成都チャンピオンズ.com
2010年10月23日
サンプラスとルゼツキーが成都大会の決勝戦で対決する
成都大会ディフェンディング・チャンピオンのエンクイストは、3位決定戦で
フォルジェと対戦する


ピート・サンプラス(USA)とグレッグ・ルゼツキー(GBR)は、セットを落とさずに各々のラウンドロビン・グループを勝ち上がり、10月24日の決勝戦進出を確定した。サンプラスはダブルの勝利を誇った。ようやく時差ぼけを克服し、次にパラドーン・スリチャパン(THA)を6-2、6-3で簡単に退けたのだ。20日に成都に到着して以来、サンプラスは最もフレッシュな状態にあった。

「今日はもっとしっかりして、実際に自分がここにいるように感じたよ」と彼は語った。「動きが良くなったように感じた。自分の射程をもう少ししっかり見定められ、コートのどのサイドからもボールをうまく打てた。サーブもかなり良かった。身体的に、もっと気分良く感じた。ようやく時差ぼけが解消した………明日には帰国するんだけどね」と彼は笑った。

サンプラスは確信をもってショットを打ち、試合後にも自信を表明した。「僕は準備ができているよ」と彼は語った。「今日はかなりうまくプレーしたように感じる。確かにグレッグはビッグゲームを持っている。このコートでは、左利きのビッグサーブは強みだ。彼を打ち負かすのは難しい。いずれにしても、決勝戦を楽しみにしているよ」

ルゼツキーは愉快な試合で、エフゲニー・カフェルニコフ(RUS)を6-3、6-4で退けた。カフェルニコフは有能なリターナーで、第1セットではルゼツキーのサーブをうまく読み、他の選手なら巧みな配球のエースだと、称賛しながら見送るばかりだったかも知れないサーブをラリーに持ち込んでいた。カフェルニコフも充分なウィナーを放ったが、ルゼツキーは18本のエースで危機の兆しを打ち消す事によって、彼にチャンスを与えなかった。自分のサービスゲームを守れるとなると、ルゼツキーがカフェルニコフを帰宅させるのに必要なのは、各セットで1ブレークだけである。

カフェルニコフは2009年成都大会の第3位だったが、落胆はほとんどなかった。「グレッグは今でもとても良いプレーができる。もし我々全員がもっと良い体調でいられたら、正直に言って今でもツアーで若い選手の若干とプレーできると思うよ。恐らく僕は幻覚に陥っているのかも知れないが、ただの考えだ。我々はうまくボールを打ち、ゲームや戦術を理解している………それはある。問題は、テニスコートの上でそれを実践できるかという事だ」

ルゼツキーは、5時間以上ものトレーニングを行う日々に戻るという見通しには、大して興味を示さなかった。それよりも、アジア唯一の ATP チャンピオンズ・ツアー大会の決勝戦で、サンプラスと対戦する事を喜んでいた。

「我々は現役時に7回(実際は10回)対戦した。僕が彼を負かしたのは1回だけだったが、我々の試合はいつも接戦で、第3セット7-5とか7-6で決する事が多かった。だからピートとの対戦は、いつもとても楽しみなんだ。彼は偉大なプレーヤーだからね。我々が最後に対戦してから、長い時が経った。だから決勝戦をとても楽しみにしているよ」

成都大会のディフェンディング・チャンピオンで、ATP チャンピオンズ・ツアー第1位のトーマス・エンクイスト(SWE)は、楽しい雰囲気の中、パット・ラフター(AUS)を6-3、6-4で破った。エンクイストはラフターへの勝利で、2010年成都大会の勝敗記録を2勝1敗まで押し上げ、フランスのギー・フォルジェとの3位決定戦に進出した。

エンクイストとラフターは「猫とネズミのゲーム」で第2セットを始めて、ファンを楽しませた。ラフターは素速いエンクイストのラケット・ストリングスを引っ張るように、ボールを両コーナーに打ち分けて、彼をサイドからサイドへと振り回した。エンクイストも操り人形ごっこに加わり、ラフターが追いつけるようにペースを少し落として、ボールを両コーナーに打ち分けた。やがてラフターはドロップショットを打ち、エンクイストがネットへ突進すると、「カモン!」と大声で彼を声援した。エンクイストは連続した動きでボールをすくい上げ、そのままネットを飛び越えて、ラフターの手からラケットを叩き落とした。ポイント:ラフター。

第2セット5-4、エンクイストのサービング・フォー・ザ・マッチ、0-15の時点で、エンクイストは再びラフターの茶目っけに付き合った。ポイントの途中でバックハンド・スライスの繰り返しに気づくと、彼らはスライス合戦を続け、それからフォアハンドに切り換え、次にはボレーボレー、さらにはエンクイストがラフターをネットに引き寄せて、オーバーヘッドを打たせた。リズムをくずさずに彼らは立場を交換して、今度はエンクイストがオーバーヘッドを打つ側に回った。その後は両者が共に後退して、バックハンド・スライスを交わした。最後にはラフターがフォアハンドを強打して50ショット以上のラリーを終わらせ、ポイントに区切りをつけた。

「我々は申し分のない組み合わせだ」と、ラフターはエンクイストとの「猫とネズミのゲーム」について語った。「僕はサーブ&ボレーが好きで、トーマスはベースラインから強打するのが好きだ。だから観客とちょっとした楽しみを共有する機会がある時には、それが要なんだ」

ATP チャンピオンズ・ツアーでは27勝2敗の記録で、エンクイストは決勝戦でプレーする事―――そして勝つ事―――に慣れているが、2敗のうちの1つは、昨日の成都でルゼツキーによってもたらされた。6-7(3)、6-3、10-7のチャンピオンズ・タイブレークで敗れたのだ。彼はフランスのギー・フォルジェとの3位決定戦に降格となった。フォルジェも同じく成都で2勝1敗の成績を挙げ、ラウンドロビン・グループの第2位につけていた。「最近は、どんな試合でもプレーするのが楽しいんだ」とエンクイストは語った。「もちろん、決勝戦の方がいいが、今回は進出できなかった。少なくとも僕は日曜日にプレーする、嬉しいよ」

わりあいに単調な試合でパット・キャッシュ(AUS)を6-2、6-4で手際よく退けた後に、フォルジェは36歳のエンクイストとの対戦について考えた。「ワクワクしているよ。難しい試合になるだろう。トーマスはとても良いプレーをしているし、今年の最も堅実な男だ。とてもフィットしている。彼との試合は楽しいだろう。コートのコンディションも、とても良い。願わくば、僕の身体が4回目の試合まで持ちこたえてほしいね」と、42歳のフォルジェは語った。彼の左肩にはシャツの下にアイスパックが当てられ、片方が大きい(アメリカン・フットボールの)ラインバッカーのようだった。

フォルジェはサンプラスに6-7(9)、3-6で負けた前夜の敗戦から立ち直り、キャッシュ戦ではしなやかで機敏だった。また、チェンジオーバーの間にキャッシュが肩を叩くと、彼もハメを外した。彼らはDJの選んだ音楽に乗って、気さくに YMCA ダンスを始めたのだ。「我々は旧い友人だ。14歳の頃からジュニアで対戦してきたんだ」と、試合後にキャッシュが説明した。

「音楽はグッドアイデアだった」とフォルジェは言った。「次回は、我々は少し舞踊の振付けに取り組むべきだね」

「ダンスと言ってくれよ」とキャッシュは言った。

「ダンスと言おう」とフォルジェは同意した。

愉快な雰囲気ではあったが、試合ではキャッシュは苦労し、サーブ&ボレーヤーとしては通常よりもずっと多くステイバックした。「ここは標高が高いので、バックハンド・スライスとボレーをコート内に収めるのが非常に難しいんだ。自信を失ったよ。もしバックハンド・スライスとボレーがうまく行かないと、僕のする事は他に大して残ってないからね」と、キャッシュは自嘲の笑みを浮かべて説明した。

24日には、ファンはここまで最も良いプレーをしてきた男たちを見る事になる。エンクイスト対フォルジェ戦は午後12時30分、続くサンプラス対ルゼツキー戦は、午後2時以降に行われる。10月24日にはこの2試合で、愉快だが同時に競技的な2010年第2回成都大会を終える。


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