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1999年7月12日
サンプラスはダブルスに出場する


ボストン --- ピート・サンプラスは世界3位かもしれない。そしてウインブルドン決勝では、生涯最高とも言えるテニスでアンドレ・アガシを葬り去ったかもしれない。

しかし彼が劇的な心変わりをしない限り、この週末のデビスカップ準々決勝で、サンプラスが合衆国のためにシングルをプレーする事はないであろう。

月曜日、サンプラスとデビスカップのチームメイトは、オーストラリアとの準々決勝に向けて、ロングウッド・クリケット・クラブで準備を始めていた。

絶好調ぶり、そしてチームメイトのトッド・マーチンからの懇願にもかかわらず、自分の居場所はアレックス・オブライエンとのダブルス・コートである、とサンプラスは主張した。彼なしで準々決勝進出を果たしたチームに、遅れて参加したからという理由である。

「便乗する事はしたくないんだ」と彼は言った。シングルス担当のジム・クーリエかマーチンが怪我でもした場合に限り、考え直すかもしれないとサンプラスは語った。

「そうでないなら、僕はそれ(自分がシングルスに出る事)が正当だとは思わない。あの2人がシングルをプレーするのは当然だ。彼らのショーだよ」

今年初め、サンプラスはデビスカップでプレーする事を拒否した。クーリエのようなプレーヤーにはあざ笑われたが。しかし、4月に行われた第1ラウンドで、合衆国が劇的な流儀でイギリスを打ち破るビデオを見て、サンプラスは心を変えた。

「それは僕にとってインスピレーションだった」と彼は言った。彼が態度を一変させた事は、チームメイトにとっては微妙な話題であると承知していたので、チームに合流するという意志を6月に発表した時、サンプラスはダブルスだけに出場すると語った。

その時からマーチンは、もし監督のトム・ガリクソンがサンプラスを自分のシングルス・スポットに入れると決めたら、自分は身を引くと発言してきた。

「ピーターがプレーしているべきだと思う」とマーチンは言った。「トムに、我々はベストのチームを作るべきだと思う、と伝えた。僕がその一部ではないと彼が考えるなら、それでも構わないよ」

しかしながら、サンプラスは納得しない。

「トッドはできた男だから、身を引く事も辞さないだろう。でも僕としては、居心地がいいものではないんだ」とサンプラスは言った。

ガリクソンは、チームにおけるサンプラスの立場について徹底的に論じるため、今週チームは会合をもつと語った。「彼にプレーを強いる事はしたくない」とガリクソンは言った。「他の4人の男が彼をコート上に放り出しでもしない限り、彼がシングルをプレーするとは思わない」

クーリエは、決定がどうであれ、合衆国チームは良い状態にあるだろうと考えている。「我々の仕事は、競争力のあるチームをコートに出す事だ」と彼は言った。「どちらにせよ、我々は競争力のあるチームになるだろう」



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デビスカップ・サイト
1999年7月15日
デビスカップ準々決勝 対オーストラリア / ボストン
合衆国チーム記者会見