「や…止めて下さい!娘には手を出さないで下さい。この子をこんなに頑なにしてしまったのはこの私なんです!手を出すのは私にして下さい!!」
  縛られて自由のない身体を震わせ、彼女は抗弁した。 (絶対にこの子だけは、娘だけは!)

「ほぅ、ホントにいいお母さんだ。だけどこいつにはそんな言葉みじんも届いてやしないぜ、こんなガキはちょっとイタイ目見ないと解らないぞ」
「そんな事ありません!娘はとてもいい子で…悪いのは全て私です。だから…お願い………」
  娘はいつも「おばさん」と呼んでいる彼女の必死な姿を見て思う。(こんな状況で私を助けようとしてくれている、いったい何故…これって何?私の今までって何?)

 

「おっと、悪いけど奥さんと議論する気は無いんだ。僕らはサンタだからね。ん〜今の話を総合するには2人とも悪いってことなんだな」
「そう言う事なら話は早い。君達の様な悪い人にも平等にプレゼントをおいていくのが我々の使命だ。このプレゼント、中からカチコチ時計の音がするだろう?ククク」

 確かに箱の中から音がする。そして彼らの笑みを見た途端それが何であるのか、縛られた2人が気付くのに時間はかからなかった。
「お願いです、お願い…この子、娘だけは助けて!お願い!」
「ダメだよ奥さん、もう裁定は下りたんだ。さてと、そのうるさい口を塞いぐのと逃げられない様にもっときつく縛ってやるか」

「ヤッ!ヤダ!止めてくだ…むぐうぐぅっ」
「いいかい、途中でカチコチ音が大きくなるから、それからちょっとしたらどういう風にななるんだろうなぁ?フフフ」

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