サンノゼ・マーキュリー・ニュース
2012年7月11日
ファンはサンプラス、チャンのベテランショーを楽しむ
文:Vytas Mazeika


ピート・サンプラスは、マイケル・チャンとの名高いライバル関係における初めての試合に勝利した事を思い出す………30年以上前、 カリフォルニア州サンディエゴ・カウンティーの都市、ポーウェイで開催されたジュニア大会での事だった。

「僕は8歳で、彼は7歳だったと思うよ」とサンプラスは語った。「その時、僕は少しばかり圧倒していたが、マイケルが盛り返して第3セットまでもつれ込んだと記憶している。そして父はそれを不満に思ったんだ。あの当時、そして現在の我々を考えると、信じがたいような事だよ。その後に僕はUSオープン最年少チャンピオンとなり、マイケルはフレンチ・オープン最年少チャンピオンとなった………そして我々は30マイルしか離れていない所に住んでいたんだ」

今や彼らは40歳となり、それが窺えた。

スタンフォードで開催されたバンク・オブ・ザ・クラシック大会に詰めかけたファンには残念な事だったが、サンプラスは水曜日の夜に行われた対戦で左のふくらはぎを傷め、第2セットで途中棄権を余儀なくされたのだ。この試合は、同じく4回のグランドスラム・チャンピオン、41歳のジム・クーリエも出場したレジェンド・エキシビション・マッチ・シリーズの一環だった。

「僕はこのところ、あまりプレーしていなかった。そういう時に無理をすると、身体がそれについてこられない事があるんだ」とサンプラスは語った。彼は第1セットのタイブレークに勝利したが、第2セットでチャンが5オールと並んだ後、片足を引きずりながらネットに向かった。「バックハンドをミスする直前に、フォアハンド側に違和感を感じた。そして、コートから去るべきだと分かったんだ」

サンプラスは今日 MRI の検査を受けるが、夜の試合でクーリエと対戦する可能性については、楽観的でない。

サンプラスは試合前のウォーミングアップとして、2009年のバンク・オブ・ザ・ウェスト大会チャンピオン、そして2回の準優勝者であるフランスのマリオン・バルトリとヒッティングを行った。

「彼女に申し訳なく思ってほしいな。だって彼女はボールを激しくどんどん打ってきて、そして僕はといえば、飛行機から降りたばかりだったんだから」と、サンプラスは皮肉っぽく言った。

ウォームアップの最中に、サンプラスはセレナ・ウィリアムズに出くわした。彼女は週末にウィンブルドンで優勝し、昨年の当大会シングルス決勝戦では、バルトリを破っていた。

「正直に言うと、彼女は少しばかり焼きもちを焼いていたよ」とサンプラスは語った。

「明日は彼女とヒッティングすると約束したんだが、残念ながらそれが実現するかどうか、分からないね」

サンプラスが実現すると確信しているのは、ロジャー・フェデラーが7つのウィンブルドン男子シングルス・タイトル記録を破るという事だ。フェデラーが日曜日の優勝で、サンプラスと並んだ記録である。

「ロジャーが自分のゲームをプレーできると、まるでミドル級の選手に対するヘビー級選手のようだった」とサンプラスは語った。彼は決勝戦の終盤を見て、フェデラーがこの先数年間に、複数のウィンブルドン・タイトルを獲得しても驚かない、と語った。

「毎年、ウィンブルドンでは彼が優勝候補だと思っている。そう考えない法はないよ。彼は7回も優勝したんだ」

誰がポーウェイで最初の対戦に勝ったか覚えているか、とリポーターが尋ねると、チャンは記憶喪失症になった、とかわしたが、サンプラスは強い印象を遺していた。

「8歳の頃でさえ、誰よりも一歩先を行くであろうプレーヤーは何人かいる」とチャンは語った。「そして、ジュニア時代からプロのランク、チャンピオンズ大会まで、彼の全キャリアを通じて、それは真実だったよ」

Taube ファミリー・テニス・スタジアムの速いコートと、女子ツアーで使われているボールは、プレーヤーがリズムを掴むのを難しくし、ラリーは殆ど続かなかった。

「ピートが強打していると、2〜3本のショットでポイントは終わるんだ」とチャンは言った。「それが、我々が非常に多くのサービスエースを打っていた理由の一部だ」

試合前に両選手はインタビューを受け、チャンは、主力選手として2003年と2004年の2回、NCAA(全米大学体育協会)のシングルスに優勝したアンバー Liu と結婚しているため、ホームコートの有利性があるように感じていた。

チャンはまた、サンプラスが第1セットで試みた2回のチャレンジのうち1回目に成功した後、内なるマッケンロー精神を発揮して「冗談はよしてくれ」と、ネットに歩み寄って叫んだりもした。

しかし試合は、サンプラスが第1セットのタイブレークを7-2で勝ち取り、真剣なものになっていった。

「我々にとっては、バランスの問題なんだよ」と、チャンは観客とのやり取りについて語った。「だがビッグポイントでは、今でもプレーが重要なんだ」

残念だったのは、この試合が彼らの初対戦のように、第3セットまでもつれ込まなかった事である。

「勝ったとはいえ、愉快な結末ではないよね」とチャンは語った。



NDTV スポーツ
2012年7月13日
マリオン・バルトリは憧れのピート・サンプラスと打ち合い、感動した


スタンフォード:スターに魅せられたフランス女性マリオン・バルトリは、女子ツアーのスタンフォード大会が始まる前日の木曜日にピート・サンプラスと短いウォームアップを行い、長年の夢が叶ったと告白した。

バルトリ―――本大会の第2シードで2007年ウィンブルドン準優勝者―――はサンプラス―――14回のグランドスラム優勝者―――と、彼とマイケル・チャンのエキシビション前に、ヒッティングをするチャンスを得たのだ。

27歳のバルトリは、7つのウィンブルドン・タイトルを持つ10年前に引退した41歳のアメリカ人の生涯のファンで、そのために最初は神経質になった、と語った。

「私は普通以上に喜びと名誉を感じていたの」と世界ナンバー10は語った。「でも初めはとても緊張したので、ラケットを握っているのもやっとだったわ。彼が私とのプレーを楽しんでくれたのならいいんだけど」

「彼が後に怪我をしたと知って、とても悲しかったわ」と、サンプラスがエキシビションを途中棄権せざるを得なかったふくらはぎの怪我について、彼女はつけ加えた。

私は「子供みたい」だった、とバルトリは語った。

「私はグランドスラム優勝を夢見た事はなかったけれど、彼とプレーする事はずっと夢見てきたの。寝室の至る所に彼のポスターを張っていたわ。だから、すごく、すご〜く幸せよ」

女子ツアーのエリートというより、むしろテニスクラブの会員のような響きだが、 子供時代のバルトリと彼女の母親―――アンドレ・アガシのファン―――は、アメリカ人のライバル同士が対戦する時、ソファの反対側に座って観戦しなければならなかった、と語った。

「ピートが負けた時には、私は1週間も意気消沈していたわ。彼とプレーした事は、決して忘れないわ。彼は偉大なチャンピオンであり、コート上で大げさな振る舞いなどしない人だった」と彼女は語った。

「彼はコート上でもオフコートでも変わらない人で、どちらかと言えば内向的だったけれど、素晴らしいチャンピオンだったわ」

「アイドル、憧れの存在を持つ事は大切よ」とバルトリはつけ加えた。「彼とヒッティングするなんて、まさに信じがたい事だったわ。それがここで実現するなんて、考えてもみなかった。でも、それが人生なのね」


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