アリゾナ・リパブリック
2011年10月8日
ピート・サンプラスの勝利がサプライズのテニス大会を彩る
文:Sarah McLellan


40歳になったとはいえ、ピート・サンプラスは今でもテニスコートへの
抗しがたい魅力を感じている。


「15分だけ待って」とサンプラスは頼み、メディアとの対応、ファンとの交流を少しばかり遅らせた。そして少年ぽいが集中した笑顔を浮かべ、サーブ&ボレーをする事ができた。

それがチャンピオンズ・シリーズ、テニス界のかつての偉人たちを呼び物とする12都市で開催されるサーキットの良いところだ。ATP ツアーのスポットライトから退いたプレーヤーに、今でも競争のスリルを感じさせるのだ。

「これらの試合やツアーは、もちろん全盛期を過ぎた40代の男たちのもので、我々は同じ立場にいる」と、14のグランドスラム・タイトルを保有するサンプラスは語った。「我々は今でも競い合いを楽しんでいるが、かつてのように消耗する事は望まないんだ」
マイケル・チャンとの準決勝後、サインをするサンプラス。

土曜日、サンプラスは6番目のツアーに出場するため、サプライズのサプライズ・テニス&ラケット・コンプレックスにいた。主催はアメリカ・テニス・チャンピオンシップ・ガン治療センターだった。

大会にはサンプラスの他にジム・クーリエ、マイケル・チャン、マッツ・ビランデルが出場し、2人ずつ1セットの準決勝を戦った。各勝者は8ゲームのプロセット決勝戦に進出した。

イベントではチャン&トレイシー・オースティン対クーリエ&クリス・エバートの混合ダブルスも行われる。

クーリエはビランデルを6-3で下し、サンプラスがチャンを6-3で下した後に、決勝戦でサンプラスと対戦した。サンプラスが8-7(7-4)で試合に勝利し、大会優勝を果たした。

「タイブレークで決着したが、(土曜日の)サプライズでは素晴らしい時を過ごしたよ」とサンプラスは語った。

サンプラスはツアー・ランキングのトップとして今大会に臨んだ。そしてプレーヤーは上位3人で分けられる100万ドルの賞金を目指して競い合うが、サーキットにはテニス以上のものがある。

夜に行われる試合の前に、プレーヤーはクリニックで VIP 客に合流し、Q&Aのセッションに参加する。さらに少数の幸運なファンとの私的な歓迎会を行うのだ。クーリエとチャンは、地元のガン患者への訪問も行った。

「我々にはプレーヤーとしての厳しい競争、そしてファンにとってはずっと見てきた何人かの偉大な選手と会う楽しみ、という良き組合わせであってほしい」とクーリエは語った。

それが、76歳のルース・バージェナーにツーソンからイベントまで車を走らせたものである。

「私たちはテレビで彼らを見る事ができない。だからここで彼らに会えるのは素晴らしいわ」とバージェナーは語った。

彼女は12歳のリーガン・ポソルスクと同じく、サンプラスに会って興奮していた。彼はイベントの大きな呼び物だったようだ。

およそ1,800人のファンは、競技とプレーヤー同士の気さくな冗談を心から楽しんだ。

「とても感激したわ」とポソルスクは語った。「彼らは本当に優れたプレーヤーで、私もいつか彼らのようにプレーしてみたいわ」

今回はサンプラスにとって初めてのサプライズ訪問だった。しかし最後とはならないだろう。彼はゴルフ、そして2人の息子の父親として忙しくしているが、まだテニスを断念する気はない。

「僕がプレーを楽しみ、そして僕の身体が健康である限り、もうしばらくは続けるつもりだよ」とサンプラスは語った。「僕に良いバランスを与えてくれるからね」

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