ガーディアン(イギリス)
2009年6月8日
今やロジャー・フェデラーは史上最高と、ピート・サンプラスは語る


ピート・サンプラスはロジャー・フェデラーを史上最も偉大なテニスプレーヤーだと述べた。スイス人はフレンチ・オープン優勝によって、14グランドスラム・タイトルというサンプラス自身の記録と並んだ。

「彼が過去5年にわたって成し遂げてきた事は、かつてなかった事であり―――恐らく二度とないだろう」とサンプラスは語った。「彼があそこで優勝しようがしまいが、史上最高の選手として記録される。この優勝は、まさにそれを裏付けるものだ」

フェデラーはウィンブルドン5回、USオープン5回、オーストラリアン・オープン3回に、初のフレンチ・オープン優勝を加え、キャリア・グランドスラムを達成した6人目の男となった。サンプラスは3つのメジャー大会で優勝したが、フレンチ・オープンの優勝はなかった。

昨日サンプラスはロサンジェルスの自宅にいて、フェデラーがロビン・ソダーリングに6-1、7-6、6-4で勝利したローラン・ギャロス決勝戦の一部をテレビで見守った。過去3年のフレンチ・オープン決勝戦では、フェデラーはラファエル・ナダルに敗戦を喫していた。

「もちろんロジャーのために嬉しく思うよ」とサンプラスは語った。「もし優勝に値する者がいるなら、それはロジャーだ。もう少しのところまで来ていたのだからね」

サンプラスの最後の試合となったのは2002年USオープン決勝戦で、31歳の彼はアンドレ・アガシを下した。キャリアで52回目のグランドスラム大会だった。フェデラーは27歳で、40のグランドスラム大会で14回のメジャー優勝を遂げた。

「彼はただただ素晴らしいプレーヤーで、テニス界の誇りであり、子供たちやテニス全般へ前向きな影響力を及ぼす人間だ」とサンプラスは語った。「14のメジャータイトルを持つ男を倒すのは、かなり困難だろう。そして彼は進み続け、さらに多くの優勝を遂げようとしている」

フェデラーはウィンブルドンで、サンプラスの記録を凌駕する最初のチャンスを得る。ウィンブルドンは6月22日に開幕する。サンプラスはオール・イングランド・クラブへ行くかどうか、はっきり決めていない。「どうなるだろうね」と彼は語った。

アガシは1999年にフレンチ・オープンでキャリア・グランドスラムを達成した。そして昨日は優勝セレモニーに出席して、フェデラーにチャンピオンのトロフィーを贈呈した。

「彼の数字にどう理屈をこねるというんだい? 信じがたいような素晴らしい事だ」とアガシ語った。

「幸運である事は優れている事よりも良いと言う。僕なら幸運である事よりロジャーである事と言うね」

史上最高の選手に関する討論について、サンプラスは長い間、自分のアイドルとしてロッド・レーバーを挙げてきた。レーバーは1962年と1969年に、真のグランドスラム―――1シーズンに4つのメジャータイトルを獲得する事―――を達成し、それを成し遂げた最後の男である。レーバーは1963年にプロに転向してから、オープン化する1968年までそれらの大会への出場を禁じられたにもかかわらず、11のグランドスラム・タイトルを獲得した。

現在サンプラスが選択するのはフェデラーである。「僕の意見では、彼がパリで優勝した今、最も偉大な選手として、歴史における彼の地位はさらに堅固なものになったと思う」とサンプラスは語った。「僕はレーバーの大ファンだし、彼には何年間かメジャーで優勝する場がなかった。だが時代を比較する事はできない。そしてこの時代、競争はロッドの時代よりもずっと熾烈だ」



ESPN.com
2009年6月7日
サンプラス:ロジャーが勝利する時だった
文:Greg Garber


パリ―――カリフォルニアで暮らすピート・サンプラスにとっては早朝だった。

ロジャー・フェデラー対ロビン・ソダーリングのフレンチ・オープン決勝が始まった時、地球を半周したロサンジェルスにあるサンプラスの自宅では午前6時ごろだった。

2時間足らず後には、彼はもはや最多グランドスラム・シングルス・タイトルの単独ホルダーではなくなっていた。フェデラーがストレートセットでソダーリングを下した後、14のメジャー・タイトルを保持しているのはフェデラーとサンプラスである。

サンプラスのエージェント、グラント・チェンによれば、サンプラスは日曜日に自宅で試合を見たという。

ATP 世界ツアーによって提供された文書で、サンプラスは「僕は(フェデラーの)結果をチェックし、若干のハイライトを見た」と語っていた。「皆は彼が苦しんでいると言っていたが、偉大な選手たちは勝つための途を見いだすんだ」

「僕は運命を信じる。そして今年はロジャーがパリで勝利する時だったのだ」

現在サンプラスは37歳で、2002年USオープンで最後のメジャー優勝を遂げた時から、ほぼ7年が過ぎた。彼は妻で女優のブリジット・ウィルソンと共に平穏な生活を送っている。ゴルフと、息子である6歳のクリスチャンと3歳のライアンを追いかける事に多くの時間を費やしている。

引退した時、サンプラスは自分の記録が7年よりは長く保たれるだろうと思っていた。

「記録に並ばれるのに、7年しかかからないとは思わなかったよ」とサンプラスは認めた。「ロジャーとは良い仲間であるように感じている。もし誰かと並び、そしていつの日か僕の記録を破られるのなら、ロジャーのような人であってほしいと望んでいた」

フェデラーは幾つくらいメジャー・タイトルを獲得するだろうか?

「具体的な数字を挙げるのは難しい」とサンプラスは語った。「だが今や―――異なったスポーツではあるが―――彼は(ジャック)ニクラウスの18グランドスラム記録に照準を合わせているかも知れないね」

フェデラーは最近のグランドスラム16大会で15回、決勝戦まで進出した。サンプラスは合計で18回、決勝戦に進出した。

「信じがたい事だよ」とサンプラスは語った。「レンドルの8年連続USオープン決勝進出に並ぶほど堅実な者がいるとは、思ってもみなかった。だがそれを上回り、さらに、すべてのサーフェスで成し遂げている。それは彼のゲームとキャリアを反映している」

もしフェデラーの時代にプレーしていたら、どのようにやっていただろうかとサンプラスは尋ねられた。

「僕は僕なりの勝利を遂げ、彼も彼なりの勝利を遂げていただろうと思う」とサンプラスは答えた。「我々は似たような気質と、好対照を成すプレースタイルを持っている。素晴らしいライバル関係が生まれただろう」

「我々のライバル関係は、テニスというスポーツを引き上げる可能性があっただろう」

サンプラスはウィンブルドンに戻ってくるだろうか―――2002年にそこで敗れてから初めて―――もしフェデラーが決勝戦に進出し、彼の記録を破る間際についたなら?


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