初春のニュージーランド アルプス街道
ミルフォードサウンド(ミルフォードロードを越えてミルフォードサウンドクルーズ)

9月22日



 今日は一日オプショナルツアー、ミルフォードサウンド観光だ。7時前にロビー集合ということ昨日買ったヨーグルトとトマトジュースごくごく、防寒対策整えて部屋を飛び出す。男性陣とはロビー待ち合わせの約束で他の方もほぼ見えているのに現れず、やきもき。微妙に遅刻だよ。係りの方見えているって・・・。
 
 ミルフォードはサザンアルプスを挟んでクィーンズタウンとほぼ同緯度に位置する。小型飛行機で山を越えると30分程度なので、この遊覧飛行を組み込んだツアーもあるそうだ。が、空を飛ぶのは天候次第とのこと。そこでメインのツアーはバスの旅となる。片道5時間強、ミルフォードサウンド内を2時間のクルージング、そして戻る所要時間12時間のもの。ティアナウを通ってサザンアルプスを回り込むV字型の運行だ。
 グレートサイツのバスに乗り込む。あちこちのホテルから三々五々バスに乗って大きなバスの座席がいっぱいになる。いよいよ出発だ。途中で休憩するとき他のバストも一緒になる。日本語ガイドさんのバスがもう一台、韓国語用で一台、英語圏の方で一台、計4台のバスがミルフォードに向かう。夏のシーズン中はさらに列をなすという。

 山の向こうのミルフォードの天気はわからないが、今日も天気に恵まれている。ティアナウをすぎるといよいよミルフォードロード(120km)だ。アルプスを越える峠道、山の向こうとこちら側では気象条件が異なる。ミルフォードの年間降雨量は6000mmを越え、少ない月でも400mmはくだらない、雨の降らない日の方が珍しいらしい。「今日が晴れているので景色のいいところでバスを止めて見ていただきます」のガイドさんの言葉通り、ミルフォードロードのあちこちでバスが止まる。

 まずはミラー湖、Mirror Lake。周囲の山が鏡のように湖に映り込む所からこの名が付いたという。本当に鏡のように見えるには、晴天、無風など条件が必要だ。路肩に止まったバスをお降り小道に入っていく。絶好の条件。湖面の文字が正しく「Mirror Lake」と読めるように逆さにおかれている看板の文字が、水面にきれいに映っている。湖面に逆向きのアルプスの山も・・・・。
 ここでも幸運にめぐまれる。もういうことがない。

 ブナの森のトンネルをくぐり抜け、ノブズラットに。ここにはDOCスタッフが常駐して国立公園内の展示もある。「ここまでバスで来て、この先通行止めでUターンすることもあるんですよ。来てみるまでわからないこともあって」とガイドさん。「実際先週の雪の間は当然通行止め、その後も雪崩で道路閉鎖があって2日前(っておとといのこと?)からまた通れるようになったんですよ。この先の道を行くとミルフォードに着きますとお話して帰ることもあるんです」
 わおっ!
 よかった、本当にラッキーな、信じられないくらい天候に恵まれて望んだ行程が実現していくよ。
 草原と山のコントラストの景観。

 道が進むにつれて山々の険しさが増してくる。U字谷と切り立った岩肌、岩にかかる雪。雪崩の後もくっきりと残り岩のあちこちから雪解けの水が滝となって流れ落ちる。10%の急勾配のダーラン山脈を抜ける1219mのホーマートンネルは真っ暗で岩がむき出しで幅も狭い。窓のすぐそばの突き出るような岩はスリル・スリル。かつて1000mの氷河が通っていったというクレバー渓谷、急流による浸食で変形してしまった奇岩が不思議なキャズム、など、見所がたくさん。年間を通して降る雨でシダ類なども大きく大きく育っている。
 私たちの乗ったバスは、その名の通りGreatsightsな作り、バスの天井と側面の一部がすべて透明な窓ガラスになっている。バスにお覆い被さるようにしてそびえる山々も、茂った木のアーチも座席に座ったまま見上げていた。雪と岩の中をバスが走っていく。ファンダジーの世界に紛れ込んだような気分。
 ミルフォードロードでバスが止まったときに・・・、とガイドさんが話す。
「山岳地帯に澄むいろいろな鳥を間近に見ることができるかもしれません。特にキーア(kea)という鳥は人のすぐそばまでやってきます。が、エサは与えないでください・・・」
 ミルフォードトラックという世界に名だたるトレッキングコースもこの国立公園内にある。夏のシーズンに訪れた観光客(歩く人もバスの人も)がエサをあげていた結果、雪で峠が封鎖され人の入り込めない時期が続くと、自分で餌を探すのを忘れてしまい餓死してしまったキーアや他の鳥が何羽もDOCの人に発見された。生態に影響を及ぼさないためにも、どうか、くれぐれも。
 天敵がいなくエサもたくさんあって鳥の楽園だったニュージーランドは、今は鳥たちだけの島ではない。国によって様々な対策が講じられているが一人が気をつけることだってたくさんあるのだ。

 ミルフォードサウンド到着。サウンドとは入り江のこと。ミルフォードはタズマン海の入り江なのだ。ここでクルーズ船に乗り換える。昼食をとりながら眺めを楽しむのだ。氷河によって周囲の山々が垂直に削り取られ海に落ち込んでいく、海から山が生えているような、何とも不思議に壮大な眺め。雲もでてきて気温が下がっている。海の上をわたる風は身を切るようだ。が、昼食を飲みこむように食べてデッキの上へ。流れ落ちる滝も、海からそびえるような山も、岩の上でお昼寝をするオットセイ(ガイドブックで読んでいたが本当にオットセイまで・・!!!)も、ポイント案内聞きながら目は皿のよう。ポイントに船が近寄り向きを変え、止まる。船に大歓声響きシャッターの音が一斉に^^。

 バスに戻って来た道を戻る。帰り道はミルフォードロード内で止まることなく休憩地のティアナウまで。冷えたからだが暖まってとろとろ。ティアナウで私用のポッサムのセーターとThe Lord of the Rings の2005ねん用カレンダー購入。カレンダーにうっとりのゆに。日も暮れてきた。夕闇の中で草をはむ羊たち、たくさん、たくさん。明かり灯るクィーンズタウンの街に到着。
 
 市内中央で下車。まずはスーパーで食材の購入。ここで、クライストチャーチで食べたマッシュルームの現物(ほんとに大きい)を見る。野菜・果物・肉・魚、買わないけれど見ているとおもしろい。朝食用のあれこれと今夜のつまみ。ここで買ったスモークサーモンのおいしかったこと(^-^)。もっと食べたかった、と後々まで話題にでる。ビールとジュースとワインの小瓶。ワインはシャルドネ。見たことのあるデザインの瓶だと思って裏を見ると Jabiru Wines of Australia 。これって、以前のオーストラリア旅行で買ってきて気に入っているあのワイン(^^)。ニュージーランド産ではないがこれに決ーめた。自家用にとちょっと珍しい香辛料も忘れずに購入。
 レバノン風のケバフ料理のお店で Take away。うっかり Take out といってしまって一瞬言葉が通じず、そういえば、と思い出して、注文。ラージサイズを2種類、半分ずつ分けたのだけれど野菜もどっさり入っていてボリュームたっぷり。
 ホテルに帰ってちょっと遅めの夕食。ケバフ、めちゃおいしい。グラスやらカップ男性陣の部屋からも持ってきて□☆□カンパ-イ!。
 
 ホテルといえばフロントで鍵をお願いしたときに滞在中にちょうどホテルのシステムが切り替わってコンピューター制御になった。部屋番号と名前をいうと一部屋はあったがもう一部屋はない、そんな名前の人はいない、と。それはホテル側の入力ミスだということがいろいろ調べてもらってわかったのだけれど、戻ったときにちょっと時間がかかってしまった。
 この日は朝ホテルを出て依る戻っただけだったのけれど、次の日は頻繁に出入りしていて4人家族というの覚えていただいたようで、ゆにと2人で戻ったときにキーナンバーいうと、もう一部屋の鍵は? なんて尋ねられたり、なんてこともあったっけ。

 眠りにつく前にゆには明日の予習に忙しい。明日は SAFARI of the RiNGS だ。


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