2000年7月29日(木)
東京:Zepp Tokyo

SUPER DRY MUSIC SPIRAL 2000
P-STOCK LIVE "Millennium Star" 2000 SUMMER


●セットリスト

  1. 女を捜せ
  2. ダブルバーガー
  3. 接吻
  4. ティラノサウルス
  5. R&R

・田島貴男(Vocal & Guitar)
・木暮晋也(Guitar)
・L?K?O(Turntable)
・平井直樹(Drums)
・松本健一(Sax, Keyboads)
・神田剛(Bass)


マルヤマさん

 Prime Tune会員の方に取ってもらったチケットは“67番”、「結構良い番号なのかも」とちょっといい気になっていると「チケットは5種類あります」というスタッフの拡声器からのアナウンス。ということは、自分以外にもあと4種類の67番があるとわかり、がっかり。
 中に入るとチケットには“1F立見”と表記されているにも関わらず、座席が並んでいました。訊いた話によれば、どうやら開場直前になって並べられたらしいのですが、この後Liveが約4時間の長丁場になったことを考えると、これで良かったと思いました。

 今回は5バンド参加のいわゆるショウケース・スタイルのLiveだったので、それぞれのバンドで反応する客がはっきりと別れていたのが面白かったです。

 司会の奥居香と演奏を終えたスナッパーズのSub Stage(ステージ向かって左側)での番組用Talk収録が終わってしばらくの後、21:40頃に奥居の「田島さんの新しいGuitarにも注目して下さい」というMCの後、Main Stageで待機していたメンバーに照明が当たり、演奏がスタート。

 Bassistが交替した新たなLine Up(今日が2回目)でのライヴ・パフォーマンス。田島っちは“adidas”の青のサッカーシャツにジーンズという服装で、髪は耳が隠れる程('97年のTourの時ぐらい)の長さでした。やはり暑くてジャマになったのでしょうか?
 木暮っちはマッシュルームヘアが更に伸びて目がすっかり隠れるほどの長さ。ますます、ニューウェーヴ度が高くなってきた感じです。
 この日初めて見る神田氏はスケーターファッションで田島っちよりも更に背が高く、構えたBassがよく似合っていました。
 L?K?Oはまたしても髪型が変わり、ベリーショート。
 Guitarは田島っちが白のモズライト(後述参照)。木暮っちはお馴染みのギターシンセ。

1. 女を捜せ
 PAのバランスが悪く、Vocalのヴォリュームがやたら大きくて音割れの一歩手前。その代わりTurntableの音が極端に小さく、バンドのアンサンブルの中核を形成する要素がひとつ減ってしまったようでした。
 この曲では平井氏のDrumsがVocalのフレイズに合わせているような叩き方で、リズムがVocalと一緒に唄っている様に聴こえました。
 新たなLine Upになったことでおのずと気になるBassですが、全体的には平均点をクリアしている感じだったので、これだったらまぁ大丈夫かなと思いました。ただ、沖山さんは全員の音がやんだブレイクの時にすかさずアドリブを滑り込ませる言わずもがなの凄腕プレイヤーなので、そういう部分での物足りなさはありましたが、もし今後このまま継続して参加していくのであれば、もっとバンドのアンサンブルに深く入り込んだPlayを披露してくれるのを期待したいです。
 木暮っちは前のめりに体を前後に折り曲げながら、前のめり気味にヘッドバンキングしていました。

2. ダブルバーガー
 Maxi-Singleでようやく発売されたからか、やはり観客の反応は以前と比べて大きかなったようです。
 松本さんのSaxはBaritone Sax。
 この曲を聴くと、この日の他の出演バンドと比べて圧倒的にアンサンブルのグレードや音の密度といったもののレベルが格段に上であるということを思い知らされました。
 個人的には歌詞の内容が判明した現在、これからLiveでこの曲を一緒に歌うべきか、今しばらく悩んでいます。

3. 接吻
 タネを明かせば「番組向けに」というスタッフからの要請があったからとはいえ、この曲が聴けて単純に喜んでしまいました。当然観客の反応は(オリジナル・ラヴ以外のバンド目当てで来た人たちも含めて)この時が一番高かったです。
 特に松本さんが演奏するエレピやハモンドの音色の感触はCD収録のOriginal Arrangeにかなり近かったです。平井氏のDrumsもタイトな叩き方ではあるものの、返しを意識した叩き方で“リズムの揺らし”を再現していました。
 この曲の間じゅう、田島っちはGuitarをほとんど弾いていませんでした。
 いくら自分の作品とはいえ、一時期オリジナル・ラヴのパブリック・イメージをこの曲でばかり語られるのを嫌がりしたけれど、時間を経てようやく過去の作品として他の曲と並列に扱えるようになってきたのでしょうか。あるいはやっと“変身後の音”を掴めたという意識が持てたことで、適度な距離を置けるようになったのかもしれません。

4. ティラノサウルス
 ここ最近は歌い出しをGuitarの小刻みなカッティングに乗せていましたが、この日はDrumsのカウント後イントロなしで始めていました。この出だしもいいです。演奏自体はいつもより若干テンポが速かったようです。
 「都市の身体に〜」のところでは、神田氏は半ばステージに背を向けるようにして平井氏を見ながらリズムをキープしていましたが、そんな彼の姿をちらっと見た田島っちが、更にその田島っちを見た木暮っちまでもが彼に合わせるように後ろを向いて弾いていました。
 間奏部分(いつもより長めでした)での見せ場である、L?K?Oの指でフェーダーをはじきながらのTurntable Playも、先程のPAのバランスの悪さのせいでよく聞き取れなかったのが残念です。

5. R&R
 この曲で木暮っちは黒のストラトキャスターに、田島っちは5/27の「FACTORY 8」の時にも使っていた赤のギターにそれぞれ替えていました。松本氏は最初はハモンドを弾き、後半でSaxに持ち替えて吹いていました。やはりこの曲も先程の「ダブルバーガー」同様、観客の反応が高かったです。
 この日はVocalも比較的淡々とした感じで、スローになる所での“エルヴィス度”はかなり少なめでした(ただし、2番は歌詞を間違えていましたが)。後半のリピート部分では、やはり「FACTORY 8」の時と同様にGuitarを降ろしてマイクスタンドをやおら掴む田島っち。時にStageに跪きながらGuitarを弾く木暮っちの肩に手を掛けたりして唄っていました。

 「どうもありがと、どうもありがと」という田島っちの言葉を最後にメンバーが退場して、オリジナル・ラヴのStageは終了しました。
 演奏曲が5曲という短さから、場内から「え〜っ」という声と共にアンコールを求める手拍子。「ひょっとしたら出てくるかもね」と思いつつ自分も手を叩くも、すかさずスタッフが機材の片づけを始め、直後に再登場した奥居が「せっかくアンコールしてくれたのにみんなごめんね」とすまなそうに喋り、手拍子は鎮まりました。

 その後Sub Stageにて行われた番組用のTalkでは、田島っちは先程演奏に使用した白のモズライトを持ちながら登場してきました。その時のやり取りは要約すると、

・このLive前に収録された番組(「P-STOCK」8/4放送分)でクイズが出され、全て正解するとモズライトがもらえるということで田島っちは張り切ったものの、奥居はスタッフから高額商品だから絶対にヒントは出すなといわれていた最後の問題に答えられず、田島っちはすごく落ち込んだ。結局、番組収録後スタッフに交渉して安く譲ってもらえた。

・「(今日は)スタッフに『懐かしい曲をやってくれ』といわれたので、(「接吻」を)やりました」

・今回は番組の企画で“田島貴男”という姓名を75歳の占い師に占ってもらった結果が書かれたフリップを紹介する奥居(これは田島っちだけでなく、各バンドとのTalkの時にメンバー全員分を紹介していました)。“芸人として大成しにくい名前、改名した方がいい”といった類の内容に「なんなの、これ!?」と、奥居の最初の話を全く聞いていなかったかのように、ちょっとむっとしたような反応。しまいには「こんな占いなんて信じちゃダメだよ。やっぱりね、自分で切り開いていかきゃダメなんだよ」と番組の意図を全く解していない発言に、奥居も続きを紹介するのをやめてしまいました(奥居もこの企画自体にあまり乗り気ではなかったようです)。

・「今回のAlbumでは“音楽を聴いて元気になること”ってどういうことかを考えた」

・「ジャケットではちゃぶ台ひっくり返してますんで」

 といった内容でした。


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Page Written by Kiku^o^Sakaaki