デイリー・パイロット
2011年7月9日
ワールド・チームテニス
スターが勢揃いした夜
文:Matt Szabo
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ブレーカーズの大いなる一夜には偉大なピート・サンプラスとマルチナ・ヒンギスが登場した。結果はスポータイムズが19-17でニューポート・ビーチに辛勝。

テニスの偉人ピート・サンプラスがニューポート・ビーチ・テニスクラブで開催された大会に優勝してから、24年が過ぎ去っていた。

その1987年、クラブは「バルボア・ベイ・クラブ・ラケットクラブ」と称していた。そして当時15歳の少年だったサンプラスは、パロス・ベルデス高校の学生として CIF インディビデュアル大会のシングルス・タイトルを獲得した。

土曜日の夜、サンプラスはテニス史における最も偉大なプレーヤーの1人として、ニューポート・ビーチ・ブレーカーズのために戻ってきた。

「僕はここで何かの大会に優勝していると言われたよ」と、14回のグランドスラム・チャンピオン、サンプラスは試合前の記者会見で語った。「本当? 覚えてないんだけど………今でもそのコートはあるの? 取り壊してない? どのコートだったか知ってるかい?」

記者会見場の誰も、どのコートだか分からなかった。来月40歳になるサンプラスは、センターコートでの試合中、初めはさびついているように見えた。花形プレーヤーは立ち直り、男子シングルスには勝利したが、ブレーカーズは同様にはならなかった。延長戦の末に、元世界ナンバー1のマルチナ・ヒンギス率いるニューヨーク・スポータイムに19-17で敗れた。

ワールド・チーム・テニス西カンファレンスで、ニューポート・ビーチ(3-2)はセントルイスに半ゲーム差で2位となった。

サンプラスは試合前に、サーブ&ボレーは年齢とともに厳しくなると語った。サーブは今でも大丈夫だが、多分ボレーは少し怪しいと。それが、ブレーカーズ監督のトレヴァー・クローネマンが、サンプラスは自分に土曜日の試合でどうなるか分からないと告げた、と語った理由である。

試合に向けては少しヒッティングをしただけだ、とサンプラスは語った。

「年齢を重ねてくると、サーブ&ボレー・テニスは容易にできるものではない。実際、とても難しいよ。爆発的なテニスをするのは、身体に堪えるんだ………僕が現役時のツアーでプレーしていた頃でもね。タフなプレー法だ」

サンプラスは2006年と2007年にニューポート・ビーチに参加したが、今シーズンはただ一度の出場だった。彼がコートに姿を見せた時、1人のファンが、サンプラスは彼のグランドスラム記録を破ったロジャー・フェデラーより2倍も強いプレーヤーだと告げた。その発言はサンプラスから微笑を引き出し、彼はファーストサーブでウィナーを炸裂させた。

しかし彼とチームメイトのトラヴィス・レッテンマイヤーはセットで無得点に押さえられ、ニューヨークのジェシー・ウィッテン/トラヴィス・パロット組に0-5で敗れた。

「ストロークは健在だ」とクローネマンは語った。「残念なのは、年齢は誰をも捕らえるが、最初は脚にくるのだ。まさにそういう事だ。だが彼は今なお、私がこれまでに見た中で最も滑らかにボールを打つプレーヤーの1人だ」

男子ダブルスの敗戦で、ブレーカーズは7-13の窮地に陥った。サンプラスは男子シングルスでお返しをした。セットの途中で足首をひねったように見えた後でも。彼はその時点でサーブ&ボレーをやめたが、最後の3ゲームを勝ち取り、5-3でウィッテンを下した。

マリー - イブ・ペルチエとアン・ケタボンヌは最終セットでブレーカーズを盛り返そうとした。彼女たちはヒンギス/ケイティ・オブライエン組を5-2で破り、ブレーカーズを17-18まで引き上げたのだ。

試合は延長戦に入り、ブレーカーズに必要なのはオブライエンのサーブをブレークして、スーパー・タイブレークに持ち込む事だけだった。

彼女たちはイギリスでケタボンヌと共にトレーニングをするオブライエンのサーブで2-0とリードした。しかしニューヨーク(4-1)は挽回して4連続ポイントを勝ち取り、そして試合を手中に収めた。

ヒンギスは開幕試合の女子シングルスでケタボンヌを5-2で下した。ペルチエとレッテンマイヤーは混合ダブルスで5-3の勝利を手に入れた。

30歳のヒンギスはすでに引退しているが、この夜はツアーに戻る事もできるように見えた。

「あなたはもう一度カムバックする計画がありますか?」と、試合後にケタボンヌは、にっこり笑うヒンギスをつかまえて尋ねた。「容易にできそうだわ、そうでしょ? どんな厄介なボールでも返球してくるのだもの」

「私たちには勢いがあった」と、ケタボンヌは最終セットについて付け加えた。「でも最後には少し硬くなってしまった。それがワールド・チーム・テニスというものだと思う。この数日間、競り合った試合がたくさんあった。すべてが最後のゲームで決着した」

ニューポート・ビーチは日曜日にサクラメントでプレーし、月曜日にはホームへと戻ってワシントン・キャッスルズと対戦する。その試合には、元コロナ・デル・マール高校のエースでプロのテイラー・デントが出場する。

「我々は5夜連続で戦ってきたが、さらに6夜目と7夜目を迎える」とクローネマンは語った。「毎晩、エネルギーを充実させる事が肝要だが、男子ダブルスの初めには、少しばかり元気がなくなっていたのだと思う。物事がうまく運ばなくなるのは、速いものだよ」


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