マーキュリー・ニュース
2010年2月7日
ピート・サンプラスはテニスを続けている
By Alex Pavlovic


現役最後の大会から7年が経った現在、ピート・サンプラスはカムバックへの秘かな望みなど抱いた事もない。

かつてのライバル達がテレビの仕事をしたり、暴露本を書いたり、そして新しい世代が自分の記録を素早くしのいでいっても、サンプラスは安らいでいる。彼は家族と過ごし、バスケットボールをし、そして多くの日々をゴルフコースで過ごしている。

しかしテニスへの愛はそのままで、世界のトップ選手と対戦するエキシビションに向けて、時おりラケットを握る。彼は今宵ふたたび、世界12位のフェルナンド・ベルダスコと SAP オープンの開幕試合を行う。

サンプラスがサンノゼを訪れるのは連続3年目となる。この地で催しに参加するのが好きなのだ。

「エキシビションの観客は感じが良くて―――素晴らしい雰囲気だ。楽しみにしているよ」と最近サンプラスは語った。「フェルナンドのような選手と対戦するのは、まったく新しいボールゲームだ。ペースも違うから、僕は自分のやり方を見つけだして臨み、できる事をして楽しまなければね」

「(ファンは)かつてのように、僕にサーブ&ボレーを望む。それほど楽ではないが、ベストを尽くすよ」

サーブは以前ほど唸りを上げず、試合への準備にはもっと時間がかかるようになっている。しかし38歳になっても、サンプラスは若い選手たちに競い合いをもたらす事ができる。過去2年の SAP エキシビションでは、トミー・ハースと勝利を分け、2008年にニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで行われたエキシビションでは、ロジャー・フェデラー相手に第3セットのタイブレークまで持ち込んだ。

フェデラーはそれ以後、サンプラスのグランドスラム最多優勝記録を破った。しかし14回のスラム・チャンピオンは、今でもいくつかの記録を誇っている。中でも1993〜1998年にわたる年末ナンバー1在位記録が光る。

「6年連続ナンバー1の記録は、もう少し保たれるかも知れないね」とサンプラスは語った。「それは誇りに思うものだ。僕はその記録を樹立するため、懸命に努力した。破るのは難しいだろう」

フェデラーはサンプラスの歴史的ライバルとなったが、現役時の主要なライバルはアンドレ・アガシだった。彼は最近出版した自叙伝で、サンプラスへの当てこすりをいくつか書いた。サンプラスはその本を読む予定はないと語ったが、アガシのとげのある言葉に対して、アガシは「言わば道に迷い、自分が何を欲しているのかよく分からなかったのだろう」と答える機会を得た。

比較して、「僕ははっきりと、自分がどこに向かいたいのかを知っていた」とサンプラスは付け加えた。

その意欲はサンプラスに、2つの SAP オープン・タイトルを含めて64の生涯タイトルをもたらした。最近では、ベルダスコのようなハードヒッターからセットを奪えるだけでも嬉しいだろうと言う。「もし僕が勝つような事があったら、さらにご機嫌だ」とサンプラスは語った。「だが奇跡など期待していないよ」と。

最近の練習で彼に会った人たちは、サンプラスは自分を低く評価しているのかも知れないと考えている。デビン・ブリトン、NCAA(全米大学体育協会)の現チャンピオンは、昨年サンプラスがマラト・サフィンとのエキシビションに向けて準備するのを手伝った。そして自分のアイドルが今でも見事なボールを打っている事に感銘を受けた。

「彼は2カ月ほどボールを打っていないと言っていた。そして我々はヒッティングを始めたが、彼は信じ難いほど巧みにボールを打っていた」とブリトンは語った。「彼は信じられないほど素晴らしいよ」


情報館目次へ戻る  Homeへ戻る