短歌という爆弾-今すぐ歌人になりたいあなたのために-
穂村弘・著
(小学館/¥1575)
若手歌人として注目されている穂村弘の本。
教科書でしか読んだことのなかった短歌というものが、ぐっと身近に感じられる 短歌入門書。基本的な短歌の作り方から仲間の見つけ方まで、初心者にわかりやすく書いてあり、短歌は決して難しいものではないということを気づかせてくれる。
結社と呼ばれる短歌グループでは、通常歌会(会員同士で互いの歌を批評しあう)を定期的に開くものだが、著者の所属している「かばん」という短歌同人誌では、歌会以外にも朗読会などを活発におこなっているらしい。短歌という分野でも朗読は注目されており、若い歌人たちはそれによって、古くから続く短歌界に新風を吹き込んでいる。

オイスターボーイ
オイスター・ボーイの憂鬱な死
ティム・バートン著

(河出書房新社/¥2855)
じっと見つめる女の子
「スリーピーホロウ」「シザーハンズ」などの映画監督として知られるティム・バートンの描いた絵本である。23の短編からなるこの本は彼の撮ってきた映画と同様に、ブラックユーモアあふれるファンタジーの世界が描かれている。「じーっと見つめる女の子」(左絵)や「有毒少年ロイ」「針やま女王」など、タイトルを並べただけでわかるように、絵本といっても子供に読ませるにはちょっぴり刺激が強すぎるかも。
映画「スリーピーホロウ」では恐ろしいホラーの世界を表現したティム・バートンだが、もともとの彼は風変わりな自分に劣等感を抱えたいじめられっ子。そんな彼が愛情を持って描く絵本の中の「異形」の人物たちは、 時に愛らしく時には悲哀をにじませている。


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