精神的にも、現在はとても堅固だ。多分3年前には、物事に悩まされたりしていただろうが、もうそういう事は起こらない。メンタルの変化が最大のものだが、同じくサーブとゲームの他の部分も進化したね」

ロジャー・フェデラーについて:
「ロジャーはもう一度ナンバー1に戻り、再びメジャーで優勝しようとし、今年もロジャーであり続けようとしている。今年も堅実な1年を送ろうとしている。我々は連絡を取り合っていて、数カ月ごとに近況を報告し合い、そして子供たちについて話をしているよ。31歳の時、僕は旅行とライフスタイルにうんざりしていた。だがロジャーは31歳でライフスタイルとツアーへの参加を愛している。それは素晴らしい事だ」

アンディ・マレーについて:
「今やプレッシャーは消え失せた。彼はオリンピックでロジャーを負かし、次には初のスラム優勝を遂げた。初優勝は常に最も難しいものだからね。そして批判家に答えを出したんだ。彼は以前よりずっとリラックスしていく。ただ試合に臨み、プレーする事ができるんだ。

テニスで持ち得る最良の1つは、済んだ事は早く忘れる事で、今やマレーはそれを身につけている。彼は今でも一心不乱だが、かつてはもっと神経質で、物事に悩まされていた。そして自分自身に、あるいは陣営に腹を立てているのが見てとれたが、今は2本くらい拙いショットを打っても、先へ進む方法を学んだように見える。忘れる事をね。もしトップの男たちに対して、たとえ5分間でも冷静さ、あるいは集中を失えば、セットを失う事になる。

彼は今やすべてが適切な場所に収まっているようだ。そしてレンドルをコーチに迎え、それが上手く機能しているようだね。マレーはかつてもグランドスラムにおける有力選手だったが、現在はそれ以上の存在で、優勝候補だ。今は決勝戦に到達するためではなく、優勝を目指してスラム大会に出場しているんだ。彼が世界ナンバー1で1年を終える事も想像できるよ。そのチャンスがある。ジョコビッチのように、彼はこの数年間、絶頂期にいようとしている。複数のメジャー優勝を果たすと思うよ」

ラファエル・ナダルについて:
「彼は不在を惜しまれている。選手たちはそうでもないかも知れないが、テニス界の人々、そしてファンに復帰を待ち望まれている。彼は南アメリカのクレーコート大会で復帰して、うまく針路をとっていくだろう。クレーの事は掌のうちだし、南アメリカのフィールドは恐らくそれほど強くないから、大会に優勝する事もできるだろう。だがメルボルンには何かが欠けている。彼はテニスにとって素晴らしい存在で、誰もが再び頂点に戻ってくる事を望んでいるよ」

ドーピングについて:
「テニスはクリーンなスポーツだと思う。確かに、検査で陽性となったひと握り―――ほんの数人―――のプレーヤーはいたが、彼らは例外的だったと思っている。テニスプレーヤーは有利さを得るために、そういった方向に落ちていくとは思わないよ。テニス文化には馴染まないからだ。サイクリングにはそれがあって、ランス・アームストロングは取り入れた。だがテニスプレーヤーがするとは思わない。ああいった方法で有利さを得ようとするのは、テニスの本質ではない。アームストロングは多くの人々を失望させた。インタビューの間、彼はこれ以上ないほど人々を失望させたと思ったよ」


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