「ウ・・ムグゥ、ウググッ」
 少女の口はガムテープで猿轡をされてしまう。こうなってしまってはどうしようもない。男達はあきらめの表情を少しながらみとったのか、ノートをめくり話しかける。真実を教えるために。それが彼らの正義なのだ。
 「さぁお嬢さん、まずは君のお父さんの秘書時代から話してあげよう。君がまだ産まれる前の話だ」
 父親の行状が男達の口から詳しいコメント付きで語られる。(嘘!そんなの絶対嘘!)彼女の心の中では葛藤が始まっていた。男達の口から発せられる言葉を何とか否定しよう、遮ろうと彼女は呻く。その声は理解出来る言葉にはならず、そんな呻きを無視して男達は話をすすめる。何とかして声から逃れようと呻き、身体を揺らすがそれは惨めな、ささやかな抵抗でしかない、そんな様子を楽しみながら男達は自分達の正義を実行するのだった。
 

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