1999年7月17日(土)
東京・日比谷野外音楽堂


●セットリスト

  1. Wedding of The Housefly
  2. ティラノサウルス
  3. 大車輪
  4. インソムニア
  5. ドラキュラ
  6. ブロンコ
  7. 宝島
  8. Million Secrets of Jazz
  9. 少年とスプーン
  10. STARS
  11. 青空の向こうから
  12. Hum a Tune
  13. Let's Go!
  14. 羽毛とピストル
  15. The Rover
  16. 水の音楽
    encore
  17. 冒険王
  18. 朝日のあたる道
  19. ハニーフレッシュ


MEMO:
ツアーでは初めての野外公演。
FIREWALKING ― ORIGINAL LOVE TOUR 1999 焔歩』に収録。


そふぃさん:C2列132番

  今回のライブの感想はまさに悲喜こもごも。「Wedding of the
Housefly」での演出(ディスプレイに模した箱をかぶって登場、
スイッチを入れて曲が始る)は、どちらかというとクラブ仕様で、
野外だとちまちましてしまう。また出だしから1/3の間は特に、
昨年のツアーと基本的に曲順が変わっていないのが気にかかった。
ティラノは、元々の曲構成からして幅広いアレンジに耐え、97年
以来ライブには欠かせない曲となっているが、欲張って色々詰め
込みすぎて、今回は消化不良の印象。「break through…」以降
の展開など面白い要素は沢山あるのに。問題の大車輪のホーン
アレンジにも変化が無く残念。

  SMのイメージは「羽毛とピストル」にあったので、「インソム
ニア」でベルトはずすとは思わなかった(笑)。でも折角振り回した
ベルトをまた締めるのはちょっとマヌケ。(^^;; (この後皮パンを
引き上げる仕種がライブ中2〜3度見受けられたと思うが、やせたの
ですか、田島さん?)演奏面では、もっとたたみかけるように生
リズム隊を絡めてもよいのでは。

  ターンテーブル2台のブロンコ。そして宝島。打ち込みやターン
テーブルを絡める音楽のツボは、サウンド面の斬新さよりリズムの
つくりかも。ライブもこの辺までは「祝・佐野康夫 Original Love
復帰!」という感じで、佐野さんの魅力がライブを引っ張る。

  日も暮れてきたところで「Stars」。この曲でキャデラックを
使っているのは初めて見た。貞子の呪縛(ドラマ主題歌、テレビ
放送といった枠組み)から野外という空間に解き放たれて、よう
やく音の重厚さと曲の真価を見た気がする。心地よかった。(^^)

  ゲストのゴローさん登場で「青空の向こうから」。彼のアルペン
ホルンのような(?)管楽器の事は何も知らないが、ニューオーリン
ズから一気に舞台がアフリカに飛んだような、原始的なFunk。
ギタリストとしての田島さんの魅力も引き出されたセッション。
そのゴローさんも加わっての「Hum a Tune」が個人的な今回の
ベストプレイ。ゴローさんの楽器の地鳴りのようなうねりに、曲
全体もアフリカの大地を歩いて行くような印象。振り上げた両手の
指先まで、生きる喜びに満たされるような心地良さ!。続けて
「Let's Go!」この辺はもう、盛り上がりまくりの、叫びまくりで、
まさに最高!の状態。
 
 でも「Let's Go!」のエンディングのアレンジに盛り下げられて
しまった。(T-T) 何を絡めても構わないが、最後にピシャっと
リズム隊のキメを持ってこないと、折角のグルーヴィーな状態が
フェイドアウトされて心地悪い。羽毛にも同様の感想。(しかし松本
さん、お疲れ様でした。)

 「水の音楽」はリズムの細さ・不安定さが気になった前回ツアー
より、佐野さんの加入によってぐっと演奏力がアップ。ヌキが
にくい! 個人的には生ピアノを加えてほしいところだが、この曲
の醍醐味である、歌詞も含めたまさに水の流れのような全体の
うねりがでて安心して聞けた。それに田島さんは、やはり歌える人
なのだということにじんとくる。

  本編最後はステージに松明のような炎をともして、昨年のツアー
と同様のインスト曲(?)。「キャンプファイヤー」というより(笑)もっと
原始的なイメージを感じた。ただ、ネタを知ってしまっているので、
今一つスリルは感じられず。新曲につなげる等、新たな展開に
期待。

  サビがピチカートの「陽動作戦」に一瞬重なる「冒険王」。CD
での印象は「オルタナ版 Your Song」。しっかし、よくあそこまで
へそ曲がりな仕上がりにしたもの。いびつさが奇妙に印象に残るが、
ライブでの演奏は思ったより素直な展開だった。そしてアンコール
の見せ場、「ハニーフラッシュ」。踊っていて「なんてアホな名曲
なんだ! (T-T)」と感涙。花火は予想はしていたが、許せるお約束。
最後の絶叫には、もう何も言うことない!
(しかし、「変わるわよ」のサンプリングはしつこいぞ!)
 
 なんだかんだ言いましたが、Original Love初の野外ライブ自体
は十分楽しませて頂きました。汗だくで蚊の餌食となりつつ踊り
狂った解放感! (^^;; 同じツアーの中でクラブも野外も演出する
のは、客の想像以上に大変なのでしょうね。帰ってから「L」を聞き
つつ思ったのでした。


[1999年夏]
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Page Written by Kiku^o^Sakamaki