一般ギャルゲ
デジタルホステスファクトリー

 
     

 

DEAD OR ALIVE
Xtreme Beach Volleyball

テクモ(2003)
エロ服貢ぎバレーゲーム
ゲームA/精液−(顔−:口−)

DEAD OR ALIVEシリーズのXBOX第2弾は女性キャラオンリーのビーチバレーゲーム。ザックの偽の招待状に誘われ、「ザック・アイランド」にやってきた娘達。2週間のリゾート生活を楽しもうっ。

今年は1月2月と全くエロゲに買い候補がなく、例年になくサムい滑りだしになりましたなぁ。

しかし、オレはちぃとも心配はしていなかった訳で。実は隠れ本命ソフトがあった訳だ。それがこの作品。何でも、発売日当日だけで7万本ぐらい売れたとか。話題のデカさの割にそんなでもないように思えるが、日本でのXBOXユーザーの数を考えると、これはハリポタ並の出足ですよ。もちろん、オレもそのエロ同志の一員として当日朝買い。折りも折り、日本以外では18禁指定になったおかげで、エロゲとしてレビューもできるし万々歳なのであった。

それにしても、延々と格闘でやってきたシリーズが、唐突にビーチバレーに。本来ならなぜの嵐が吹き荒れるところなんだが、このシリーズに関しては、全くもって自然な流れとして受け入れられた。というのも、「DEAD OR ALIVE(以下DOA)」シリーズの神髄というのは格闘ではなく、ミスマッチ感であるからである。思えば、DOAシリーズのコンシューマー最初の作品であるサターン版での、ヒロイン・かすみが裸オーバオールで乳をブンブンと揺らしながら戦う雄姿こそ、このシリーズのエッセンスだった。セーラー服、ブルマ、ビキニ、着ぐるみ、メイド服、バニー・・・意表を付きまくるコスで戦う連中の前では、格闘をしているということは全く頭から消え、後に残るのは猛烈なパンチラと不条理なまでに揺れる乳、それだけであった。何でその格好で格闘するんだ?何で乳がそんなに揺れるんだ?どうして、スカートをはかせてステージの下から風が吹きあげているんだ?ヘタしたら、バカゲーで終わりそうなコンセプト。しかし、DOAはそれを真面目な大パワーで作り上げたところに価値があった。「DOA2」ではパンツだけではなく、セーラー服の上着の下のブラジャーまで作ってあった。卓抜したグラフィック技術を惜しげもなく下着に投入する。そのエロ魂に惹かれて、オレはサターン→PS→PS2→XBOXと全部追いかける羽目になったのであった。

しかし、その流れのなか発売された、XBOX移籍第一弾「DOA3」は非常に不満の残る作品だった。確かに、グラフィック的には相変わらず素晴らしく、エフェクトも派手。主題歌はエアロスミス。そして、XBOX作品ではダントツの売り上げ。DOAはいつの間にか、超メジャーという感じの作品になっていた。

・・・しかし、何か違った訳ですわ。今までの色モノムードが一気に減退し、その分「DOAらしさ」みたいなものもかなり失っていた。他の作品でも味わえる刺激しかなかった。確かに、初めて見た人にはインパクトはあるとは思うし、恒例の露出度の高いコスはあった。しかし、それは単に肌が出ているというだけで、DOAの本質である「何でその服やねん?」というミスマッチ感を感じるものはなかった。大人キャラはセクシーに、少女はあくまで清楚な色気。当たり前すぎる世界がそこにあった。新キャラ・ヒトミのタイツの透けパンという小さいフィティッシュでのみ、ややらしいところを見せたが・・・。

ある意味ボウイの「レッツ・ダンス」的な作品だった訳です、DOA3は。「格闘はアートになる」とかCMで言ってたけど、芸人が何をアーティスト面しとる。「お前は片岡鶴太郎か」的な憤懣をかなり感じていたのでありますな。従って、今回の「ビーチバレー」の発表にも大いに期待をしつつも、一抹の不安が。女性キャラのみのビーチバレーという路線は確かに意表を付かれるけど、「水着で浜辺でビーチバレー」ってなんか普通やんけ、と。特に、このシリーズのプロデューサーが何かエロゲの社長さんみたいな人で。ユーザーの期待と違う方向に自信満々発言を繰り返すもんだから、余計に心配だった。

ところが。

ファミ通のサンプル画像で何と、かすみが下着をつけているじゃありませんか! この格好でバレーボールすんのか?オレはすぐさまメッセサンオーに予約に走ったのであった。予想に反して(?)今回はマッチの物まねどころか、小森のおばちゃまの格好をして村西とおるの物まねをしながら熱々おでんを食いまくるほどの大盤振る舞い。DOAエッセンスの塊といった作品だった。



これは視姦ゲームといってよろしかろう。

ゲームは14日間の期間を島で過ごすだけ。とりあえず、目的もゲームオーバーも設定されていない。しかし、その本当の目的は明らかで、水着をかき集めて女キャラに着せ、ティッシュタイム。これだ。一応、ビーチバレーゲームということになっているが、実際やってみるとビーチバレーは非常に攻略性が低い簡単なもので、様々なギャンブルゲーム、ぴょんぴょんゲームと並ぶミニゲーム群のうちの一つに過ぎない。各ミニゲームは金を稼ぐための手段で、あくまで主眼はコス集めだ。

水着を集めたら、グラビアモードというモードに入る。買った水着を着て、各キャラがビーチやジャングルでたたずんでくれるというものだ。そして、プレーヤーはその間何をしているかというと、ひたすらカメラを動かしてキャラを眺める。カメラ視点変更・ズーム回転はやり放題。思う存分パパラッチできるという訳だ。確かにそれでもまだカメラの角度・ズーム幅は制限されている。しかしだ、思えば、格闘ゲーム時代は勝利時の決めポーズの短い時間に動きの狭いカメラで血眼になってエロい角度を探してたものだった。昔、オレのおじさんが小泉今日子の「渚のはいから人形」を歌っている衣装のスカートの下が覗けないかと、テレビ画面の下から必死で眺めていたのをふと思い出してしまったが、あの頃の苦労を思うと、今回のカメラはもう六面カメラさながらの性能だよ。今までは格闘中かデータをいじらないと見れなかった各キャラの股間アップが初めてじっくりと見られるというのは新鮮以外の何者でもないな!

しかも、どのキャラも自分たちが見られているということを全く意識していない。これは非常に淫靡なワイセツ感がある。グラビアモードだけではなくミニゲームの最中やプールサイドでもカメラ視点は動かせる。ゲームが始まったオープニングの時点で、新キャラリサがゲームの説明なんかをしているところでも、話に全く関係ない形でカメラズームを動かせる。どんなアングルで見ていようが娘達はおかまいなし。まさに透明人間になったような気分だ。このグラビアモードは想像以上に燃えた。フォレスターのゲームに昔感じた3Dゲームの可能性をエロゲブランドがちぃとも発展させてくれない間に、一般ブランドのテクモがこういう風に使うんだと一つ形を見せてくれたぞ。

そんでもって、また水着がねぇ・・・。

水着は露出度が高いというより、もはや露出狂度が高いという感じ。今まで少しずつしか勝負コスを出してこなかったことを考えると、ここまでやっていいのか?というぐらい一気にレベルアップした。つうか、こんなん着てパレーやったらブタ箱。全盛期の細川ふみえも裸足で逃げ出すという感じで、実写なら確実モザイク入りですわ。まあ、セーラー服みたいな本当の意味での非水着はなかったんは残念だけど、ここまでやってもらったら文句を言うのも・・・。最初に言った下着類に加えて、スクール水着にバニー、バドガールにチアリーダー等、さらに小物アクセの組み合わせ次第では、かなりフェティッシュな遊びが可能そうな感じだ。

しかも、巧妙と言うか、ここがこのゲームの熱中度を上げるキーになっている訳なんだが、300着を越えようかというこの水着群はキャラ共通ではない。各キャラで数十着ずつ分け合う形になっていて、購入できるのは各キャラ専用のもののみ。それ以外の水着を手に入れるためには該当キャラからプレゼントされる形でしか手に入らない訳だ。そして、特に人気が高そうな勝負水着を各キャラ一つは持っている。かすみなら下着、あやねならスクール水着という感じだ。例えば、かすみにバニーの格好をさせるためには、バニーを買える唯一のキャラのティナを自キャラにしてプレイし、バニーを買って買ってかすみにプレゼントしなくてはならない。これは満遍なくキャラクターをプレイさせる工夫としてはなかなか良い。

しかしだ。ここでドボンがある。きわどい水着をあげようとすると、皆嫌がるんだ。そして無慈悲なことに、こっちが苦労して金を貯めて買った水着をゴミ箱に捨ててしまう。捨てられないためにはキャラの好感度をあげて、水着をあげても捨てられないようにゴキゲンを取らなくてはいけないっ。ここら辺、完全ギャルゲ。しかし、それでも、気に入らない水着は容赦なく捨てられてしまう。最高にエグい水着は好感度を目一杯でも、あとは運を天に任せるしかない。ランダムってのはきついねー。攻略性なし。

そして、さらに巧いのは、一番狂っている水着「ヴィーナス」(宝石で乳首とマンコを隠しているだけ)や「マッハ」(放課後電磁波クラブと言ったらわかるか)を新キャラのリサが持っていることだ。しかも、これらの水着は超高額。そうそう簡単に資金はたまらない。かすみやヒトミにエロい水着を着させたい熱意ゆえ、必然的にリサとは長い間付き合うことになる。しかも、声は黒人のキャリアウーマンというキャラと全然合ってないにもかかわらず坂本真綾。リサは多分次の作品にも出てくるんだろうが、プレーヤーの脳髄にはその声と共に深く刻まれたことだろう。憎いねぇ、どうにも。

何度水着を捨てられてもまた金を貯め、好感度をあげ、またエロい水着を買ってプレゼントする。ひたすらこれの繰り返し。DOA3をやるためだけに発売日にXBOXを買ったオレとしてはDOAキャラは高級娼婦のような感覚を持っていたのだが、今回はマジでホステスに土下座しまくって一発めぐんでもらうような気分を味わっちまった!苦労して貯めた100万で買ったエロ水着を容赦なく捨てられた時は、マジで切れそうになるわ(でも、また買って渡すが)。

ただ、これって黎明期のエロゲの感覚に非常に近いんだよね。金をため、パラメーターを上げ、エロシーンをゲットする。今は色々なフラグとストーリーで隠されてしまったエロゲの基本構造を久しぶりに体験。そして、その不自由さがまたエロ魂に火をつける。セーブロードは任意じゃないし、メッセージはスキップできないし、ランダム要素のオンパレードで攻略は遅々として進まない。非常にイライラする。むかつく。が、かと言ってやめられない。アリスの「ダークロウズ」で味わった気分再びですわ。こんなに延々と攻略をやったのはいつ以来だろうねぇ。

それに、やっぱりこのグラフィックを見るとやらずにはいられませんわ。

新作が出るたびに映像的にクオリティアップしてきたDOAだから、グラフィックは今回も当然のごとく素晴らしい。初めて初代DOAのサターン版をやった時も確かにすごいと思ったが、脳内で補完しないといけない部分がかなりあった。しかし、今やもう何の助けもいらない。見たままでエロが成り立っている。生地が厚い水着だとわからないが、生地が薄い水着だと乳首がわかる。ポリゴンでこういう部分にドキドキする時代がくるとはな。

しかも、そのグラフィックが生み出しているのは、完全リアルでもないし、デフォルメでもないという奇妙な世界なんだな。体はどんどんリアル人体に近づきつつ、顔はあくまでアニメ絵。現実の女性に置換できない。しかし、2Dデフォルメでもないその実在感。これはもう完全に独自ジャンルだ。本来だと変な話なんだが、オレにとっては顔も更にリアルなOPプリレンダムービーのキャラの顔の方が不細工なんだ。OPムービーでのキャラはいわゆるダッチワイフで、ゲーム内のキャラはとらのあな辺りで売っている等身大ドールだ。こうなると、クオリティアップを毎回喜びつつも、この先には多少の不安もある。DOAキャラ達は非常に日本的なんだが、黒人のリサが出てきたけど、DOAがこの後XBOXで展開し続けるなら、日本よりも市場のデカい北米は無視できない。本作も発売日は向こうの方が先立ったし。そうなると、顔も向こう向きにリアル指向になってしまうかも知れない。ヘタしたら、本作がDOAのモデリングの最高バランスだったという可能性もある。数年後には「ビキニカラテ」になってたりして。やだなぁ。外国人にOPムービーと本編とどっちのキャラが美しいと思うか是非聞いてみたいものだ。

結論としては、少なくとも、3D系のゲームでは今までで一番エロかった。もちろん、エロゲも含めて。やっぱり3Dは2Dと違って資金力がものを言う感じ。イリュージョンでこのレベルのモデリングを達成するのは何年後になるのやら。

まあ、もちろん、不満は一杯あるけどね。一番大きな不満は何より、オナニーに向いてないインターフェースだな。グラビアモードをいつでもどこでも発動させることができないし、時間も短い。見る時間ぐらい自分で決めさせぇ。しかもその短い間に両手を使わないとカメラを操作できないから、右手が空く暇がないね。ビデオに録るでもすればいいんかもしれないけど、それじゃあポリゴンの無駄だし。こんだけエロに特化したゲームでありながら、オナニーに使いにくいってのはどういうことなんだろうねぇ。まあ、DOAシリーズはいつもエロコンテンツは十分用意されているにもかかわらず、ユーザーインターフェースは頑なにオナニーに不向きにしてきたからなぁ。さながら、石板に印刷されたエロ本の如し。そういうところが何かまだ言い訳を残しているようでムカつくが。もちろん、これはエロゲではないので、別にそういうところが充実している必要はないのかも知れないが、自分らは「DOA2」でも裸かすみの隠しモードで遊んでいる訳だ。そして、それをユーザーが使えるようにすると訴える。ユーザーのチンポ握って金を出させておいて、射精はさせないってのは酷い話だ。

しかし、それでもやっぱり褒めるしかない。他にこんなアホなことやってくることありますかね?ザックの声、ロッドマンですよ。バレーの後ろでかかっている曲はスパイスガールズとかMAJAですよ。 こんだけ金かけて「OH!透明人間」を作る会社が他にどこにあるというのだろう。文句があろうが、ついていくしかねーよ。

 

 

DEAD OR ALIVE Ultimate
テクモ(2004)
コスプレ乳揺れ格闘ゲーム/ゲームA/精液−(顔−:口−)

みにくいアヒルの美しきドラマ性
〜私はいかにしてあやねに妄執を抱くようになったか〜



※注:今回は二部構成であります。前段は単なる恋文です。
キチガイに優しい人だけがお読みください。
「気色の悪い告白なんぞ聞きたくない!さっさとレビューを読ませろ!」という方、
下の四角を押してください。レビュー本編に跳びます。



30過ぎてから、電波の受信状況がよくってねぇ。

もうねー、知らない間に頭蓋骨が割れたか?というぐらい脳直でビンビンな訳ですよ。ドラマとかマンガとか見てても、すぐに「こいつはこういう奴に違いない!」とピピーンと来てしまって、それが自分の妄想と違うと「これは間違ってる!」となってしまう。だからして、エロゲをやっても、どうしても電波にジャマされてしまってね。「あゆみちゃんLABO」の余りに衝撃的な出来に、「本当はこうなるはずだった企画書」をこのサイトでぶち上げてしまった一件では皆さんおヒキになったことでしょう。レビューどころか、オープニングでもう彼岸まで妄想がぶっとんでゲームできねぇっす!

そこにおいて、格闘ゲームはオレのようなキチガイにはうってつけな訳ですよ。キャラ情報が少ない割にプレイ時間が長いので、プレイを通じて情報のギャップを脳内で埋めて自分の好きな人間像を形成できる。半分レディメイド・半分オーダーメイドの、この楽しきカスタムキャラ作り。もう愛着が違う。春麗などの格闘系のキャラが同人誌で長く描かれるのもわかる気がいたしますね。

オレにとっては、DOAこそがそういう一生モノのキャラゲーになってしまった。このシリーズは多くの作品を重ねてきたにも関わらず、毎回ストーリーやキャラ設定がスカスカなのだ。ある意味ユーザーフレンドリーというか、世界観の構築はユーザーの想像に任されている訳。シリーズ全作を追いかけてしまったオレにとっては、もうキャラ全員自分の身内みたいなもんですよ。ことに前作「DOAX」はビーチバレーゲームとは名ばかりの、実際は延々とキャラに貢ぎ物を捧げる作品だった訳だ。そんな苦行を何百時間もやったとなると、もう趣味だの好物だの誕生石だの皆覚えてしまうし、膨大なプレイ時間を潰して考えたキャラ妄想がそれにブレンドされて、「かすみは被害者ツラして楽してる無神経女」とか、「ヒトミはワキ毛を剃ってない」とかのオリジナル設定がどんどん肥大してくるのです。で、同じようにDOAをやってる奴と出会えば早速ファミレスに入って、

処女:あやね、ヒトミ、エレナ
非処女:レイファン、リサ
100人斬り:ティナ、クリスティ

処女を守るためにアナルは差し出す女:かすみ


というようなシンポジウムを開催しておる訳だ。なんつうかねぇ・・・・絶好調だよ!

格闘以外のプライベートシーンが多数挿入されるDOAXは、DOAにおけるキャラ世界を広げるのに強烈な影響を与えたが、特にオレが最も思い入れをもってキャラを作った娘がくのいち・あやねだ。あやねはもともとオレのお気に入りだったが、DOAXでいよいよ全開になってしまった。今や一番結婚したい女だな!こんなに愛しているのに、なんでテレビから出てきてくれない!?エルトンジョンの結婚なんか、全然ハードル低いやんけ。


どうして、DOAXであやねが圧倒的な魅力を獲得してしまったのか。

オレは常日頃からキャラ性の重要性を強調しているが、じゃあ、「魅力的なキャラ」ってどういうものなの?というものが何かと聞かれると、オレは「二面性」だと思っている。そもそも、キャラ性というものは技術的には「人間性を制限する」という方法で作られる。「人間的なキャラ」とか「生き生きとしたキャラ」というのは、人間を丁寧に描くことで作られない。むしろ逆で、人間のある一部分だけをひたすら強調し、他の部分を削っていくことでキャラはどんどんと輝く。人間というものはそんなに一気に情報を処理することができないので、一つのキャラに4つも5つも方向性を持たせても受け手は覚えきれない。人間的すぎて、むしろキャラの弱さに繋がる。極端な話、始めは1つの情報で始めるのだ。「女好き」なら、女を見た瞬間、その娘に向かって全力疾走するぐらいにまず設定する。

しかし、それではさすがに幾ら何でも単純すぎるので、そこにもう一つだけ要素を加える。それが「二面性」だ。メインのキャラの方向性を阻害する形で逆の方向性をキャラに混ぜておく。まあ、「弱点」と言い換えてもいい。例えば「女好きだけど、女に触ったらトラになってしまう」とかそういうことだ。キャラのメインの大きな流れと小さな反対向きの流れ。これぐらいなら、受け手もわかりやすい。そして更に、ストーリーや舞台設定がその相反するキャラ性と有機的に絡み合うように作る。「女好きだけど、ブスフェチの男が、美人ばかりの女子高の先生になる」とか、そういうこと。このキャラ性の二つのベクトルとストーリーの作る構図が、ドラマ性に関わってくる。「海賊になりたいんだけど、カナヅチの少年が、大海原へこぎ出す(ワンピース)」とかも一つの定石だろう。「アルプスの少女ハイジ」なんかは高度なキャラ作りで、「ものすごいいい娘」という一つのキャラ性だけ使って、シチュエーションによってハイジや回りの人々にとって良くも悪くも働くように巧く作ってあった。ドラマを力強く推進するためにキャラは単純化し、欠けた人間性はその「二面性」とストーリーの緊張感を使って描き、トータルとして「人間のお話」にする。それがオーソドックスな物語作りだと思う。もちろん、これはあくまで単純な模範例の一つ(ハードな巻き込まれ型ストーリーなどは選択肢を絞らないキャラ性の方がいい場合が多い)で、実際の手順は恐ろしく複雑になってくるので、なかなか理想通りにはいかないが。


そういうキャラを作る方向性が、DOAで一番良くできていたのがあやねだ。
そもそも、 あやねオフィシャル設定はこうだった。

「かすみと(異父)姉妹でありながら日陰の人生を余儀なくされる忍者」(キャラ設定)
「抜け忍のかすみを執拗に追ってDOAに最年少16才で参加」(キャラ設定)
「趣味はエステ」(キャラ設定)
「好物はマロングラッセ」(キャラ設定)
「あなたはいつもヒロインだった」(DOA2のセリフ)


これだけしかない。皆さんならどういう風にここから人物像を作りますか。エステ好きとかマロングラッセなんてもんはテキトーもええとこよ。中国出身のレイファンの好物が「杏仁豆腐」で、ドイツ出身のヒトミの好物が「ザッハトルテ」やで。DOAの設定っていっつも脊髄で決めたようなばっか!

当然、あやねはかすみに対するヒール役として登場し、抜け忍かすみを粛正しようとするテンパったくのいちだった。最初のあやねを形作っていたキャラ像は「表街道を歩く姉かすみに恨みを持っている不幸な育ちの妹」であり、「DOA3」に至っては、ダースベイダー化した育ての親を殺すというストーリーを展開。実の父も育ての父もラスボスという、その救いようのない暗黒人生が余りに気の毒で、それがプレイヤー人気にも繋がっていた。しかしこの時点まで、あやねは自分の未来に希望を少しも持たず、義務感だけで生きているような娘で、ただひたすらに暗かった。

そのあやねに大きな可能性を与えたのが、DOAXだ。「どんなところかと思ったけど、悪くないじゃない」と言って島に上陸するあやねは、意表を突くことに遊ぶ気マンマンなのである。浜辺で、プールで、ジャングルでくつろぎ楽しむあやね。そりゃ、あやねにも普通の16才の少女らしい生活がしたいという気持ちはあっただろうさ、しかし、今まではオフィシャルからそういう部分は提示されなかった。それが、ノベルティゲームのDOAXで、余りにもわかりやすい形で見せられてしまった。そのくせ、態度は相変わらず無愛想で余裕のない雰囲気そのまま。この弾けきれないアンビヴァレンツさ。同じヒール役でも、ほんまもんのおばはんアサシンのクリスティが同じことをしてもぎこちない雰囲気は出ない。それはもう人生を割り切っているからだ。年少で性格的な「遊び」が全くないあやねだからこそ、そのぎこちなさに割り切れない気持ちを見た。多分テクモのことだから、このあやねの態度も適当に作ったんだろうと思うが。オレが初登場の時から勝手に妄想していた「あやね=跳びたいけど跳べない女」という設定に、オフィシャルから確認が出た、と感じたのよ、電波で。

DOAXを見てオレはあやねのかすみコンプレックスを感じとった。

つまりだ。あやねは長年の日陰生活のせいで、姉・かすみに対してコンプレックスを抱き(「あなたはいつもヒロインだった」)、「私はどう逆立ちしてもかすみには敵わないのか?」という不安を抱いて生きている。かすみを憎み、殺そうとつけ狙うあやねは、その一方で、かすみが持っている輝きに対して憧れを持っているのだ。

(参考図は全て「あぷりおり」お絵かき掲示板での妄想電波垂れ流しシリーズの一部)

かすみは人生のみならず、精神的にもあやねをリードしている。育ちの抑圧のないかすみには複雑な心理構造がなく、圧倒的なマイペース人間。お兄ちゃん・ハヤテのことしか頭にないかすみは、行方不明のお兄ちゃんを追いかけて頭首の座を捨ててあっさりと抜け忍になってしまう。もちろん、あやねにとってもハヤテは兄であり想いをよせる大事な人であるのだ。だが、あやねはかすみの後を追って抜け忍になることはできない。それどころか、あやねはかすみとは逆方向の道を歩み、「深山の女天狗」なんて名乗って、姉であるかすみを抜け忍として処刑しようとするのだ。こういうところが、かすみとあやねの育てられ方の違い。あやねがやりたいことを堂々とやってのけるかすみと、そのかすみを追う忍者の里でがんじがらめのあやね。姉への愛憎の気持ちはいかばかりか。あやねのなかには「かすみみたいになりたい」という気持ちと「かすみみたいになりたくない」という気持ちが同居しているのだ。これがまさに、あやねを形作る「二面性」だ。かすみが憎い、でも、かすみは光ってるなぁ・・・。でも、今更もうかすみにはなれない・・・。そういうかすみの持つ世界への複雑な気持ちがDOAXでの態度に表れている。「かすみはヒロイン!私の持ってないものを全部持ってる!どーせ、私はなーんも持ってない!」というトホホ感に苦しむあやねの心を、DOAXでピョンピョンゲームをする姿にオレは見た!

そういうあやねの強迫観念の現れが、趣味・エステだ!コンプレックス満載のあやねは、美しくなるためというより、自分が醜いと指摘されないためにチェックを欠かさない。ムダ毛なんてもっての他!あいにく見たことはないがパイパンかもな!一方でワキ毛もほったらかしのヒトミというガサツ女もいるというのに(もうええって)。 エステに通っているくせに、他人から「かわいいね」と言われると「バカにするな!」って怒る女なんだ、あやねは。何と、せっぱ詰まった16才だろうか。

しかも、しかもである。DOA2でのストーリーモードであやねがかすみに負かされると、かすみはあやねに言い放つのだ

「あなたに私は倒せない」

かすみに猛烈な劣等感を持っているだろうあやねにとって、これほどガツーンとくる断定はないんじゃないだろうか。まさに姉妹の階級世界。よく考えてみれば、かすみは自分の責任をほったらかして、兄貴を探すためだけに里を捨てるんだ。あやねはかすみの粗相の尻ぬぐいをさせられている訳で、どうしてかすみは自分のせいでしんどい目にあってる妹にこういうセリフが言えるのだろうかと。謝りの言葉の一つもないのか(DOA3では一応あったが)。こういう部分にオレはかすみの無神経さ・・・もとい天真爛漫さを感じると同時に、あやねへのシンパシーを更に感じてしまうのだ。真面目な奴が損をする!おまけに、DOAXではゲームシステムとはいえ、あれほど反目してるかすみとコンビでバレーをさせられているあやね・・・。こういうところを見ても、あやねのへっぽこ臭というか。どうやってもかすみに頭が上がらない感じが見え透けて、非常に哀れで、可愛いのだ。

誰かあやねを救ってやってくれ!

という気持ちになるんだな。誰かがあやねに「お前はステキだ!」と信じさせてやらなければいけないっ。彼女の心の重しを取ってあげないといけない!誰がやる?オレだ!先に言ったように、格闘ゲームキャラってのは他のメディアほど情報量がないので、はっきりと設定の詳細を書いてない。与えられているヒントを頼りに自力で辿り着かなくてはいけない(妄想で)。人から与えられた設定と自分で見つけた設定では重みが全然違うんだ!当然、辿り着いた時には皆「これに気づいているのは、オレだけに違いない!」と思う訳だ。見事ストーカーの誕生ですわ!

好物のマロングラッセなんか、いつでも食べさしてやるがな。どうせ、忍者の里でロクなもん食べてなくって、栗がスーパーゴージャスおやつやったんやろ。皆まで言うんじゃない。そうに決まってる!

こんな感じやろ、多分。まあ、ラムちゃんとランちゃんそのものだが。オレはへっぽこ方面でしか妄想が広がらないのさっ。

そういう、かすみへの愛憎とコンプレックスが絡み合ったあやねの性格をちぃとも深く考えず、またぞろDOAものの同人誌とかあやねが学校でかすみを罠にはめて集団レイプさせる(その後自分もレイプされる)とかさせてるじゃないっすか。なんかねー、こういうのつまんないっすよ。仮にあやねがそういうことやるにしても、自分のカリスマを正々堂々じゃなく罠にかけるんだから、「こ、こんなことしていいのかな〜」という複雑な気持ちが見え隠れするはずなんだよっ(断定!)。後は単純に役割反転しただけの、かすみ攻めあやね受け凌辱とかねー。DOAものの同人誌は機械的なのが多くて萎えますな・・・。かすみは遊びまくってるに違いないという強迫観念で、自分もバージンを捨てようとトライ、しようとして予行練習をしている、と突然自分の容姿が気になりだして股間とかチェックしはじめる、ところをレイファンに一部始終見られるあやねとか、誰かやってくれ。







・・・ま、頭蓋骨の割れ目はここらで塞いで。新作「DEAD OR ALIVE ULTIMATE」だが。
最初に言っておくけど、格闘部分のレビューは一切ないです!


まずねー、価格で引いたよ。

とにかく、このシリーズを追いかけるのは、スナック通いと変わらん訳だ。ほんまに、なんで乳が揺れるのを見るだけに、こんだけ追っかけなイカンねん!オレなんかもともと格闘とかどうでもええんや。コスしか興味ねえし。コスだけに幾ら払ってんの。しかしなー、もうこんだけシリーズが続くとすっかり上に書いたようなキャラ愛が完成されてしまっていて、自動的に買うことになってしまっているのが悲惨だ。XBOXもDOAしかやらないことがわかっているのに、発売日買いしてしまったもんだよ。

しかし、いくら何でも今回の値段は高すぎる!リメイクですよ、リメイク。サターン版の初代DOAとPS2版DOA2をXBOXに移植してオンライン対戦機能付けただけやないっすか。それで価格が9240円(税込み)ですよ!ふざけんなっつうの。スナック通いは甘んじるとしても、もはや美人局やんけ!今回ばかりは大いに購入を迷った。しかし、オレには「あやねを救ってやる」という重大使命がある。オレは結局、薄幸のあやね嬢のために暴力違法パブの胴元板垣プロデューサーの軍門に下り、なけなしの生活費を切り崩してDOAUを買ったのであった。恐ろしい街だ、東京は!

まあ、これでも内容さえ良かったらいい訳よ。にも関わらず、しょっぱなからクソみたいなオープニングムービー見せられるとはな!ほんまサギみたいな話やで。「DOA2」のオープニングはかすみとあやねの子供時代を振り返ったものなんだが・・・顔がブサイクすぎんねん!なんかなぁ、あやねもかすみもこけしみたいな顔でさー、かねてっちゃんかと思ったぜ。DOAXのムービーも大概寒かったけど、この外注ムービーには全くセンスを疑うわ。ただでさえ高い買い物したかな〜と思ってるところに、このファーストパンチは萎える。

オープニングの時点で既にこけてる本作ではあるが・・・。この作品は買う人の条件によって大きく評価が分かれると思う。

DOAシリーズをやったことがない人なら、このDOAUははっきりいって買いだ。この価格でも絶対損はないと言ってもいい。とにかく絵面のクオリティはものすごいものがあるので、格闘に興味がないオレでも見てるだけで楽しい。いつもの多段ステージで下にたたき落とされる様子や新登場の階段を転げ落ちるステージギミックは、エフェクト満載でド迫力や。エレナの燃え落ちる劇場のステージはPS2版の同ステージとは別世界。まさにXBOXフルスペックという映像でエロ格闘が楽しめる。背景とヒトミ以外に魅力のなかったDOA3にDOA2とDOA1のコスが加わり、DOA2とDOA3の良いところを集めた「今までのDOA」の総集編的な作品になっている。今回不参加のクリスティのファンという奇特(!)な人はともかく、これがあればDOAX以外のDOAシリーズはもう必要ないだろう。オンライン対戦もラグなしでエラく快適らしいし。オレはやらないからわかんないけど。

しかし、実際問題として、この作品を買う人の多くはDOA2やDOA3をやったことがあるんじゃないか?何しろXBOXのソフトの売り上げの1、2位がDOAシリーズ作品な訳なんだから。そういう既にDOAを知っている人ばかりの市場に向かって出す作品として、このDOAUはどうなんだろうな?はっきり言って、DOAUにはオンライン対戦以外新しいものはまるでない。サターン版DOA1はほとんどベタ移植で1回やったらもう二度とやらないだろうし、DOA2もストーリーモードは全くPS2版と同じ。ヒトミが出ると言っても、ストーリーモードが追加される訳でもなく、タイムアタック等でゲスト的に出てくるだけやしなー。

コスのインパクトも苦労の割にイマイチで、 対戦目当てで買う人(いるのか?)はともかく、オレのようにエロコス目的で買うような連中にはちょっと微妙かも。今回のコスは数だけは多い。かすみやあやね、レイファンは20着ずつあるし、ゲストのヒトミでも14着ものコスが用意されている。しかしだ、数は多いがほとんどが色が違うだけの同じ服なんだ。色違いの重複を除くと、実際はその半分もないんだな。しかも、過去にDOAをやっている人にとってはほとんど知ってるコスばっかりで、見たこともないコスは15番目ぐらいからようやく出てきます、という感じ。後半のコスは難易度が上がらないと出てこないので、オレのようなヌルい奴は死ぬほど苦労する。それで出てくるのが前の色違いだったりすると、もう死にたくなるぜ!しかも、ヒトミでコス出しのためにタイムアタックとかやってると、対戦相手でヒトミが出てくると後で手に入れるはずのコスを既に着てたりするんだ!もうやる気もなくなるってなもんよ。

で、新コスもなー、燃えないんだよ。確かにテクスチュアは綺麗やし、かわいいんだけどさぁ。DOAXのレビューでも言ったけど、DOAシリーズのキモってのは「ミスマッチ感が生み出すエロ」なんだ。何でこんな格好で格闘するのよ?という、コスプレと乳揺れそして格闘の組み合わせがDOAシリーズの魅力だった訳だ。しかし、今回の新コスはオリジナルデザインとか私服が多くて、何のイメージも持っていない「ただの服」ばかりなんだよ。露出度が少々高かろうが、イメージが湧かない服だと何を着たところで「コス」にはならない。コスチュームというのは何かしらの既存イメージをしょっているからコスであって、そのコスの持つ記号と格闘のイメージの間の違和感が、インパクトが生んでいたんだ。サターン版やPS版でお馴染みのナースや着ぐるみ、ウェイトレスはなぜ復活してくれなかったのか?あれこそがDOAをDOAたらしてめていたコスだったとオレは思うんだがな。

発売前のオレの希望は「DOAシリーズの全部のコスを復活させて、更にキャラ同士で交換できる」というもので、もしこれができたら、リメイクであろうと価格1万円であろうと少しも不満はなかった。特にDOAXというほとんど全裸でバレーするという作品が出て、露出度的にはマックスを出してしまったので、メインシリーズにはそういうコスプレ方面への進化に期待してたのよね。コスのことばっかり言ってるけど、このDOAシリーズはそういうギャルゲー的エロゲー的要素で他の格闘ゲームとの差別化を計ってきたし、テクモという会社もそれを強調することによって、金を巻き上げてきた訳だ。エロ要素こそがこのDOAのスピリットなんだ!コスのことばっかり言って何が悪い!パンツの種類が多少多いみたいだが、それぐらいじゃあ納得いかんぞ、オレは!大体、パンツの柄を増やしたところで、毎度毎度の下半身にはズームさせてくれない仕様なんだ!オンライン格闘が余程面白いんかも知れないけど、オレにとっては 全くもって期待以下ですな!



・・・・・ ただねぇ〜。

・・・・・ただ、ある一点がねぇ。オレの文句を一気に歯切れ悪くしちゃうんだよ。乳揺れのことなんすけど。この乳揺れがねぇ・・・・何と、近年最高の揺れなんですよねぇ、これが。これはインパクトあった。相変わらず縦揺れだけで横には揺れないし、キャリバー2とかに比べたら全然リアルさに欠ける乳揺れなんですけど、シリーズ通じてずーっっと減退一方だった乳揺れが、本作では一気にサターン版に迫る勢いで揺れるようになった。あの別の生き物のようにおっぱいがむいーんむいーんと動いてる様が復活してます!貧乳レイファンですらギュンギュンですわ。つうか、やれるんやったら毎回やっとけよ!前作DOAXは露出度は増えたけどおっぱいも小さくなって揺れもほとんどなかった。で、本作は露出度とエロは大したことないけど、揺れ全開。何か、オレみたいな「エロがないと買わない連中」の心をパラメータ操作で操って、出し惜しみしながら金を出させてるやろ。あざといねん、こらぁ!・・・とはいいながら、あやねが唯一ときめくコスの裸オーバーオール(DOA1コスの復活)を着てこの揺れで暴れるのを見ると、一瞬「買ってよかったなぁ・・・」と思ってしまう自分が悔しすぎる。


結論としては、オンライン格闘をしない人、エロ目当てで買う人でも、まあ、買っても我慢できる作品。リメイクとしてはかなりいい出来。ものすごく丁寧に作ってあるし。テクスチュアは本当に進化してて、服のしわ一つ取ってもぐぐぐーとリアルになり、エロにも確実に反映されてる。これを見てしまうと、もう過去のDOAはできない。ただやっぱりリメイクはリメイクであって、この値段はやっぱり引っかかるよなあ。それだけの金とエネルギーが必要だったんなら、それこそ、その労力は「DOA4」のために使うべきだと思う。この作品は内容的に攻めの部分がほとんどない。ステージの作り込みや、パンツのガラも、結局のところ微調整の範疇だろ。せめて、DOA4に出てくるであろう新キャラ・リサ、もしくは意表を突きまくって「NINJA GAIDEN」のレイチェルなんかが格闘参加してくれたら、「4」への橋渡しとしてかなりワクワク できただろうに。

だが・・・少なくとも、オレのようなエロ目的の人種にとって、「買わなかったら心残りがある」というぐらいの作品ではあるだろう。それが「我慢できる」という評価の根拠でもある。常に不満はあるんだけど、買わなかったら買わなかったらで引っかかる。そして、その理由を辿れば、それは常にエロ!今回もこの乳揺れを見れたからいいか、と何か満足してしまった。この乳揺れが果たしてビッグカメラで8300円も払う価値があるものなのかと言われたら、それはわからない。しかし、この乳揺れを見られないでモンモンとするぐらいなら、少々高くても買った方が精神衛生上いいのだ。だって一度チンポが勃起してしまったら、もうズボンにはしまえないもんね!まさに風俗営業の世界。こういう憎たらしいエロ提灯を使って、テクモはコンシューマーでもパチンコでも巧くやってる。仮に次のDOA作品で乳揺れが減っても、テクモはきっとまた何か気になるエロ要素を適当に入れて9000円超で売り出すだろうさ。そしてオレ達は買う。例えアメリカではもっと安く売っていたとしても(DOAUはアメリカでは売価50ドル)。こういう商売方法が、DOAファンのテクモに対する愛憎に繋がっているのかも知れないね。

ただ、DOAXのレビューの締めの繰り返しだが、一般ゲームでのエロは今はテクモの独占状態なので、文句があっても他に移れない。ドロレス導入で今話題のコナミの「ランブルローズ」もPS2である以上、画面のクオリティではDOAに敵わないだろうし、「ソウルキャリバー2」も圧倒的なリアルな乳揺れを達成したが、あいにく顔がブサイクだった。そういう環境的なアドバンテージで、DOAのエロ格闘界でのプライオリティはまだまだ崩れないと思う。歴史もそれなりに長くなってきてプレイヤーのキャラ愛の蓄積も出来てきているので、こんなエロの切り売り商売でもこの先も十分やっていけそうだな。オレもあやねが出てる限り買っちゃうだろうさ!全く!


(再び前置きの続き:)


しかし、DOAはどんどんあやねが中心になってきたな。オープニングムービーでも完全にかすみよりあやねの方が立ってた。子供時代の大映テレビさながらの不幸展開は余りに予想通りで笑ったけど。まあ、お兄ちゃんにもう会えてしまっているかすみに比べると、あやねの方が持っているドラマが大きいから、作り手的にもあやねをフューチャーせざるを得ないんでしょうけど。一方レイファンはコスも色違いばっかりで、何だか扱いが低いような・・・普通の格好ばっかり。珍奇服といえばレイファンだったのに。DOA4ではヒトミの方がコス数増えてるかもね。あやね・ヒトミら後発組が元気よくて、かすみはともかくも、レイファン、ティナのオリジナルメンバーの影が段々薄くなってるのがちと寂しい。ティナに至っては「豚」とか酷いこと言われているし。レイファンはルックスはものすごくいいんだから、DOA4で何か新しい設定を作ってテコ入れしてあげるべきではないだろうか。

しかし、新しい設定を作られるのはオレのような妄想を強固に固めている人間には善し悪しで、新作が出るたびに自分の妄想設定との食い違いがでないか戦々恐々。テクモはあやねとかすみをフューチャーした「コ−ドクロノス」なんて作品を再来年ぐらいに予定してるけど、これなんか超危険信号。またもやDOAシリーズお馴染み、民話的適当ひねりなし展開が待ってるに決まってるから・・・。まじでかすみを罠にはめてレイプしてもおかしくないような女にあやねが描かれたら、もうオレの知ってるあやね(キチガイそのもの発言)じゃなくなっちゃうよ!まあ、何とか切り抜けるがな。DOAXでも、バスト93センチというには余りに小さいあやねの胸を見てもモデリングが手抜きとか言わず、「あやねはきっとかすみに差を付けるために、見栄をはって詐称申告しているに違いない。かわいい奴め」とかデッチ上げてるから。

ただ!初回特典のデスクトップアクセサリーのあやねのシステム音だけは脳内補正できない!あやねが「ぼよ〜ん!」とか言うかよ!彼女がこんなストレートにバカやる訳ねぇだろ!「ぼ・・・ぼよーん・・・」ならわかるけどさっ。これは偽者に違いねぇ!こりゃ、かすみの陰謀だよ、陰謀!

おっと、また頭蓋骨が割れてる。

 

 

RUMBLE ROSES
コナミ
2005
恥辱責めキャットファイト格闘/ゲームB/精液−(顔−:口−)

コナミ発の女子プロレスゲーム。強く、激しく、美しく。華麗なるディーバたちの戦いのゴングが今鳴り響く!

・・・・DOAファンによるRR感想文・・・・。

DOAUのレビューの時に書いた通り、「エロ格闘」というジャンルに置いて、「DEAD OR ALIVE」とテクモの独走ぶりというのは際だっている訳だ。DOAが生まれてもう10年近く(ええ、もうそんなに経ったんか?)が経とうとしているにも関わらず、明確な2番手すら現れないのだ。生き馬の目を抜くようなゲーム業界で、こげな長期間、ここまでの1人勝ちを許されていいのだろうか。その余りのあざとさが、逆に回りのブランドに同じことをさせない牽制球になったのか、DOAとテクモは日本のエロ格闘において、長年オンリーワンの存在だった。何しろ最大の競合他社がイリュージョンだもんなぁ。

しかし、それゆえのテクモの鼻持ちならない胴元ぶりはすごい訳で(詳しくは上のレビューの後半部参照)。KOFどころかスパロボですら乳揺れ実装するなか、小出しなエロ要素を加えるだけのクソ高いリメイクを売りつける。実際はもうさほどでもないエロの「イメージ」を担保にしたその商法(とそれにあっさりと白旗を揚げる自分自身!)に多少のわだかまりを感じない訳ではなかった。決して作品の出来が悪い訳ではないので、一秒でも早く潰れろ!とか一時期のソニアに対するような怒りではないのだが、少なくとも・・・

そろそろDOAにはお灸が必要なんではないだろうか?

ぐらいの気持ちはある訳ですわな。オレは、DOAに酒井若菜とか優香みたいな水着から厚着へ的展開はちぃとも望んでない訳で。いついつまでもイロモノであることを忘れて欲しくないのですよ。しかし、ガチンコを挑んでくる競争相手がいない現在の状態では、なかなかケツに火がつかん。ぬるま湯にひたった今のDOAには強力ライバルが必要なんじゃ。

そして、でっかいお灸が遂にやってきた。

それがこの「ランブルローズ(以下、RR)」だ。アメリカンプロレスをモチーフに、ディーバ達の戦いをフューチャーしたプロレスゲーム。登場キャラは女ばっかり10人。それがキャットファイトを繰り広げる訳だ。もう発売前のデモやスクリーンショットの時点から飛ばしていた。豪快に全方位に揺れる乳。趣味性も露出度も大いに高いコスチューム。PS2としてはかなり美しい画面のなかで、半裸の娘たちが組んずほぐれつする様子はインパクト十分。そして、とどめに泥レスまで採用だ。「遊びはドラマチックに進化した(DOA3)」みたいなしゃらくさい前置きはない。まさに「見たいもの見せましょう」だ。オレは長年妹からレンタルしてたPS2本体を返してしまったんでプレイを諦めていたんだが、回りの連中が楽しんでいるところを見てるともうガマンできず、近くに住んでる友達からPS2を強奪してやっちまった。必死。

まあ、既にやりたい奴はひと盛り上がりした後だと思うので、今更レビューを書くのも恥ずかしいのだが。やってるうちに言いたいこと沢山でてきたので心の思うままに垂れ流すことにする。まあレビューというより、DOAファンから見た比較エッセイだと思ってください。


エロのみに論点をしぼれば、このRRはエロ格闘史上最高の作品であると思う。オレは一般ゲームでも「エロい」と話題になった奴には積極的に飛び込んで行ってるが、このRRは一般ゲーム界では別格的なエロ度を装備している。DOAなんか全然比べものにならない。確かに、絵面はXBOXを見慣れた目にとってはかなり寂しく映ってしまうんだが、このRRはそのコンセプトにおいて、他のどのゲームよりも方向付けが強力である。すなわち、このゲームは、

「女の子に恥辱を与えること」

が主眼なのである。

このゲームは格闘とは言ってもプロレスゲームであるので、ヒットポイントとかがある訳ではない。現実のプロレスと同じように、勝負はフォールかギブアップで決着する。ここまでは普通である。そこにもう一つ、このRRには特別な勝負の終了方法がある。それが「HKO」だ。 対戦相手に攻撃を仕掛けると、技によって「相手の羞恥心」に訴えるような技があるのだ。その技がヒットすると、ハートマーク型の恥辱ゲージが上昇してく。それを満タンまで貯めると、対戦相手の顔が赤面して「屈辱状態」になるのだ。そこですかさず繰り出すのが、「HUMILIATION MOVE」という屈辱度満点の必殺技。大股開き等、要するに恥ずかし固めをお見舞いする訳だ。相手は「やめてー!やめてー!」とほぼ一発で撃沈だ。これが「HKO」ことHUMILIATION KOであり、このゲームの最大のフックだ。H-MOVE発動の画面はかなりのインパクトがある。強い女が大股開きで赤面する・・・その昔、永井豪のけっこう仮面を見た時のメモリーが色鮮やかに蘇るっ。

しかも、関節技や必殺MOVEをかけている間は画面横にカメラのアイコンが出て、その間はカメラを自由に回して苦しむ相手の様子を見られる。要するにそういうゲームな訳ですわ。このH-MOVEを頂点にして、この作品は痛めつけられる娘の反応が印象に残るように作ってある。関節技一つかけても、「うぅ・・・ああ・・・いたぁい・・・!いたぁぁいぃ・・・!」と妙に耳に残る艶めかしい声を出す。やられる表情も豊かで、もうエロすぎですわ。さらに用意周到なことに、凶器攻撃にムチとかある訳。それで相手をシバくとバンバン恥辱ゲージが上がって・・・もう、そのまんま。ここまであけすけでいいんですかねぇ。もうひたすらH-MOVE!とにかくH-MOVE!そして女の子が嫌がるところを凝視する。これを繰り返すのみ!こういう楽しみ方をするのは、オレが下劣な人間だからではないっ。下劣な遊び方をせよとゲームが要求してくるのだから、仕方ないのだ!そうさ!

とにかくエロに関しては、この作品はサービス満点。・・・いや、満点以上かもしれない。泥レスモードもその大サービスの一つの例だが、もう一つのサービスに、属性システムがある。これは一つのキャラでベビー(善玉)とヒール(悪玉)の2つの属性を持たせるところというもので、ゲームを進めていくと、それぞれのキャラの裏キャラがプレイできるようになる。例えば、メインヒロインのベビーフェイス・零子が、裏モードでは落ちぶれてレザーのつなぎをヘソまでファスナー下げて闘うヒールになってる。逆に表ルートでのやさぐれキャラが裏モードでは更正していたり。これも、発売と同時にノベルティソフトも一緒に作ってるようなもんだ。更に、試合前の入場シーンのキャラ交換ができたり、プロフィールページで浜辺で寝そべるキャラ達をのぞき見できたり、まさに至れり尽くせりである。ここまでやってしまって続編作る時伸びしろあるんか?と心配になるぐらいである。次は三角木馬乗せデスマッチぐらいやらないと、満足できないのではないだろうか。

コス面においても、ゲームシステム面においても、ユーザーインターフェース面においても、驚くべき充実ぶり。最近のDOAでオレが(エロ面で)不満に思っていることがRRでは全て達成されている。あっちが出し惜しみしていることを、こっちは1作目にして全てやっておるのだ。まさにおつりなし。つうか、こんなゲームが出る時が来たのかい。これはもはや、エロ格闘ではなく、格闘エロだ。「エロもあります」じゃなくて「格闘もあります」という感じ。エロゲとどう違うんだ。今まで単に露出度が高いゲームってのはあった。「スーチーパイ」とか、「ファインドラブ」とか。しかし、あれはあくまで裸体が見られるというだけだ。DOAにしても、「DOAX」を出すまではあくまで正当格闘が建前だった。しかし、このRRは「エロ行為」をゲームシステムの大きな柱として前面に押し出しておるのだ。こんなゲームをコナミが作って、堂々と売り出すとは、何とまあスゴイ時代やなぁ。キンタマリオとか「ゆうべはおたのしみでしたね」ぐらいの下ネタで喜んでいたあの頃はもう2000光年の彼方だわ!まあ、エロゲカウントダウンに来るような方は、一度はどっかでプレイしておいた方がいい作品だとは思う。特に、「うぅ・・・・・・!いたぁ・・・・!いたぁい・・・・!や、やめて!やめてよぉ!」と堀江由衣の声で悶え苦しんでもらいたいという方向性の欲望のある方なんかには、猛烈にお奨めできる作品だろう。


とまあ・・・論点を単にエロに絞ると、相当いい感じの本作であるが。


それじゃあ、この作品は最大の競合ソフトであるDOAを越えたか?と言われると、個人的にはまだまだ全然である。このRRのストーリーは完全な終わりではなく、ヒキで終わっていて、モロに「2」を作りますよ〜という感じになっている。つまりシリーズ化を見越している。実際、結構売れてるみたいだし、続編作成は確実だろう。しかし、じゃあ、この作品が3作4作と続くシリーズになり、熱心なファンも付き、同人誌やフィギュアもすごい人気で・・・みたいな感じになるかと言うと現時点では不透明である。

確かにこの1作だけ見たらDOAよりも遙かにエロいし、その割り切りぶりにも期待は持てる。ただ、この作品は現時点で小さな問題と大きな問題が一つずつある。

小さい方の問題は、ゲームとしてつまらんこと。

とにかく、かったるいゲームである。オレはゲーマーではないし、プロレス好きでもないから、そのどっちかの人ならこのゲームは面白いのかも知れない。しかし、オレはゲーム始めて間もなく作業になった。プロレスというのはお互いの意思疎通のもとに技のかけあいを魅せる競技であるから、逆に言うといつでも技がかかっちゃうんだ。だから、勝とうと思えば簡単に勝ててしまう。しかも、その技も、大枠において全員プロレスラーな訳だから、技の幅が少ない。同じボタン押してりゃ、何となく同じような結果が出てくる。こうなると攻略性はなくなり、同じ事を10キャラ分繰り返すだけ。するとH-MOVEとクリア後のおまけしか興味はなくなるから、それだけに特化したプレイしかしなくなる。最初から最後までRPGのレベル上げやってるみたいなもんだった。キャラの入場シーンに比べて、試合中の動きのバリエーションもどのキャラも差違がなく、目にも脳みそにも非常に退屈・・・。何となく、「やったことないけど『ラブ・アッパー』とかってこんな感じなんかな〜?」って思いながらゲームやっとった。脱衣麻雀の方がまだオモロイのではないだろか。

まあしかし、これはどうでもいいと言えばど〜でもいい。オレはエロゲーマーなので、ゲーム性に関してはめっちゃ鈍感なんで・・・一応ゆってみただけよ。問題はもう一つの方。

大きい方の問題は、メインヒロインの不在

こっちの方は結構痛いぞ。ある世界観が成功するには、その世界の魅力を体現したキャラクターが不可欠。それは全てのエンターテインメントに言えることだと思う。1発ネタで食い込めるのは最初だけで、それがシリーズとして成功する鍵はキャラが握っている。特にエロの場合っ。一般ゲームは、システムの革新性があればキャラ無しでも引っ張れるが、このRRのようにエロがフックの作品では「エロの対象になる人物」が特に大切である。それはエロゲに日々親しむ、うちのサイトの来訪者の方々ならよくご存じでしょう。エロは強力な動機づけであるので、どんなクソゲームであってもエロCGを全部見るまではゲームは続けられる。しかし、魅力的なキャラがいないエロゲは全てのCGを見た瞬間一気にどうでもよくなるでしょう。「あー終わった終わった」ってなもんですよ。フォスターの「花の記憶」なんて、何作続こうがどうでもよかったでしょうが。エロが終わった後が問題だ。

このRRも、エロシーンを大体見たら急速に興味が薄れてしまう感じがある。それはヒロインにいまいち魅力がないからだ。特にメインに近くなればなるほど、だ。「オフィシャル公認」のメインヒロインの日ノ本零子、そしてデキシー・クレメッツという二大ヒロインがいきなりどっちもかわいくない。いや、ルックスはいいんだけど、それ以上じゃあないんだ。ゲームが終わったら忘れて結構的な存在でしかない。これはシリーズを続けることを考えると致命的である。そもそも、このメインヒロインを筆頭に、オレにはこの作品に出てくるキャラの多くがRRに必要なヒロインの条件を満たしてないように思えるんだ。

RRに必要なヒロインの条件?それって何だ?それは、

「HKO食らわせがいがある」

この一点であろう。RRの最大のフックであり、この先も皆の期待を集めるシステムは間違いなく「H(屈辱)システム」である。これがなきゃあ、平凡なゲームだ。だからして、この屈辱システムを最大限に生かすという観点から逆算して考えれば、どういうヒロインが必要か、自ずと答えは出てくる。

エロは落差である。これはもはやユークリッド幾何学以上の宇宙の真理であると言ってもいい。従って、屈辱でエロを出そうとする場合、屈辱から遠いキャラほど爆発力があるのだ。それは他ならぬこのRRをやってみると一目瞭然。このゲームでHKOをやってみたいと思うキャラってのは実際2人しかいない。それはくのいちの紅影と女教師スペンサー先生だ。この2人は他のキャラと違い、ランブルローズの舞台と全く別の目的で活動しているキャラ。この舞台に望んで参加してないのだ。スペンサー先生なんかはクソ真面目な教師で、プロレスなんかもっての他な人。だからこそ、リングに上がって衝撃的なHKOを受ける価値があるんだ。忍者の里から初めて人間社会に出てきたようなツンデレ忍者・紅影が受ける大股開きは、ミニスカ履いてストリートで遊んでるイケイケキャラ・キャンディの受ける大股開きとは重みが違う

こういう考え方でもってRRのヒロイン達を見渡してみると、この2人以外の娘達はHシステムに対してハラをくくっているというか、ランブルローズのシステムを受け入れて参加してる。あまつさえ、自分自身の魅力にも十分自覚がある。万が一大股開きをされてもいいように、下の毛の処理ぐらい前もってしとる訳だ(妄想)。H-MOVEが来たら来たで仕方ない、要するに「カマーン!」状態な訳である。まあ、あんまり嫌がって凌辱ちっくになると倫理的にマズいからこういう雰囲気になっているのかもしれないが、日本人男子にとって多分に洋ピン的なトゥーマッチ、トゥードライな世界であると言える。日本人のエロ観ってのは昔も今も「いやーん!」な訳である。カマーンエッチは結果はてっとり早いが、妄想力をまるで刺激しない。

ここでDOAに目を移してみると、DOAはそういう日本人的なエロ価値観を体現したヒロイン・かすみを生み出してシリーズものとして大成功してる訳だ。かすみは、あれほどのエロ乳とエロコスを誇示しながら、キャラ性は全く持ってエロとは遠いところにいるのだ。かすみ本人は自分がエロいことを行っているとは露ほども気づいていない(まあ、オレは別の見解があるにせよ)。その真面目さと素朴さ、そして人生の不幸さのおかげで、かすみはDOA2で全裸で出現しようと、DOAXでクレイジー水着を着ようと、依然として「可憐さ」や「はかなさ」を失わない。要するにエロによって使い減りしない訳だ。エロ性と女神性が巧く共存したこのかすみあってこそ、DOAはシリーズとして成功した。そのテクモのキャラセンスはあやねやヒトミ等の新キャラに置いてもほぼ同路線で安定しており、プレイヤーにもすんなり受け入れられている。どいつもこいつもあれだけパンモロでエロ格闘をしながら、エロにまるで免疫がなさそうな連中ばっかりである。猥談なんかもっての他っ。これまさに「いやーん」的キャラ作りだと思う。一方同じDOAでも、海外市場用なのか「カマーン」度を高めて上昇志向の強いモデル女になったティナは、日本人プレイヤーに「ティナ豚」と呼ばれているのだ。その価値観は冷徹なまでにはっきりしている。

DOAと同じようにやる必要は全くないが、このRRがシリーズとして日本でも成功するためには、日本人好みのバックボーンを持ち、ランブルローズのドライな世界から距離のあるキャラの配分をいくらか増やさなくてはならないと思う。人前にほとんど出たことのないロングドレスの深窓の令嬢とか、いつも和服の喪服を着てる暗い美少女、みたいな奴だよ。しかも、限りなくメインに近いキャラで。くのいちや先生は良かったけど、この人らはあくまで年上組のサブキャラであって、ここにすごいのがいても作品の象徴にできない。2大看板キャラの片割れの牛飼い娘デキシーは海外用に譲るとして、日本人の零子のキャラ設定は日本向けに大幅にテコ入れする必要があると思う。少なくとも、H-MOVEに強烈な拒否反応を示してくれそうなキャラにしてくれないと。レスリングの素質は抜群だけど、ランブルローズの形式をどうしても受け入れられなくて、長袖ジャージで出場するとかさぁ。これだけで、H-MOVEを見てる時の気分は大きく変わる。大体、零子の声に日高のり子を採用してる時点で、作り手さんの感性には大いに疑問があるがな!21世紀にギャルゲー的に展開しようという作品のメインヒロインの声が南ちゃんて!新宿コマ劇場のメインヒロインちゃうんやで!もう1人の重要人物のはずの、堀江由衣が声やってる柔道娘も秋ナスみたいな顔した気色の悪い女やし。せっかくほったんが声やっても、声当ててる相手が野菜じゃあ萌えようがないやろ。同じ堀江由衣+胴着キャラでも、DOAのヒトミとRRのこの娘の出来上がりの差には愕然ですわ。サブキャラの方がよほど見た目が良い。勝負キャラに対するこの仕上げ方を見るにつけ、このゲームの未来どうなのよ?という感じはあるわな。


要するに、このゲームはオカズは揃ったが、ご飯がまだ炊けてないという表現がピッタリであろう。各要素はふんだんに整っているが、全てのファンがその下にまとまれる芯が通ってない。この作品の場合、その「芯」はキャラな訳だが。世界観と言い換えてもいい。キャラや世界観にフックがないエロゲは、エロをインフレさせることでしか興味を繋げない。しかし、このRRが一般ゲームである限り、限度がある。いくら過激になってもリング上でダブルフィストや小便浣腸はできない訳である。そもそもエロという土俵においても、XBOXに移籍してからのDOAはユーザーの手で凌辱的解析がほどこされ、ゲームから抽出したモデルをPOSERにぶち込んでSMプレイをさせるまでになっているのだ(その後、ポリス沙汰に)。エロ重視の勝負においてもDOAは手強い。RRもエロを絞ってキャラ中心に移行しないといけない。このRRがシリーズ作品として成功するかはゲーム性やエロ要素以前に、「メインヒロインがメインヒロインとして輝ける世界を作れるか」というところにかかっているだろう。零子(ないしは年少組の誰か)がルックス性格ともにヒロインとして成長し、エロ要素が順調にパワーアップした状態で、続編をPS3の次世代ヴィジュアルクオリティで炸裂させることができれば、この作品は正真正銘DOAのライバルになる・・・・はずだ。なってもらわないと困りますわ。DOAX2のためにも。