「さぁ、準備は出来たか?撮影をはじめるぞ」
 「そんなに恐い顔しないでよ、シノンちゃんてばさ〜、これだってお仕事のうちなんだからね」

 視聴率の大幅アップを目論む上層部の鶴の一声で企画された番組「艦内サスペンス劇場」。今日はそのワンシーンの撮影だ。
  艦内に忍び込んだ帝国のスパイに監禁される役どころが今回の彼女の役柄、監禁される訳だから当然縛られるのだが、ここは視聴率アップのためエロ萌えマニアックな縛りにされてしまう。

 「ねぇ、ちょっと…これ…なんか変じゃありません、いくらなんでもこんな縛り方はスパイでもしないと思うんですけど…」
 「シノンちゃ〜ん、おしゃべりはイイからさぁ、ちょっとこっちに目線くれるぅ?こっちを睨む様な感じでさぁ」
 自分の意見を無視されてちょっとムッとしたせいか良い感じにオッケーが出た。そして休憩時間。
 「すいません、縄解いてくれませんか?ちょっと痛いんですけど」
 「メンゴメンゴ〜、でもねぇこのシーン重要だからさぁもうちょっと我慢しててよ〜」

 休憩時間が終わって撮影再開。監督が悩んでいる。
 「どうも緊迫感が出ないなぁ?ちょっとライトとあれ持ってきて」
            


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