プレス・オブ・アトランティック・シティ
2010年4月11日
シーザーズ・テニス・クラシックは大成功
文:Susan Lulgjuraj


アトランティック・シティ―――14年間、アトランティック・シティでは大きなテニスイベントがなかった。

土曜夜にボードウォーク・ホールで開催された「シーザーズ・テニス・クラシック」イベントの後には、ファンは再び長い間待つ必要はないだろう。イベントを主催したスターゲーム社とハラーズ・エンターテインメント社は、2011年にもイベントを行うと発表した。そしてピート・サンプラスは戻ってくると言った。加えて、12月には同じプロモーターによるアイススケートのイベントが、ボードウォーク・ホールで開催される。

「大会以外にもテニスが必要だと知るのは素晴らしい。特に現在は、合衆国での大会がかつてほど多くないから。こういったイベントが行われるのを、とても嬉しく思うわ」とビーナス・ウィリアムズは語った。彼女は3つのオリンピック金メダルを持つ唯一の女子テニス選手である。

ウィリアムズはイベントの進行役を務め、プレーはしなかったが、出場する選手たちと同じくらい注目を集めた。

最初の試合にはイワン・レンドルと、長年のライバルだったマッツ・ビランデルが登場した。レンドルが公の場で競技に出場するのは、16年ぶりの事だった。

引き続き7,330人の観客の前で、サンプラス、マラト・サフィン、アンディ・ロディックの3人による、ラウンドロビン方式の各1セットの試合が行われた。ロディックは出場者の中で唯一の現役選手で、先週フロリダ州キービスケーンで開催されたソニー・エリクソン・オープンで優勝を遂げていた。

「異なる世代が一堂に会するようなイベントは興味深いよ。多くの異なったプレースタイルを見る事ができるからね」と、Harj Thandi (32歳)は語った。彼はリサ・バグリーと一緒にニューヨーク市からイベントを見にきていた。「1つのイベントで彼ら全員が見られるなんて、素晴らしい」

「シーザーズ・テニス・クラシック」のようなイベントでは、ファンは選手たちの違う一面も見られる。大きな大会とは違い、観客はサーブの間も静まる事がない。その代わりに、選手はお互いや観客との間で冗談を交わしたりした。

ロディックはコートサイドのファンとじゃれ合い、ピート・サンプラスとの試合中には、彼らと飲み会ゲーム(携帯電話のゲーム?)もやった。

サンプラスもその雰囲気に乗った。彼は自分のラケットが気に入らず、ロディックの4-2リードとなったところで、相手のバッグから新しいラケットを取り出した。

「普通は、誰かの物を借りたい時には『ねぇ、アンディ、これを借りてもいいかい?』って尋ねるものだよ。そしたら僕はもちろんって言うよ」と、ロディックはコート上で冗談を言った。

サンプラスはすでに自分のラケットを脇に投げ出し、その後に許可を求めたのだ。彼はロディックのラケットで、アンディ・ロディック風のエースを放った。それから自分のラケットを地面から拾い上げ、土産物としてファンに放り投げた。

「ファンがこんなに支持してくれるなんて、素晴らしいわ」とウィリアムズは語った。「私たちはホテルや街でとても多くの人々に会ったけれど、みんなテニスのためにここに来ていたのよ。大いなる事だわ。たくさんの人々が集まっている」

男子プロテニス選手協会(ATP)が主催する60以上の大会の内、合衆国で開催されるのは13だけである。アトランティック・シティに最も近い場所で行われるツアー大会は、8月にワシントン D.C. で開催されるレッグ・メイソン・テニスクラシックと、ニューヨーク市のUSオープンである。

公式大会を得るのは非常に難しい。エキシビション・イベントは、出場者が競技性を保って、通常は地元で多くのスポーツを見られない地域にテニスをもたらす好機となるのだ。

「もしアトランティック・シティ、あるいはフィラデルフィアが ATP 大会の招致希望を決定しても、大会の開催権を購入して維持するには、うまくいっても5年を要し、たくさんの金が必要だろう」とレンドルは語った。「もしまずい日程だと、選手のスケジュールがかち合い、彼らはやって来ない。うまく運べば、通常は見る事のないハイレベルのテニスを当地にもたらす事となる。それがエキシビションの利点だと思う。観客の皆さんには楽しんでもらいたい」

「シーザーズ・テニス・クラシック」は来年も開催されるが、長期契約は結ばれていない。基本的には1年ごとの取り組みだが、望ましい観客数が確保されれば、リゾートの主要イベントとなれるだろう。

「これはハラーズ・エンターテインメント社が、一流のイベントをアトランティック・シティにもたらそうとする姿勢を示している」と、当イベントの代表人クリス・ジョニックは語った。「主催者は新しい、そして活気に満ちたイベントをアトランティック・シティにもたらしたいと望んでいるのだ」


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