〜生ハム〜
肉屋さんかスーパーでミートネットに入れるのにちょうどよい形の肉を選ぶ。肉に血や汚れがついていたらきれいに洗い流し、清潔な布巾かペーパータオルで水分を拭き取る。
脂肪が多すぎる場合は取り除く。脂が多少ある方がハムにうま味が出てくるので少しは残しておく。
肉に塩やスパイスがよく染み込むように肉全体を金串や肉刺し器、あるいはフォークで刺す。特に脂肪は塩の作用でハムの熟成を促し、風味が出る部分なので十分に肉刺しをする(ベーコンの作り方の写真を参照)。
肉刺しを終えたら、塩、砂糖、スパイスをすり込む。黒コショウあるいは白コショウがなければ、そのどちらかでもいい。ローズマリーは特になくてもいいが、肉の嫌な匂いをけしてくれる。ローリエはちぎって肉全体に張り付けるようにする。その後はポリ袋に入れて冷蔵庫に2週間くらい寝かせる。
ポリ袋から取り出した肉は、スパイスなどを洗い流し、流水が直接肉にあたらないようにして1時間半ほど塩抜きをする。
塩抜きを終えたら、肉を清潔な布巾かペーパータオルで拭いて水分をできるだけ取り除く。その後はさらしのような布にくるんで冷蔵庫に入れ10時間おいて肉を落ちつかせる。
冷蔵庫で肉を落ちつかせた後は、ミートネットにいれる。ネットは伸縮するので大きな肉でもキュッと押し込むことができる。ネットの片方をタコ糸でしばり、肉を押し込んだ後は口をしばりフックに吊す。
写真左側は豚ロース。右側はもも肉。どちらもそれなりにうまい。
生ハムの楽しみ方はいろいろだ。ホテルなどのパーティではメロンを包んだ生ハム料理が出てくるが、あれはあれでうまい。ただ、メロンをいつも食べるわけにはいかない。米沢で一番と思われるイタリアレストランは熟したトマトだった。これもうまかった。
ヨーロッパをバックパッキングで旅行した学生時代、生ハムを挟んだバケットをよく食べた。パン屋さんで頼むとすぐに作ってくれた。しかも安い。塩味のほどよくきいた生ハムとバケットの取り合わせは絶品だった。ワインでもいい。ビールでもいける。アルコールの駄目な方はコーラーをおすすめしたい。コーラーがこれまたよく合う。
下処理→ 塩漬け(2週間)→ 塩抜き(1時間半)→ 冷蔵(10時間)→ 風乾 / 薫煙(2週間)→ できあがり
* 生ハムは基本的作業の流れに「冷蔵」が加わります。
■豚ロース肉(又はもも肉) … 1kg
■塩 ……………………………… 50g
■三温糖 ………………………… 15g
■黒コショウ(粗挽き) ……… 適量
■白コショウ(粗挽き) ……… 適量
■ローズマリー ………………… 適量
■ローリエ ……………………… 5枚
塩漬け方法:
ふり塩法
下処理
塩漬け(2週間)
塩抜き(1時間半)
冷蔵(10時間)
風乾 / 薫煙(2週間)
外気温摂氏10度以下で1日風乾させる。その後、摂氏15度以下で2時間くらい薫煙にかける。スモークウッドを半分に切って使えばちょうどいい。この風乾と薫煙の作業を2週間くらい続ける。風乾/薫煙の温度はできるだけ低い方がいい。この温度管理は厳密にすること。外気温が高い地方では冷蔵庫を活用する。昼間は冷蔵庫に入れておき、夜に薫煙 / 風乾をするといいかもしれない。
4日〜5日たつと表面が乾燥してくるし、薫製色になってくる。そうなったらウイスキーを刷毛などで表面にぬる。こうしておくと滅菌効果があるし、風味がましてくる。
できあがり
生ハム作りは1ヶ月くらいかかるが、冷蔵庫で熟成させる時間が長いだけで、実際の作業時間はそう長くない。手間暇かかるようで意外と簡単にでき、高級感があって味わい深いのがこの生ハムだ。お客様をもてなすにはもってこいの一品だと思う。ぜひ作ってみてください。
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