南欧の旅 ひとかじり ローマを歩く
ヴァティカン,ナヴォーナ広場,スペイン階段など

2月24日(月)



 晴れ

 歩き回って疲れているはずなのに、4時間もすると目が覚めてしまった。時差調整ができていないのか、それとも遠足前の子ども時代と同じで興奮しすぎて目が覚めてしまうのか、昨晩寝たのが12時少し前だというのに起きたら4時! 目覚まし時計は6時半にセットしておいたのになあ。ぐすっりのゆにがうらやましい。少しはとろとろできたが寝たり起きたり。6時には明かりをつけて今日の予定をチェックしながらさらに地図にマーカーを書き加える。地図もできるだけ頭に入れておきたい。
 そのまま出かけられるように服など整えてから、7時20分、パンとカフェオレ軽く朝食、40分頃出発。共和国広場からメトロに乗ったのだが、日曜日に比べて混んでいない。広場では駅にいそいで向かう人の姿が・・・、どこでも一緒ね。
 ヴァティカン博物館は入場のための行列も長いなどとても混むらしい、おまけに月曜日のこととて公立施設は休みのところが多いのでさらに混雑しそう。地下鉄の駅から歩いていく道路はテルミニ駅周辺よりおしゃれで落ち着いている。同じ方向へと向かう観光客が三々五々、みな足早だ。8:45開場のところ8時に着いたらすでに行列ができていた。待っている間にもどんどん人が増えてくる。団体ツアーは別並び? 観光バスにいっぱいの人が降りてきたりもするが、この時間は自分でやってくるグループがほとんどだ。
 待っている間から見学、さらに場所を変えての見学の今日一日、どこも観光客であふれていたが、日本の学生さんのグループも目についた。カップルもいたのだが、同性同士、数名でいるのにすれ違ったのだった。この日のコースはローマの観光コースメインだっったし・・・。 

 開場と同時に列が動き出すがさほど待たずに入場できて一安心である。セキュリティチェックがていねいかつ厳しかった。
 ヴァティカン博物館は歴代の法王によるコレクションであふれている。絵画・彫刻など、様々な時代・様々な作品。迷路のようなコースは全部で7kmを越すとか。事前に調べて「地球の歩き方」おすすめコースというのがなかなか良さそうだからそれにしようとコース案内頼りに歩き出したが、一方通行だったり見学できないところもあったりと、うっかりしていると迷子になりそう。各部屋の入り口などにある表示に目を凝らす。要所要所で広げた「地球の歩き方」と実際の展示を見比べている若者@男の子たちや館内で販売しているガイドブック見ている人なども。
 確かにポイントといってもあり過ぎてよほど知識がなければわからないことだらけ。あったらあったで一つ一つにこだわりあるだろうから見て回るだけでも大変そう。最初は駆け足的だったが、あふれるほど人が次から次ぎに、というわけでもないので、途中でペースを落としてゆっくり見て回った。それでも全体を回って約3時間。 

 ラファエロの間とシスティーナ礼拝堂はそれだけを分けて取り上げられていることも多くどこでも語られているように圧巻。特にシスティーナ礼拝堂はヴァティカンを訪れたら外せない箇所だ。ここだけ団体専用の出入り口があって、他は見ずともここのミケランジェロの天井画だけは見学コースに、そうだろうなあ。天井・壁画のフラスコ画に描き出され得た旧約・新約聖書の世界、言葉にならない。中央に立ってぐるっと見回し、首が痛くなるまで上を見あげ、壁に沿って置いてあるベンチに気づいた後は(最初は興奮のあまり目につかなかった)場所を変えて座り心ゆくまで見とれていた。 、
 絵画は聖書や法王の肖像などがモチーフのものが多いが、サン・ピエトロ寺院建築時の様子を描いた絵(まだ骨組みだけだったり、など)や法王に跪く民衆の様子を描いたものとか、後者に描かれた法王のまとった絢爛豪華きらびやかに対する、やせ細った民の姿、とみていると「宗教改革起きたわけだよね」などと変なところで納得できてしまったり。全体が何世紀にもわたって積み上げられて富でもあるし・・。

 寺院建築の様子はタペストリーにもなっていた。マッシモ宮で見た古代ローマのモザイクがさらに複雑になって、回廊などの壁や床は見事な大理石の模様になっている。タペストリーが壁に掛けられているのを眺めながら「そうだ、ここは石の文化だったんだ」、と改めて思う。
 お気に入りの本(SF)−アン・マキャフリー「龍の戦士(パーンシリーズ)」−の中に主人公のレサが広間にかけられたタペストリーに描かれたものが今と違う、それを過去への飛翔の目印にする、という場面がある。
 作品の中で城塞が石でできているように、そこにタペストリーがかけられていたように、そのタペストリーのテーマが一つの戦いが終わっての記録であったように、この地では石の壁にテーマのあるタペストリーがかけられるのは当たり前のことなんだ。そういえば他の作者の作品読んでいても城にはタペストリー、とか、約束のようにでてきている。約束ではなくて当然だったのだ。
 石、掛けられた絵画・タペストリー・彫刻、日本(東洋)とは違う文化。その文化が下敷きになって物語も紡がれるのだなあ、と、欧州が舞台の様々な作品、舞台はまるで違うのにそのにおいが作品の中に残る欧州生まれの作者のあの描写この描写が、よりあざやかに思い浮かべられるようになった。これぞ文化。

 カタログやちょっとした土産品を買ってひとまず休憩がてらの昼ご飯にする。出口そばにあるセルフサービスのカフェテリアに向かう。オレンジの缶ジュース,リゾット,トマトペンネ,サラダ(レタス・カリフラワー・アンティチョーク),ハムとチーズの盛り合わせ,野菜のオリーブ焼き(なす・トマト・ズッキーニ),コーヒー。どれも一皿ずつ分け合って食べる。レジで会計の時に担当の女性に「おちびちゃん、マンマといっしょでいいね」と声をかけられるゆに。ここでも・・・・((^^;。
 ペンネは家で作っているのと同じ味、うん、私の腕もまあまあかな。「普段と同じもの食べるとホッとするね」と、ゆに。しかしヴァティカンで家と同じもの食べるというのもなんか不思議な気分(^^;)。サラダや野菜に使われているオリーブ油の味がとてもいい。野菜自体も美味しいがオリーブの香りが味を引き締めているみたい。これを機にこの後どんどんオリーブ油の味に目覚めたくいしんぼ二人である。
  私はズッキーニがおいしかったなあ。あまり見かけたことがないのに、各レシピの中ではけっこうなじみのこのズッキーニ、この旅行中のみならず、帰宅後の夏はせっせと買って食べたのだった(もちろんこれからも食べるゾ)。
 他よりは人の少ないここで今のうちに、と、田舎の両親と自宅にAir Mail。葉書を選んで、切手を選ぶのにけっこう悩む。ついつい他の人の選び方ウォッチング(^^)。


 ゆっくり座っての休憩もここまで。
 さあ、後は歩いて・・・。

 博物館を出てヴァティカンの壁に沿ってぐるっと約1km、S.ピエトロ広場につく。
 オベリスクを中心に広い空間が広がる。回りが回廊で取り囲まれていて回廊の上には聖人や教皇の像が飾られている。広場にはいってきょろきょろしながらS.ピエトロ寺院方向に左回りに進んでいく。上の方を見てばかりなので首が痛くなりそう。
 バックも開いてのセキュリィティ・チェック受け、寺院の中に入る。巡礼できた信仰熱そうな人、カメラ片手の観光客、ガイド付きツアーで要所の説明を受けているグループ、本当にここには世界各地から人が集まってきているのだなあ。内部は本当に広い。いったいどこから見ればいいのか、どれを見ればいいのか、柱一つとっても、壁の絵を見ても、景観を見ても、限りがない。遙か遠くに見える天井画のモザイクに祭壇に礼拝堂・・・。ただ、圧倒されるだけ。いったいどれだけの金額労力積み上げたら・・。
 ミケランジェロ作の「ピエタ」。教科書などではなじみのこの像、実際に目にすることができてうれしい。祈りを捧げている人も多い。無信心な私たちは少し離れて見るに留めた。同じようにカメラかかえて観光に訪れているように見える欧米の人も祈りの時を持っていた。あの柱からこの柱まで、次は向こうに、そっと回る。
 外に回ってクーポラ(寺院の丸屋根)に登ることにする。エレベーターのチケット買って途中まで、そこから階段が300以上登っていく(92mの高さ分)。さっき見て回った寺院の堂内を階段を歩きながら上から見下ろしたりする。見あげていたフラスコ画は目の前だ。
 螺旋階段ぐるぐると、急な傾斜あり狭い階段あり、高さ地上132.5m、直径42.5m、頂上に登りきってテラスにでる。ぐるっと360°一回り。ローマが一望のもとだ。写真を撮ってくれと頼まれてデジカメの説明受けてシャッター押していたゆに、『すらすらの英語じゃなかったから英語圏から来た人達ではなかったと思うけど・・』と。デジカメなんて新しいものは若い子の方が安心、と思ったのだろうなぁ^^;。ここも多国籍。自力でたどり着かなければいけないし時間もそれなりにかかるので体力のある個人旅行(数名のグループ)者、纏っているのもラフな衣服、リュック(ショルダー)にカメラ、しっかりした靴、と似たもの同士か。日本からの若者たちも元気だ。というか、登り切ってしばらくすると元気になるというか・・・。日本からの女の子たち、広場と寺院では大勢見かけたのだがクーポラではそれと比較するとほとんど目にしなかったなあ。どこにでも行ってやる、という男の子たちの格好とは雰囲気違ったから行くところも違うのかも。
 降りるのは登るよりは確かに楽だが、それでも、とエレベーターで下りる前にクーポラの下にあるテラスで一休み。ひなたぼっこしながらごろっと横になっている、彼はどこから来たのだろう。髪に日が当たって輝いているよ。周りもみんなゆったり、のんびり。


 S.ピエトロ広場に戻る。ポケットの地図を確認。いよいよローマ市内に歩き出していくのだ。壁で区切られているけれどローマとつながっている、でもここはイタリアではなくて「ヴァティカン市国」、ちょっと違うのだ。用心して、と。
 広場を抜けて寺院を背中にまっすぐな通りをサンタンジェロ城に向かって歩く。道の両側はカフェテリアやしゃれたお店、歩道には屋台のみやげものや(置物だのTシャツだの)やスナック・飲み物など売っていて、通り過ぎる人に声をかけている。荘厳なたたずまいからいっきょに俗世間に戻った感がある。
サンタンジェロ城を外から眺めながら右に曲がってサンタンジェロ橋、テヴェレ河を渡る。そのまま道を進んで一つ二つ曲がったら次の目的地に15分もかからずに着くはずだった。ひとーつ、ふたつ、二つ目のこの道を左に曲がって道沿いに曲がりくねって・・・。なぜか人通りも少なく(そのことを疑うべきだったかも^^;)道は細く、それでも時折しゃれたレストランやお店もあり、進んでいったのだが・・・・・・。

 おかしい、そろそろ大勢の人の姿が見えるはずなのだ。少し向こうからはざわめきが聞こえるような気がする。きっとそこなのだ、入り口はどこ? どこへ行けばいいの? 壁にぶつかったような行き止まり、適当に曲がってみると 車の行き交う広い通りだ。バスも走っている。右方面に歩いていくとバス停があって、その案内にも目的地の名前らしきものがある、が、よくわからない。ともかくこの付近のどこかから広場に入れる、と歩いていく。
 が、様子がおかしい。どうも逆戻りしているようだ。
 ま、いいか、サンタンジェロ城に戻ってそこからやり直そう。昼過ぎの日ざしのなかぐだぐだ歩いているのでそろそろゆにが「疲れた」と。しかし動かねば着かないのでしょうがないよ。

 サンタンジェロ城を背に、再スタート。今度はテヴェレ河ぞいに歩き次の橋のところで曲がろう。あっ、この道で正しい。観光客のグループにすれ違ったり追い抜かれたり・・。15分のところを1時間、やっと「ナヴォーナ広場」にたどり着いた。1世紀後半のローマ時代に。
 作られた競技場の跡地がこの広場の始まり。広場を取り囲んで建物が・・・。さっき迷っていたときはあの真ん中あたりの建物の向こう側にいたんだろうなぁ。
 『ムーア人の噴水』『4大運河の噴水』。ローマの噴水をできるだけみたい、と、ゆに。まずはここから。噴水の縁にも取り囲むベンチにも人がいっぱいで座るような場所もない。ちょっとした軽食をこのあたりで、とも思っていたが、カラフルなパラソルの下にあるレストランの机も人であふれている。ちょっとは止まっていたし、先へ進もう。お約束の「ミサンガ売りの兄ちゃん」が、声かけてきてしつこいし・・・。


 ナヴォーナ広場からパンテオン、コロンナ広場を抜けてトレヴィの泉に至るまでの道は案内標識もあるし、何より進行方向も逆方向も人でいっぱい。おまけにその人の合間を縫って車やバイクがばしばし通っている。迷うことはないと安心しながら人の波の中。観光グッズのお店がたくさんある。しかい細いローマの道もひたすらスピード落とさないバイクって・・。
 パンテオン、ローマ時代の建築だが後に教会となる。ラファエロの墓もあるのだ。柱廊にローマの息吹を、天窓からの光りを受けた内部でしばし跡形の夢に沈む。

 コロンナ広場からトレヴィの泉へ。ここも人でいっぱい。映像などでみた泉から想像していたよりかなり狭いことに驚いた。噴水前でコインを投げる人もけっこういたがちょっとそこに割り込んで、ということでもなく、一段上の離れたところから泉を見ていた。ネプチューンとトリトン、光りと水、この街は神話が似合う。神話から目を転じ留渡橋か胃の尖塔、これもローマだ。ここでは「ヨーヨー売り」、一人一人に声かけてきたが、これはもちろん断った。この時近くにインターナショナルスクールの生徒さんが集団で観光に来ていたようで、男の子土地何人もヨーヨーを買って遊んでいた。これって「みんなでやってみよう」のノリなのかな。コインは投げなくても、またこれるといいね>ゆに。土産物店にひやかしに入るもしっくりこなくてそのまま外に。あまりにいろいろあって逆に買う気が起きなくなるのかな。
 トレヴィの泉からスペイン広場へ。旗を持った案内人の「次は・・・・・・・・・(←わぉ、日本語だからすらすらわかる^^;)」で集まったツアー一行、どうやら目指すところは同じらしい。さりげなくあいだをあけて後をついていく(^^)。ここまで来たらもう迷わない、という地点でしっかり追い抜いて・・・・。

 スペイン広場&スペイン階段だ。階段はびっしり人が座っている。階段でジェラード食べるの今は禁止されているはずだが中にはやはり食べている人もいる。そうはいってもあの「ローマの休日」のスペイン広場である。ここでジェラード食べずにどこで食べる。広場入り口の小さなお店でしっかりジェラード購入。チョコとナッツ入りのミント味。ミントの味が濃くておいしい。広場の片隅で食べながらマンウォッチング。アメリカ人と日本人が多いような・・・。
 そのままスペイン階段をのぼり、トリニタ・デイ・モンティ広場に着く。階段を見下ろし遠くにS.ピエトロ寺院を望む。「七つの丘の町」ローマ、坂を上り坂を下り、いろいろな顔を見せてくれる。

 次がバルベリーニ広場だ。ゆにがぜひみたいといった「蜂の噴水」もその一角からのびた通りの初めにある。本来ならばメトロで一駅、地下鉄に乗って移動すべきだろうが何より地下鉄は昨日のことで懲りている。一駅なんて歩けない距離ではないし、道は続いているのだから、と、通りを眺めながら坂を下りる。しゃれたお店やホテルなどがあるなあ。それにしても脇を通っていく車のスピードの速いこと。
 そしてバルベリーニ広場に到着。他の広場でも感じたことだが思っていたより広くない。作られた当時は馬の時代だったことを思えば当然なのだが、それをつい忘れてしまうのだ。なかでもこの広場は狭く感じる。広場を囲んで主要道路が交差しているロータリーでもあり車の中(現代)に埋もれた古代、といった感がある。バルベリーニ広場にあるトリトーネの噴水はアンデルセンの『即興詩人』のなかでアントニオが幼い頃の思い出として叔父を語ったときの舞台。この広場のどこに・・・、物語はローマを歩いてきただけでいっそう身近なものになった。
 ヴェネト通り入り口の「蜂の噴水」。本当に可愛らしい。この先のヴェネト通りはローマでもっともエレガントな通りとか、並木の向こうに何があるのかな。

 エレガントとは縁がないので暗くなる前にホテルに帰ろうと共和国広場を目指す。ここでも地下鉄はパス。使う予定で買った1週間券って・・!! まあ、いいけど。
「つかれたよー」「あし、いたいよー」「どこまで歩くの」
「でも地下鉄ちょっと乗りたくないでしょ」
「それはそうだけど、休みたいよぉ」
「まあまあ、この景色、この教会、ちょっとみせてもらおうよ」
「もうそんなのどうだっていいよぉ・・・・・・」
 ゆにのぼやくこと。だから旅の前にごろごろしてないで身体ならしておけって言ったのに。とはいえ、まあ無理ないか。

 ところが、ところがだったのだ。バルベリーニ広場から進むべき道を選んだときに地図を見て確認したはずなのに、道を90°間違えたみたい。ちょっと回り道になってしまった。オペラ座近くの交差点で曲がればホテルに戻れるのだが、せっかく間違えて(^^;)いるのだから、確かこの近くにコンビニエンスストアがあったはず。ここでイタリアの食材買おうと思っていたのだからちょうどいい。本当はホテルで休憩してから来ようと思っていた場所だったけれどついでだから、「後でこようよ、帰ろうよ」というゆにをおしきって、コンビニエンスストアまで。
 店内は狭かったけれどお菓子に調味料に香辛料にパスタなどぎっしり並んでいてゆにの機嫌が直る。会社の土産などは荷物になるので事前申し込みしてあるのでここでは自家用のためのものをと探す。つまりお菓子類ではなくて食材を、ということだ。パスタ・リゾット・香辛料にビネガー、オリーブオイルにレモンチェロまで、ずしりと荷物が重くなる。が、帰国してから調理すること考えるとうれしいので重さはがまんがまん。ゆには「MIKADO(帝)ポッキー」(←日本のポッキーがこういう名前で売られているとの情報に買ってみたかったとかで、友達への土産話と共に食べたらしい、国産品より甘かったとのこと)見つけて御機嫌に買っていた。後はミネラルウォーターと明日から2日間の朝食用のクッキーなど(朝が早いのでホテルの朝食たべるの無理そう)、カード使用5%引きのカード出したがレジの女の子そのまま合計だそうとして、そこに来た店長さんらしき人が指示して5%引きでやり直していた、このあたりはアルバイトに教えるコンビニの店長さん、という、我が家近辺でも見かけるのとおなじパターンだね。
 重いビニール袋かかえているのに道をまっすぐ行けばサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂だからと、教会の尖塔を前に見ながらさらに歩く。着いたのは教会の裏側。表に回って参拝するにはさすがにもう気力がない、場所を確認できたから最後の日に回ればいいからと、ここでやっと戻ることに決め、テルミニ駅前を通過してホテル到着。
 到着17時40分。出かけてからちょうど10時間だ。この間、ヴァテカン博物館のカフェテリアで座っていた以外ほとんど動いているか立っているかだったのだから、うん、よく歩いたものである。行きに地下鉄7駅分を半日かけて観光しながら戻ったことになる。それでも主なところは押さえたつもり。(いわゆるショッピングは予定外なので「主な」にはカウント最初からされてない・・;)


 荷物整理や明日の準備をして2時間ほど休む。ゆには爆睡。
 その後着替えて食事に出かける。

 マッシモ・ダゼリオ(Massimo d'Azeglio)。同じ名前のホテル内にあるのだが19世紀末創業のレストラン。落ち着いた大人のムードが漂っている。
 イタリア語・英語併記のメニュー見ながら、さあ、何をたべようか、海の幸を使った料理が美味しいということなのでここはやっぱり魚かな。
 アペリチフに生ハムとチーズの盛り合わせ、これにオリーブオイルが添えられていて、そのオイルの美味しいこと。。かごに盛られたパンはいろいろな種類。グリッシーニ・カンパーニュ・オリーブの実入りのパン・ハーブ入りのパン。薄く切ってあるパン、どのパンも美味しい。ハーブ入りのは家でも焼こうっと。
 プリモとしてミネストローネスープ。これが英語表記でミックス・ベジタブル・スープとあり、納得はできるのだがなんかなじまないねえ、と苦笑い。さらりとしてやさしい舌触り。セコンドに魚の煮込みズッキーニ付き、淡泊な味わい、盛りつけも美しく目でも味わうのだ。ドルチェはゆにが洋なしのコンポート、私はアーモンドケーキ、ちょっと味見、というわけには行かないけれど二人とも幸せいっぱい^^。
 仕上げのエスプレッソ、うーん最高。
 たまたま近くのテーブルに案内されてきたグループが日本の方、どちらも3人組だったけれど一方は買い物目当ての観光らしい女性3人組で頼んだのはワインとパスタのみ、コーヒーも飲まず。もう片方はイタリアに滞在している娘さんが両親を観光に呼んで案内しているといった感じでイタリア語駆使してキッチリコースの頼み方。そうだよね。ワインとパスタがいけないというわけではないけれど、郷に入っては郷に従えっていうし、そういう頼み方が気楽にできるところとそうでないところがあることくらいわきまえてたほうがいいのではないかな、どうなのかなあ。
 そんなことを背中で感じさえしなければすてきな時間だった。食べることにも雰囲気にもワインがなくても酔えるのだから。グラツィエ。
 
 ホテルに戻り明日に向けておやすみなさい。

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