2010年10月21日
成都オープン：サンプラスはキャッシュを６-３、６-１で破り、中国での初戦に勝利する
2010年成都オープン初日、極上のプレーが披露される
ディフェンディング・チャンピオンで ATP チャンピオンズ・ツアーのナンバー１、トーマス・エンクイスト（SWE）が、第２回成都オープンの開幕試合を戦い、挑戦者で2009年大会の第３位、エフゲニー・カフェルニコフ（RUS）を６-３、６-４で破った。エンクイストはいきなり３-０リードとしたが、カフェルニコフは長いデュースゲームで対戦相手の勢いを留め、エラーとウィナーを交錯させながらも、最後に２本のウィナーを放って調子を掴んだ。エンクイストは１ブレークで第１セットを勝ち取り、第２セットでは互いにブレークし合った後に、２回目のブレークを果たした。
第２試合は２人のデビスカップ監督の対戦だった。ギー・フォルジェ（FRA）は1991年と1996年にデビスカップ・チームで中心的な役割を果たし、12月のデビスカップ決勝戦でフランスを優勝へと導いた。パラドーン・スリチャパン（THA）は ATP 世界ツアーで最高９位をマークし、アジアで史上最高位に就いたプレーヤーとなった。42歳のフォルジェは、世代間の対戦で31歳の相手に６-４、７-６（１）で勝利し、優れた動き、ピンポイントの強力なサーブ、そして ATP ツアーで28のダブルス・タイトルを誇った巧みな手さばきを披露した。
「何ポイントかは少し幸運もあり、そしてサーブの調子がとても良かった」とフォルジェは語った。「だが、自分がさほど年をとっているとは感じていない―――実際はそうだと思うがね」
スリチャパンは認めた。「試合前には、どうなるか予想がつかなかった。だがウォーミングアップをしながら、今日は大いに動き回る事になると分かったよ。彼は素晴らしいポイントをたくさん挙げた。今でも優れた体調だ」
第３試合も、同じく速い勝負と轟くサーブの応酬となった。パット・ラフター（AUS）は２回のUSオープン・チャンピオン（1997・1998年)、２回のウィンブルドン準優勝者（2000・2001年）で、グレッグ・ルゼツキー（GBR）は1997年のUSオープン決勝戦で、ラフターに敗れていた。ルゼツキーは怪我をしたミハエル・シュティッヒの代わりとして、出場決定が遅れたが、絶好調の状態でラフターを６-１、６-４と手際よく打ち破った。今日の勝利で、鍵となった1997年の敗戦を埋め合わせられるかと尋ねられて、彼は答えた。「僕はパットに勝ったどんな試合でも、USオープン決勝戦におけるあの１つの勝利と交換するよ」
サンプラスは支配的で、トレードマークの鋭く重いグラウンドストロークと伝説的なサーブによって、キャッシュを６-３、６-１を破った。１-１でサンプラスは３本のブレークポイントを握ったが、キャッシュは４連続ポイントを勝ち取ってサービスをキープした。３-３では、サンプラスはライン沿いにフォアのパッシングショットを放って、ブレークを果たした。
彼のプレーは熱狂的なファンの心の琴線に触れ、極上のエアー・サンプラス・オーバーヘッド・スマッシュを炸裂させた時には、ファンはワーワーと盛り上がった。そのプレーのレベルとスタイルに、ファンは過ぎ去った時代を懐かしみ、試合は ATP チャンピオンズ・ツアーの郷愁を催す美しさの典型だった。
試合を通じて、サンプラスは鳥がその翼を広げるような優雅さで、バックハンドで身体を振りほどき、フォアハンドで身体を開いた。サンプラスは第２セットでも早い段階で、そして繰り返しブレークを果たしたが、彼は試合後に、状況は油断ならないものだったと指摘した。「僕はここが高地だと気づいていなかった。そしてパットは今でも優れたサーブ＆ボレーをしていて、それに彼のサーブが加わると、ブレークするのは難しい。僕が試合になじんで、少し自分の射程を感じ始めると、かなり順調に行った。だがパットは今でも非常に優れたアスリートだ」
22日の２日目は、午後４時にエンクイスト（１-０）対ルゼツキー（１-０)、午後５時30分以降にキャッシュ（０-１）対スリチャパン（０-１)、午後７時以降にラフター（０-１）対カフェルニコフ（０-１)、そして午後８時30分以降にサンプラス（１-０）対フォルジェ（１-０）の試合が行われる。
「明日のフォルジェとの試合が楽しみだ。彼は良いプレーをしているね」とサンプラスは語った。「僕はここで優勝したいと思うが、多くの優れたプレーヤーがいる」と。しかしチャンピオンのフィールドにおいてさえ、サンプラスは最高の中の最高、倒すべき男として際立っている。活気づく中国のテニスファンが、彼のあらゆるステップに声援を送る事は確かだ。