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2012年7月12日
ピート・サンプラスはロジャー・フェデラー、セレナ・ウィリアムズのさらなる
メジャー優勝を予想する



カリフォルニア州スタンフォード――バンク・オブ・ザ・ウェスト・クラシック大会で水曜夜に行われた、2人の偉人によるレジェンド・エキシビションは、ピート・サンプラスがふくらはぎを傷めて棄権を余儀なくされ、マイケル・チャンとの楽しい競技イベントは途中で終わってしまった。その責任はマリオン・バルトリにあると言いたい。

当大会の2009年チャンピオンであるバルトリは、その日の午後早く、サンプラスのエキシビション前のウォームアップに協力してほしいと頼まれ、夢が叶ったと感じたのだった。バルトリは女学生のようにウキウキとチャレンジに臨み、スタンフォードの速いコート上で全力プレーを披露して、自身は大いに楽しみ、そしてサンプラスを当惑させた。

「私は6歳の頃から、この日を夢見ていたの」と、バルトリはアイドルへの憧れを隠そうともせず、笑って言った。

そして、彼女にとっては名誉な事に、長く残る痕跡をサンプラスに残したのだった。

「彼女に『君のせいだ』と伝えてよ」と、サンプラスは試合後に記者と話した時、笑いながら言った。彼は左ふくらはぎを氷で冷やしながらロッカールームから現れた。

「彼女に恐縮してもらわなくちゃ。彼女は全力で、すごくハードにボールを打ってきたが、僕はと言えば飛行機から降りたばかりだったんだから」

「あの打撃は、僕には少しばかり過剰だった。それが恐らくふくらはぎを傷めた原因だよ。だから、あなたはマリオンが怪我の理由だったと書けるよ」

「いやいや、書いちゃダメだ」と彼は笑った。「彼女をシュンとさせてしまうからね」

彼は恐らく正しい。

怪我のために、サンプラスは残りのエキシビション・マッチに出場できなくなってしまった(彼は木曜日にジム・クーリエと対戦する予定だった)が、それでも2人のウィンブルドン新チャンピオン、ロジャー・フェデラーとセレナ・ウィリアムズについては、嬉々として語った。サンプラスは現在、フェデラーと7つのウィンブルドン・タイトル記録を共有しているが、男子決勝戦の最後の2セットを見て、大して驚きは感じなかったと言う。

「ロジャーが自分のゲームをプレーできると、まるでミドル級の選手に対するヘビー級選手のようだった」と彼は語った。「(アンディ)マレーがあのレベルで長時間プレーするのは、難しい事に思われた。それがロジャーを偉大にしているのだ。僕はロジャーが再びメジャーで優勝するだろうと考えていた。そして過去を振り返れば、それはウィンブルドンの筈だ。そして明らかに、それはウィンブルドンだったんだ。圧倒的になれるサーフェスだ。僕はそれを現役時に成した。そして彼もその事を理解していた」

サンプラスは、フェデラーがウィンブルドン最多タイトルのタイ記録を破っていくと予測できる、と語った。

「彼が引退するとは思わないよ。今後数年の間もウィンブルドンで優勝し、8あるいは9タイトルを獲得できると思う」とサンプラスは語った。

「彼はやる気充分だ。プレーを愛し、旅する事が好きだ。芝生は年齢を重ねていっても、ある程度プレーできるサーフェスだ。他のサーフェスほど身体に厳しくない。そして、そこで優れたプレーをできる者は数少ないサーフェスだ。僕は今なお、彼が世界で最も優れたグラスコート・プレーヤー、速いコートのプレーヤーだと考えている。毎年、ウィンブルドンでは彼が優勝候補だと思っている。そう考えない法はないよ。彼は7回も優勝したんだ」

同様に、彼はウィリアムズが間もなく引退するかも知れないとは考えていない。サンプラスは、ウィリアムズ―――彼のサーブに心酔して成長し、愛犬に彼の名を付けてさえいる―――は女子テニス界のベストで、唯一の問題は彼女が意欲を保てるかどうかだ、と語った。

「彼女は最高のアスリートだ」とサンプラスは語った。「それをウィンブルドンで目撃した筈だ。彼女は、唯一の史上最高選手ではないかも知れないが、史上最高選手の1人だ」

「セレナがやる気充分で、プレーする事を熱心に望んでいる限り、もっと多くのメジャーで勝つ筈だ。他の誰よりも、ずっと優れているからね。USオープンでも、彼女は有力な優勝候補になる。すべては―――彼女ほどの事を成し遂げてしまうと―――やり続け、練習し続けるためのモチベーションを本当に見いだせるかどうかにかかっている。彼女は明日にでも引退して、自分のキャリアに満足する事もできるが、続けるかも知れないよ。それは、僕が試みた事でもある」


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