尾瀬の花 コース案内035
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 尾瀬沼:尾瀬沼東岸起点 北岸道 


035尾瀬沼東岸北岸道分岐小渕沢田代分岐沼山峠展望台沼山峠休憩所(バス停:沼山峠)

このコースの見所・撮影ポイントは、

尾瀬沼北岸道分岐付近からの周囲の風景
ヤナギランの丘への分岐路からの三本カラマツ方向
小渕沢田代分岐付近からの周囲の風景
沼山峠展望台から見た尾瀬沼の風景

大江湿原のニッコウキスゲの大群落(7月中旬)と、ワタスゲの大群落(6月下旬〜7月上旬)
大江湿原のミズバショウ


公衆トイレは、起点:尾瀬沼東岸と終点:沼山峠バス停(沼山峠休憩所)にあります。
水場は、起点:尾瀬沼東岸に長蔵小屋湧水と水道が、終点:沼山峠バス停(沼山峠休憩所)にありますが、途中に飲める水は流れておりません。
ベンチは、起点:尾瀬沼東岸と終点:沼山峠バス停(沼山峠休憩所)、途中の沼山峠展望台、小渕沢田代分岐・他にあります。


尾瀬沼東岸にはVC(尾瀬沼ビジターセンター)、尾瀬沼ヒュッテ・長蔵小屋・尾瀬山荘の3軒の山小屋があり、尾瀬ヶ原:山ノ鼻同様に、尾瀬でも一二を争う人の多い個所です。

下の画像は、左に行けば公衆トイレ・尾瀬沼ヒュッテ、直進すれば左側に長蔵小屋売店・VC・公衆トイレ、右側に野外のベンチ群・長蔵小屋・長蔵湧水があって、そのまま通り抜けるのが旧沼田街道で、三平下につうぢております。

尾瀬沼東岸にある分岐点

今回の案内は、ここから撮影者の背中の方向に進み、小高い丘から右手にハンゴンソウの林立する個所を見ながら進み、ミズバショウ、オオバタチツボスミレ、リュウキンカ、ヤナギトラノオ、カキツバタ、ヒオウギアヤメ、コオニユリ、ハクサンチドリなどが多い低層湿原を通って小川を渡り、左側に有名な三本カラマツ大江川一ノ橋を見て

三本カラマツ大江川一ノ橋

7月中旬には一面のニッコウキスゲが黄色いジュータンに見える尾瀬沼北岸道分岐を過ぎ、複線の木道を進んで行きますが

尾瀬沼北岸道分岐を振り返って撮影

前方を見ると広い大江湿原の先に、山並みが立ち塞がっておりますが、そこに沼山峠があります。足元の湿原には早春、タテヤマリンドウ、ショウジョウバカマ、ワタスゲのクリーム色の花、ワレモコウの真っ赤な若芽、数は少ないですがミズバショウの白い花などが見かけられます。

やがて大江川二ノ橋を渡り、左にヤナギランの丘を見送り、入下山者カウンターを通り過ぎて進むと、その辺りの木道横には、オオウバユリに似た葉をしているヒメザゼンソウの株がアチコチに見つけられます。

右手に小渕沢田代分岐のベンチ&テラスを見送って前方を望むと、深い針葉樹の森の中にポッカリと空いた草地のような個所が見えていますが、ここは以前に落雷で山火事になった跡だそうです。

針葉樹の森の中の空き地

左手にミズバショウの白い花が並んでいる個所を見ながら進むと直ぐにコースは明るい森の中へと入っていって、徐々に高度を上げて行き、注意すると左手に尾瀬沼の湖面が見え、その先には荷鞍山白尾山が並んでいます。

尾瀬沼の湖面が小さく見えます

この辺りから階段状になった幅広い木道は急な勾配へとなっていき、春にはイワナシ・シロモノ・アカモノ、夏にはエゾリンドウ・ヤマハハコ・ゴゼンタチバナ・マイヅルソウなどが咲き、秋にはドウダンツツジの紅葉が楽しめる楽しいコースなのですが、年によっては5月末でも全面が残雪に覆われていますので、ミズバショウのシーズンにはそれなりの装備が必要です。

やがて左手にツリガネニンジン、ジョウシュウオニアザミ、ミヤマアキノキリンソウ、クロヅルなどが見える開けた個所に差し掛かると直ぐに、左手に沼山峠展望台が見えてきます。

尾瀬沼と三本カラマツが見えてます 遠くに尾瀬沼の湖面が見えています 後ろのベンチにも多くの人が

沼山峠展望台には、入口手前に3つのベンチが、奥に階段状に並べてあるベンチが5個ほどあり、いつも賑わっています。ここからの尾瀬沼方向の風景は見事で、大江川一ノ橋の横にある三本カラマツの姿も遠くに見えています。

5月末は残雪が木道を覆い尽くしてます

展望台を後にして先に進むとコースは左に曲がり、針葉樹の森の中の直線の上りコースとなって行きますが、この辺りもやはり5月末でも残雪の多い個所です。

本来の沼山峠

木道脇には多くのマイヅルソウ、ゴゼンタチバナ、稀にギンリョウソウが見られ、ノリウツギ、オオカメノキの白い花を木々の先に見られる個所を進んで行くと、本来の沼山峠に到着して、当然にしてその先は下っております(^^♪

割と明るい森の中を下りていきますが、ここは5月の残雪期は危険なコースで、数年前に犠牲者も出ていますので、詳細に記載します。

尾瀬は4月末頃から入山が可能となります。もちろん一年中入ろうと思えば尾瀬に入ることはできますが、群馬県側では片品村戸倉で、福島県側では桧枝岐村中土合or七入で道路が冬季閉鎖されていて、一日がかりで登山口まで歩く必要があるので、大清水登・御池まで除雪がされた頃から入山者が増えるのです。

木道が整備された尾瀬では、木道が見える時期には迷うことなど考えられないのですが、残雪が木道を覆い隠している時期、これが冬山ではなくミズバショウの頃なので問題なのですが、枝先につけた赤いリボンと、大木の幹につけられた赤いペンキだけが頼りとなります。

でも湿原には大木は無く、背丈の低い木に赤いリボンがつけられていますが、雪深い尾瀬では木ごと雪の下となっていて、特に燧裏林道の複数の湿原と、皿伏新道にある大清水平湿原では危険なのです。

数年前、5月に大江湿原からバス停:沼山峠に戻る親子が、本来の沼山峠を越えた辺りで尾瀬伝いに進むコースを外れてしまい、沢に入って左上の尾根に沼山峠休憩所の建物があるのに気づかず通過して、道行沢に至ってしまって疲労で歩けず凍死されました。

'06年には6月になってから、大清水から三平峠を越えて三平下に向かっていた単独行のハイカーが、たぶん三平見晴付近でコースを見失って左側に下りていっていまい、雪が解けていたなら気づかないハズのない大清水平の木道(皿伏新道)個所まで横切ってしまって曲がり田代付近を通過して、沼尻川の左岸に出て間違いに気づき、左岸を尾瀬沼方向に遡った個所で凍死されました。

2つの事故とも、残雪期に必ず指標とするマーキングを見落としていたからで、残雪期に尾瀬に入る私は何回も道に迷いましたが、迷った理由は、マーキングされた枝が雪の下になっている・マーキングされた大木が倒壊したことによります。間違ったと気づいた地点からマーキングのあった個所まで戻って、そこから遠くの大木を探して見ると必ず、次の次のマーキングが見つかるようになっていますので、それからそこに向けて進んでいます。特に燧裏林道の上田代と横田代は人通りが少なく(踏み跡が無い)・大きな木が遠い広い湿原ゆえ、地図と磁石も参考として残雪期は進んで下さい。

バス停:沼山峠に近い個所

沼山峠での残雪期の事故以来、迷って進みやすい沢の方向にロープが張られていて間違いにくくはなっていますが、ご注意下さい。

急な階段状の幅広い木道を下っていく途中には、ゴゼンタチバナ、マイヅルソウ、モミジカラマツなどが目に付きます。やがて人声が下の方から聞こえてくると、バス停:沼山峠は直ぐ下に見えてきます。

沼山峠登山口

ここバス停:沼山峠を訪れるほぼ全員が下の画像で右側にある登山口から尾瀬沼に向かって登って行きますが、休憩所(売店)の左側には旧沼田街道(沼田市〜片品村戸倉〜大清水〜三平峠〜尾瀬沼東岸〜沼山峠〜七入〜桧枝岐村〜会津若松市)の七入方面に向かう登山口があり、七入に向かって降り続けていきますが、途中にある抱き返りの滝は尾瀬五大滝となっていて、特に紅葉時には見事な景観ですから、ぜひ一度、歩いてみて下さい。

沼山峠休憩所・バス停

バス停:沼山峠へは、ツアーバスは混雑日を除いて可能ですが、マイカーは通年立ち入り禁止ですから、一般的には途中の御池駐車場(駐車場を出る時に1回1,000円、何日止めて置いても1回分)から会津バス、もっと桧枝岐村中心に近い七入駐車場(駐車代は無料)から会津バスに乗って来ますが、中には奥只見湖(銀山湖)の船着場:尾瀬口から会津バスで来たり、七入から旧沼田街道を歩いて来るツワモノ登山客も居ます。

バス停:沼山峠には、休憩所(売店)・2ヶ所の公衆トイレ・ベンチ・バス停はありますが、飲める水場はありません。


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