「まったくしょうのないガキだ。今度こそ大人しくしてるんだぞ」

 また猿轡を咬まされ声を自由に出す事は出来なくなってしまった。さらに自由が利か
ない様に足を念入りに縛られてしまう。もちろん、せっかくもがいて弛んだ上半身の縄
も再度締め上げられて。

「クグッ…ムグッ…うぅぅ」

 男が遠くに去った気配を感じ、何とかしようとまた身体を揺すりもがく少女。しかし
さらに念入りに縛られた上にきつく締め直されていてはもがけばもがくほど身体に縄が
食い込むばかりである。

「ウグ…グムゥゥ、グゥゥっ」

 痛みに耐えながらも夢中に縄を解こうとして力を入れ呻いた時、ハッと気付くと先ほど
の彼女を誘拐した男の姿が。逃れようと夢中になりすぎ、男の近付く気配に気付く事が出
来なかった。見上げると男のニヤニヤした顔が少女を見下ろしている。

「お嬢ちゃん、だいぶ頑張っていたみたいだねぇ。で、俺の言う事を利かないでいた成果
はあったか?縄は弛んだか?」
「どうやらその顔を見る限りじゃ僕の言う事を聞く気はさらさら無いようだな。じゃぁ、
こっちとしても本意じゃないけどすこ〜し言う事を聞く様にしなきゃいけななぁ」

 男は落ちている縄を拾い上げ彼女に近付く。猿轡を咬まされた口から呻き声が上がるが
その声にならない声を無視し彼女の腰に縄を巻き付けた。
 

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