明細書作成演習発表要領

弁理士 遠 山  勉


明細書作成演習の目的と評価ポイントに、適切な発明の保護を確保するために出願人に負わされる責任や義務は、次の通りである、として、
 @ 発明が実在することの立証(実施例・臨床試験等)
 A 適切な情報開示(第3者の利用への便宜)
 B 要求する権利範囲の特定
 C 要求する権利範囲が適切であることを立証する証明責任

ということを掲げました。

 @Aは、静的分析を丁寧に行い、その結果を記載すれば足ります。
 Bは、動的分析による水平方向への拡大と上位概念化、及び
 特定の作用効果を切り口とした構成要件の取捨選択、
 により可能となります。
 Cは、Bで水平方向、上位方法に拡大した発明の、サポート要件を補完することです。この補完は、拡大部分についての
 実施可能要件(上記A)の補完にもなります。

 そこで、発表にあたっては、
(1)静的分析の発表(どのように分析したか、分析にあたって困ったこと、考えたことはあるか)
(2)動的分析の発表(どの構成要素をどのように拡張したか、どの作用効果に着眼して
必須要件を選択したか、その結果、いくつの発明が存在していることに気がついたか。
副次的効果→副次的目的は発見できたか)
(3)クレーム発表 動的分析の結果をクレーム化するにあたって考えた点、表現に困った点など
(4)全体の感想(分析手法は理解できたか、特に権利一体の原則と構成要素の関係など)
等を柱にしていただければと思います。