定期総会記念講演会開催

演題:「地球温暖化」とはなにかー身近な課題を探るー
 講師: 秋山 光庸氏 宇都宮大学名誉教授

    


《グローバルに学んで・ローカルに活動する》を基本に環境問題、特に地球温暖化問題に取り組もうと今回の講演会を
企画しました。

講演は下記項目にわたっての内容であった。
1.環境問題発生の根源
2.環境思想の系譜
3.IPPC報告の駆け引きに見る地球温暖化
4.本番京都議定書実施年(2008年ー2012年)
5.ポスト京都議定書から洞爺湖サミット、コペンハーゲン(COP15)まで
6.関心ある課題

 ここでは、あまり語られることの少ない1.2.6項目について要旨を報告し、その他の項目については特に最近のテレビ、
新聞で報道されることが多いのでそれに任せ省略した。

 初期キリスト教の「生めよ増やせよ、地に満ちよ!」から「我おもう、ゆえに、我あり」などの人間中心的な考え方から
消費主導の少量受注生産から供給主導の大量計画生産への産業革命を経て、1830年代の人間精神と自然の一体化
の生態学とエコロジーの考えが起こり、それが19760年代の西洋宗教思想や近代科学哲学批判で「自然に対する人間の
責任」で、人間の利益を得るための自然の保全(コンザベーション)ではなく、神の使命による自然の保存(プリザベ
ーション)を
との考え方に変わってきた。
さらに、それがディープ・エコロジーの人間と自然(動植物そして鉱物)は一体、もしくは対等の考え方に進み「成長の限界」
「スモール イズ ビューティフル」「ソフトエネルギーパス」のキーワードと経済と倫理の必要性から1987年国連の環境と開発
に関する世界委員会「我ら共通の未来」で現在の持続可能な開発(「サステナブル・ディベロップメント」)へと繋がってきた
のである。それから2004年ワンガリーマータイさんのアフリカン・グリーンベルト・ネットワークでの植林活動、持続可能な
開発、民主主義と平和への貢献でノーベル平和賞そして、「もったいない」キャンペーンさらに2007年アル・ゴア氏
「地球の掟」で環境保護すなわち人為的気候変動いわゆる地球温暖化の問題点を広く知らしめ、温暖化防止に必要な措置への
基礎を築たとしてノーベル平和賞を受賞した。なお国連の気候変動に関する政府間パネル(IPPC)も同時受賞し今に至った。

 関心のある課題では栃木県の「とちぎ発ストップ温暖化アクション」の活動と支援体制の紹介と参加・活用の勧め、家電
製品の環境性能表示制度。検討すべき課題としての栃木に向いた省エネ・リホーム、総合公共交通システム、北関東における
水素エネルギー循環社会についての話がありました。

 私たち一般市民としては環境問題・思想の系譜・歴史を再認識するとともに家の新築、リホームそして車や家電の買い替え
時に相談できる窓口を活用
し、日常生活を進める上での温暖化ストップの最初の小さな活動の契機に国、県、市、
グループなどのイベントに参加
して、その喜びを次の活動に繋げていくという積み重ねが良いのでは思いました。