ブリーチャー・レポート(外野席からのレポート)
2013年5月23日
ロジャー・フェデラーはピート・サンプラスのように、頂点で引退する事ができるだろうか?
文:Merlisa Lawrence Corbett


ロジャー・フェデラーはピート・サンプラスを尊敬し、称賛する。

サンプラスの記録を追って長らくキャリアを送ってきた後に、 フェデラーは最後の段階でアイドルの向こうを張る事ができるだろうか?

サンプラスのように、フェデラーは頂点で引退する事ができるだろうか?

フェデラーがレイトン・ヒューイットのように引退を引き延ばし、自力ではもはや大会にダイレクト・インできなくなった後も、ワイルドカードを望んでいる姿を想像するのは難しい。
ピート・サンプラスとロジャー・フェデラーがチャリティ・イベントででダブルスをする。

今のところ、フェデラーはそれからほど遠い位置にいる。彼は世界第3位で、ウィンブルドンのディフェンディング・チャンピオンなのだ。

しかしながら、年が経つにつれて、引退についての疑問は増していく。いつ? なぜ? どのように?

史上最も偉大なプレーヤーの1人は、どのように引退するのか?

恐らくサンプラスの引退したやり方が、何らかの手がかりを提供するだろう。

サンプラスは32歳で引退を発表した。それは彼の最終戦、2002年USオープン決勝戦でアンドレ・アガシ勝利した試合からほぼ1年後の事だった。

USオープンの優勝までに、サンプラスは2002年にスランプを経験してきた。彼は2年間タイトルを獲得していなかった。オーストラリアン・オープンでは若きマラト・サフィンに対して手痛い敗戦を喫した。同じくフレンチ・オープンでは1回戦で、ウィンブルドンでは2回戦で敗退した。

昨年、サンプラスは ESPN の記者グレッグ・ガーバーに、それがキャリアにおける最低の時だったと語った。
テニス界の偉人たちに囲まれて、ピート・サンプラスは2003年に引退を発表する。

それでもなおサンプラスは、自分にはもう1回のスラム優勝が残っていると感じていた。

彼はそれを成し遂げた。USオープンの叙事詩のような決勝戦で、彼は6-3、6-4、5-7、6-4でアガシを下したのだった。

試合後、『スポーツ・イラストレイテッド』誌のインタビューで、サンプラスは語った。「アンドレのようなライバルを、おとぎ話のような結末で破るなんて、辞めるにはいい時なのかも知れない………だが僕は今でも競い合う事を愛しているんだ。今後2〜3カ月で、自分の気持ちと考えを知ろうと思う。今は頭がくらくらしているよ」

引退をほのめかしはしたが、サンプラスはしばらくの間、正式な発表をしなかった。大会が次々とやって来ては過ぎていった;彼は出場しないだけだった。

サンプラスとフェデラー
恐らくあのような年齢で頂点に到達した後、サンプラスは谷へと落ちる危険を冒す必要を感じなかったのだろう。

サンプラスやフェデラーのような完璧を追いかけるプレーヤーにとっては、平凡は受け入れがたいに違いない。トップ50位圏外でうろうろするのは、考えられない事に違いない。

引退を公にした時、サンプラスは CBS スポーツに語った。「僕は終わった、100パーセント終わったんだ。100パーセント引退だ。その事に安らいでいるよ。キャリアを終わらせる時だ」

彼は頂点で、そして自分のやり方で引退した。フェデラーは同じようにするだろうか?

フェデラーは8月で32歳になる。今年の早い時期に、彼は BBC スポーツと引退について話をした。

そのうち辞める時が来るのは明らかだ。だがその時は絶対に今ではない………しかしそうは言っても、物事は非常に速く変化するからね。それに備え、そして受け入れる用意をしていなければならない。あと15年間もプレーできると考えるほど僕は世間知らずではないが、もっと何年もプレーするチャンスを自分自身に与えたいんだ。

フェデラーは「デイリー・メイル」紙に、2014年にウィンブルドンでプレーする計画をすでに立てたと語った。

今でもあらかじめ計画を立て、 フェデラーには引退する当面の計画がないように見える。しかしながら、彼が語ったように、物事はす速く変化する事もあり得る。

ローランギャロスでのサプライズ優勝などは、彼の引退を早めるかも知れない。

彼はローマでラファエル・ナダルに手ひどい敗北を喫した後、フレンチ・オープンに出場する。

もう1つのフレンチ・オープン・タイトルは、彼の偉功を高めるだろう。しかしローランギャロスでの優勝は、ナダルがいる限り非情に高い目標である。

そうは言っても、サンプラスは31歳の時にアガシを下してUSオープンで優勝したのだ。

もしフェデラーがナダルを下してフレンチ・オープンで優勝する事ができれば、彼は引退するのだろうか?


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