ベルファスト・テレグラフ(イギリス)
2009年7月6日
伝説的偉人レーバーは、ピストル・ピートがフェデラーに勝つと考えている


ウッドラケットとピッタリしたショートパンツの時代が終わって久しい。しかしロッド・レーバーの判断は、変わらず明敏に輝いている。

今年のオール・イングランド・クラブのゲストであるレーバーは、昨日に行われた男子決勝戦を、激しさと才気に畏怖の念に打たれつつ楽しく観戦した。バラ色に彩られた眼鏡を通して過去を見るのではなく、クィーンズランド生まれのレーバーは、新しいラケット技術によって引き起こされた変化は、「さらなる興奮」を彼が今なお愛するゲームにもたらしていると示唆した。

「良い事だと思う。はるかに多くのラリーを目にする。我々がプレーしていた時代は、サーブ、ボレー、そしてボールを拾いに行って、再開。我々の時代にはボールボーイがいない事も多かったからね。自分で自分のボールを取りに行かなければならなかったよ」と、4度のウィンブルドン・チャンピオンであるレーバーは回想した。

ロジャー・フェデラーほどコートに多くの喜びをもたらす者はいない。レーバーは率直に、フェデラーがあらゆる挑戦を前に、優雅さと狡猾さを披露する様には驚くと認める。

「ロジャー・フェデラーがラケットを扱う方法について考え始めると、まるで卓球のようだと思うだろう」とレーバーは語った。彼はスイスの達人の計り知れない才能を理解し尽くしたいと望む人々のために、アドバイスをした。

「観客はボールではなく、彼の足を、ロジャーを見るべきだと思う。そうすれば、ショットをこなす彼がいかに素晴らしいプレーヤーであるか分かるだろう。彼がベースラインからハーフボレーのようなウィナーを放つ時、それをこなす彼の能力に驚嘆するのだ」

「同じく、彼のゲームを分析する事は難しい。不可能と思える状況から、彼がどんなショットを生み出しうるかは、驚くばかりだ」

「彼の持つ才能、そして対戦相手をやすやすと倒す様を見られるのは、素晴らしい気分だ。他の選手はカルロビッチのようなプレーヤーを倒すのに、苦労しているというのに。彼は生まれつき才能に恵まれ、そして変化が必要な時には変える事ができるのだ」

「テニス界にロジャーのような選手がいるのは素晴らしい事だ。我々は常にロジャーを見る。彼とタイガー・ウッズは良き友人で、ゴルフ界とテニス界で、どちらが多くのグランドスラム優勝を遂げられるか競い合っている。それはテニスというゲームを盛り上げる事に繋がっている」

フェデラーが史上最高の選手かどうかという議論には、いまだ検討の余地がある。そして謙虚なレーバーは、自分が彼の技能といかに戦うかについては、答えを持っていないと認めた。しかし彼は、芝生で両者がピークにあれば、ピート・サンプラスがわずかに優勢かも知れないと示唆した。

「ある点では、私はサンプラスを選ぶかも知れない。彼のサーブゆえにね。彼にはビッグサーブと、ボレーの才能がある。パワーゲームという点では、彼の方が少し多才だ」

「ロジャーは、確かに足元でボールを捕らえる事ができるだろう。だが、あのようなビッグサーブをリターンするのは、あれほどの強烈なサーブを打ってネットに近づき、そしてボレーを成功させる人間に慣れている選手はそれほどいない。その日どちらが好調かによるね」

レーバーはまた、サンプラスとウッドラケットで打ち合った事がいかに楽しかったか明かした。アメリカ人はそれを上手く使いこなしたが、現在の大多数の戦士たちに同じ事ができるかどうかは分からない、と語った。

「現代のラケットから換えてみると、彼らはショックを受けるだろう。ある時ピート・サンプラスとプレーしたのだが、彼はストリングスを切ってしまい、そして代わりを持っていなかった。そこでウッドラケットが与えられた。彼はそれで打ち始め、上手くプレーしていたよ。彼はスピードが出せないと言っていたが、タイミングは確かに捉えていた」


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