成都チャンピオンズ.com
2010年10月24日
サンプラスは成都の決勝戦で、ルゼツキーにストレートセットで敗れる
エンクイストは3位決定戦でフォルジェを破り、ATP チャンピオンズ・ツアーの記録を
28勝2敗に伸ばす


10月16日の土曜日、グレッグ・ルゼツキー(GBR)は怪我をしたミハエル・シュティッヒに代わって、成都大会に出場してほしいと依頼の電話を受けた。10月24日の日曜日、ルゼツキーは14回のグランドスラム・チャンピオン、ピート・サンプラス(USA)に6-4、6-2で勝利し、 成都大会のトロフィーを頭上に掲げていた。

成都は霧雨の降る曇り空で、サンプラスは動きが緩慢に見え、2回目のサービスゲームをラブゲームでブレークされた後には、試合を通して追いかける展開でのプレーを余儀なくされた。ルゼツキーが放つバックハンドのクロスコート・パッシングショットは、ネットへと詰めるサンプラスの脇を繰り返し通り過ぎた。彼のラケットはキレのあるウィナーを止める事ができなかった。

第1セット3-4、30-40でブレークバックするチャンスを得て、サンプラスはチップ&チャージをかけたが、またしてもルゼツキーのバックハンド・パッシングショットを見舞われる事となった。ルゼツキーは彼に次のチャンスを与えず、エースで第1セットを終えたのだった。

第2セットでは、ルゼツキーが第1・第3ゲームでサンプラスをブレークして、いきなり3-0リードとした。その後に、降り続く霧雨でコートが滑りやすくなってきたため、試合は中断された。

弱い霧雨はいまだ降っていたが、両選手とも決着をつけたがったので、2時間以上後に試合は再開された。ルゼツキーとサンプラスは滑りやすいコートの上で、慎重に、用心深くステップを刻んだ。それでなくても読みにくいルゼツキーのサーブは、滑りやすいサーフェスを横滑りし、サンプラスは中断の後に自分のサーブを2回キープしたが、ブレークのチャンスは得られなかった。

「我々は共に注意深くプレーした」と、サンプラスは中断後のプレーについて説明した。「コートが濡れていたので、慎重を要する状況だった。そして僕は、グレッグのようなサーブを打ちたくなかったんだ。第1ポイントで時速140マイルといったサーブはね。グレッグ、君は正々堂々と僕を打ち破ったよ」と、彼は笑いながら言った。「我々は大会とファンのために、試合を成立させたかった。そしてグレッグは、雨の中でも時速140マイルのサーブを打つ事で、まさしく公式に決着をつけたんだ」

「おい、せいぜい時速130マイルだよ。140ではなかった。もうそんなに強くは打たないよ」と、ルゼツキーは素晴らしい週に上機嫌な様子で答えた。「ピート・サンプラスのような偉大なチャンピオンに勝って、本当にハッピーだ」と彼は語った。「とても嬉しいよ。僕はこの大会に来るまでに、たくさんテニスをしてきた。今週は本当に良いプレーをした。自分の出来に、自分でも驚いているよ」

サンプラスに対するルゼツキーの対戦成績は、現役時は1勝9敗だったが、ATP チャンピオンズ・ツアーでは現在1勝0敗である。

サンプラスは ATP チャンピオンズ・ツアーに過去2回出場した。2008年サンパウロ大会でデビュー戦を優勝で飾り、同年のロンドン、ロイヤル・アルバート・ホールでは準決勝に進出した。成都大会は、ほぼ2年ぶりのチャンピオンズ・ツアー参加だった。

チャンピオンズ・ツアー1位で成都大会のディフェンディング・チャンピオン、トーマス・エンクイスト(SWE)は、3位決定戦でギー・フォルジェ(FRA)に3-6、6-1、10-8(チャンピオンズ・タイブレーク)で勝利し、勝敗記録を28勝2敗と延ばした。フォルジェは5月のサンパウロ大会決勝戦でも、エンクイストに3-6、6-3、10-3で敗れた。エンクイストは出場した8回の大会で6回優勝している。2010年にはボゴタ、サンパウロ、アルガルヴェ(ポルトガル)で優勝を果たした。

エンクイストとの対戦は、フォルジェにとって馴染みの結果となってしまった。「まあ、トーマスは今でも僕より上だよ」と、彼は試合後に語った。「だが我々は毎回、良い試合をしている。彼のテンポは非常に、非常に速いので、毎回がビッグ・チャレンジだ。今日は若干の良いポイントもあったが、彼のプレーはとても堅実だった。今回も良い試合、素晴らしい雰囲気、完璧なコンディションだったよ」

第1セットでは、ギーは11本のエースを放ち、34本のウィナーを打った。そして肝要な第7ゲームでは、エンクイストに2本のブレークポイントを握られたが、ブレークさせなかった。フォルジェはそのゲームをキープして4-3とした後、エンクイストをブレークし、最後のゲームも首尾よくキープして第1セットを勝ち取ったのだった。第2セットではエンクイストが主導権を握り、フォルジェのサーブを3回ブレークした。「彼は序盤で素晴らしいサーブを打っていたが、第2セットに入ると肩が痛くなり始め、少しペースを落とさねばならなかったのだと思う」

チャンピオンズ・タイブレークの7-9ダウンで、フォルジェは1本のマッチポイントを逃れた。不意打ちのようなバックハンド・スライスを放ってペースを狂わせ、エンクイストはボールにネットを越えさせる事ができなかったのだ。9-8のサービング・フォー・ザ・マッチで、エンクイストはセンターにロケットサーブを打ち、続いてアドコートへと放ったフォアハンドのアプローチショットがクリーン・ウィナーとなって、3位の座を確定した。

「素晴らしい試合、タフな試合だったよ」とエンクイストは語った。「我々は本当に良いプレーをした。ギーは今でも信じられないほど巧みに動いて、多くのボールを返してくる。僕は出場者すべてとの対戦を幸せに、そして誇りに思っている。ギーと一緒にコートへ向かうのは、いつもハッピーだよ」

エンクイストは成都での結果により、南アフリカ航空ランキング・ポイントを200獲得して、1位の座を狙うゴラン・イワニセビッチ(CRO)との差を広げる事となる。大会開始時には、2人の差はちょうど120ポイントであった。

一方、フォルジェは4位の結果で150ポイントを獲得し、ジョン・マッケンローと入れ替わってランキング3位となった。2010年のフォルジェは堅実な結果を挙げてきて、パリとサンパウロでは準優勝、クノック(ベルギー)では3位につけた。

ルゼツキーは中国での優勝で400ポイントを獲得し、3人タイだった17位から6位へとジャンプアップした。一方サンプラスは、2010年初となる南アフリカ航空ポイントを獲得した。準優勝の300ポイントで、12位のトーマス・ムスターと並ぶ。

来月、ATP チャンピオンズ・ツアーはシドニーで再召集され、チャンピオンズ・ダウンアンダー大会が11月11〜14日に開催される。しかしながら、成都のテニスファンは、テニス界の偉人たちが地元に戻ってくるのを1年待たなければならない。第2回成都大会は、次の「テニスの黄金の10月」に対するファンの欲望をさらに刺激したのだった。


成都大会結果(第3セットはチャンピオンズ・タイブレーク)

2010年10月21日、木曜日―――開始時刻:午後4時
トーマス・エンクイスト def. エフゲニー・カフェルニコフ 6-3、6-4
ギー・フォルジェ def. パラドーン・スリチャパン 6-4、7-6(1)
グレッグ・ルゼツキー def. パット・ラフター 6-1、6-4
ピート・サンプラス def. パット・キャッシュ 6-3、6-1

2010年10月22日、金曜日―――開始時刻:午後4時
グレッグ・ルゼツキー def. トーマス・エンクイスト 7-6(3)、3-6、10-7
パラドーン・スリチャパン def. パット・キャッシュ 6-4、5-7、10-5
エフゲニー・カフェルニコフ def. パット・ラフター 6-3、6-4、
ピート・サンプラス def. ギー・フォルジェ 7-6(9)、6-3

2010年10月23日、土曜日―――開始時刻:午後4時
ピート・サンプラス
def. パラドーン・スリチャパン 6-2、6-3
グレッグ・ルゼツキー def. エフゲニー・カフェルニコフ 6-3、6-4
トーマス・エンクイスト def. パット・ラフター 6-3、6-4
ギー・フォルジェ def. パット・キャッシュ 6-2、6-4

2010年10月24日、日曜日―――開始時刻:午後12時30分
3位決定戦

トーマス・エンクイスト def. ギー・フォルジェ 3-6、6-1、10-8
決勝戦
グレッグ・ルゼツキー def. ピート・サンプラス 6-4、6-2

ラウンドロビン結果

グループA
試合勝敗(セット)
ピート・サンプラス
3-0(6-0)
ギー・フォルジェ
2-1(4-2)
パラドーン・スリチャパン
1-2(2-5)
パット・キャッシュ
0-3(1-6)

グループB
試合勝敗(セット)
グレッグ・ルゼツキー
3-0(6-1)
トーマス・エンクイスト
2-1(5-2)
エフゲニー・カフェルニコフ
1-2(2-4)
パット・ラフター
0-3(0-6)


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