「時刻認証サービス」のお知らせ
e-timingによる電子データの証拠作成方法
弁理士 遠山 勉
2004年5月12日(2007年7月5日改訂)
ITが普及した今日、電子データを証拠としてどのように保全すべきかが問題となってきています。
ここでは、安価に証拠を作成できる時刻認証サービスを紹介したいと思います。
電子データの証拠法上の取り扱いについては、別稿ですでに紹介しましたが、そこで問題となるのは、もっぱらその形式的証拠力(改ざん)の問題です。改ざんを防止し、形式的証拠力を保全するため、確定日付の取得が重要となります。その手法として、電子公証制度の利用と時刻認証サービスの利用とがあります。
(1) 電子公証制度
形式的証拠力を確保するためには、電子公証制度を用いるのが最も確実です。電子公証の依頼・作成方法等の詳細は、日本公証人連合会のホームページをご参照下さい。コストは700円です。
http://www.koshonin.gr.jp/TOPICS/topics20.htm
http://www.koshonin.gr.jp/noframe/TOPICS/topics11.htm
(2)「時刻認証サービス」
これはアマノ株式会社(http://www.e-timing.ne.jp/)より販売されているソフトウェアでAdobe Acrobatを併用するものです。
そのしくみについては、http://www.e-timing.ne.jp/tsa/index_c9_info.html に詳しく記載されていますが、その概要をご紹介しますと、次の通りです。
まず、証拠として残したい電子データをAdobe AcrobatでPDF化しておきます。タイムスタンプを押すPDFファイルに対して、ドキュメントダイジェスト値(ハッシュ値
※注1)が計算され、これを、暗号化通信でアマノタイミングセンターへ送信すると、タイムスタンプの生成要求がされます。センターのタイムスタンプサーバ内では、時刻情報とドキュメントダイジェスト値に対して電子署名が生成され、タイムスタンプとして要求元へ返信されます。返信されたタイムスタンプは印影とともにPDF文書ファイルへ埋め込まれます。
改ざんの有無は、アマノタイミングセンターへタイムスタンプ情報を送信することで検証されます。訴訟時おけるシステムの検証にあたっては、株式会社アマノが全面協力するとのことです。
コストは、1件20円(2007年7月現在8円にコストダウンしたとのことです)で、一つのPDF文書に複数の異形式データ(ワード文書など)を添付書類として付属させれば、複数のデータをわずか20円で時刻認証できます。