「ううっ…ううぅ…」
 彼女の苦悶の叫び声はすすり泣く声へと変化した。
「まったく、しっかりと運動してるから日焼もずいぶんだな」
 日射しの時間が短いとはいえ、秋晴れの土日も休まずに部活をしていたせいかサポーターを脱がせた部分が日に焼けていない。部活に一所懸命なのはいい事だが、治療の方にも一所懸命通 って欲しい。個人的に好きな子だという理由もあるのだが、ここまでしてしまってはもうそれも無いかもしれない…。そう思った私はままよ、とばかりにさらに荒療治をする事にした。
「ちょっと膝だけ針打ったんじゃダメかも分からないから、腿からお尻の方にかけてもすこし見てみようか」
「ウウッ〜!ウグムグウウウウ!!!!!」
 自分でも良く分からない治療の理屈である。でも言ってしまったものはしょうがない、私は苦笑しながら彼女のスカートの中の体操パンツに手をかけ、一気に引き脱がす。腿の半分あたりまでこちらも日焼の跡、本当に陸上好きな子なのだと感心する。
 しかしここでひとつ誤算。一緒にパンツまで脱がしてしまったのだ!もう彼女は私が治療をしているなんて思っていないだろう。私の行為はただのセクハラ、いやそれ以上のハレンチな変態行為にしか見えない。
 もうこうなったらどうしようもない。私はすすり泣く彼女に向って言った。
「いいかい、大人しくしてればパンツ返してやる。しっかりと治療を受けるんだ。そして通 院もしっかりとするんだ。でないともっと恥ずかしい目にもあうし、写真もばらまくよ…」
 私はそう言って携帯に彼女が縛られている姿を納める。カシャッと電子合成されたシャッター音が彼女のすすり泣きとともに院内に響いた。

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