それからさらに時間が経過。ううっなんか情けないよぅ、お姫様もこんな感じだったのかなぁ?数日間磔にされてたって言うし。お姫様なんてプライド高いだろうからこんなの耐えられなかっただろうなぁ、私だってイヤなのに。こんなとこ先生来ちゃったらどうしよう、あ〜ん!



「しかし鶴見も物好きだなぁ、自分から磔にされたいなんて。お、なんか葛藤してますよ。煎じ薬が効いてきた頃合いかな」
「物好きは朔元先生でしょうまったく、ただの利尿剤に悪霊除けとはいい言い訳ですねぇ、その上ケーブルまで引いて実況中継ですか、クククク」

「鶴見みたいな利発な子がおもらしなんてねぇ。今頃どんな頭になってるんでしょうかねぇ?考えただけでもたまらないですよ。望山先生だってそう思うでしょ」
「私はどちらかといえば磔の方が興味ありますからな。あの葛藤の表情たまらないですなぁ〜しかしこんな事が出来るなんて感慨深いですなぁ、うんうん」

「姫を磔にした代官の子孫の娘が維新のゴタゴタで磔にされ虐殺されそうになった際、隠れ異教徒の長が『姫の悲劇を理解し子々孫々まで村に伝え残す事で全てを水に流し、村を繁栄させましょう』の一言で、理解の象徴として代官の子孫の娘を一晩磔にする事が行われたのが真相ですからね。確か鶴見の家系は代官の子孫で僕らは姫一党の子孫ですからね。ちょうどいい頃合いだったんでしょう、儀式が廃れていろんな悪い空気がこの村にも漂ってましたから」

「まったく鶴見には感謝しなきゃならんな。我々子孫が磔風景を見て溜飲を下げるのも儀式の目的の1つだからなぁ〜いい映像も拝めたことだし我々の先祖も喜んでいる事でしょう、クックック」

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