1997年12月6日(土)
東京:渋谷クラブクアトロ

[セットリスト]


福井さんによるライヴ・レポートです。

ファンは何か特別な意味を見出そうとせずに はいられない。恐らく今年のツアーは一度も見ていないという往年のファンも、「クアトロでやるなら・・・」と何かを期待して集まっていたはずだ。

果たして田島はクアトロに向けて何を用意していたか? 「灼熱」「Two Vibrations」「Let's Go」「フィエスタ」というダンスナンバー だった。
「クアトロという小箱向けの妥当な選曲だ」と言われたらそれまでだが、俺は ここに田島からのメッセージを感じ取りたい。

つまり、田島は「ダンスミュージック」を一つのキーとして音楽をやってきた。 根っこは変わっていない。来年はダンサブルなアルバムを作るぜ!という メッセージだ。

ちょっと前にも話題になった「月カド」における山下達郎との対談の中で、 面白いくだりがある。
「田島君の作る曲は何故スイングしているものが多いんだろう?」という達郎の 質問に対し、田島は「ライヴハウスでタイバンが出ると、リズムの強いバンドに 負けてしまう。負けたくない、という気持ちがダンスミュージックを作らせる」 といった内容の回答をしている。
「タイバンに負けたくない」という気持ち!そうだ、それが「ロック」だ!(笑)

「結晶」が出た頃のミュージックマガジンの評を読み返してみると、「田島貴男 はまだ若いのに、随分老け込んだ音楽をやっている」と評されている。 それ以降、田島の「老け度」はますます加速していくわけですが・・・(苦笑) その後の「月カド」でBOOMの宮沢君との対談があるが、そこで田島は「同世代の ミュージシャンで恐いと思う人はいない」というようなことを言っている。 それは傲慢、というより、不勉強だ。
今年は田島と同じあるいは少し下の世代のミュージシャンの活躍が大いに目立った 年であった。真心Bros、山崎まさよし、スガシカオ、エレファントカシマシ・・・ こうした現象は田島に刺激を与えたのではないか?「負けたくない」という気持ち を久しぶりに起こさせたのではないか?

田島は久しぶりに「同世代のミュージシャンに負けたくない」と思った。そして、 その気持ちが「リズム主義」を復活させた。と福井は(善意に)解釈する。(笑)

最後に「TIME」をやることによって、田島の「ダンスミュージックを基盤として 進化してきた姿勢」の表明が完結すると思ったのだが・・・まあそう思惑通りに はいくわけもなく。(笑)

しかし最後がやっぱり「夜をぶっとばせ」というのはちょっといただけないかな。 来年は「ダンスミュージックばりばり」のアルバム、期待しております。>田島様



でじま@そに〜さんによるライヴ・レポートです。

初めてのクアトロ。

整理番号401番で入ってみると、ダンスフロア(というのかな)は既に 半分くらい埋まっている。そこでコンノさん、竹内君、三室君と合流。 飲めもしないのに、ビールを受け取り半分くらい飲んでしまう。 んん、既に雰囲気に飲まれている私。なんかスゴイことが始まりそう。

田島登場。。。

もう、その後は冷静じゃなかったんで、言葉に表せられない。 灼熱と Two Vibrations を初めて生で聞けた。それだけで、満足。 自分も異常、周りも異常。みんな大興奮。
今、少し冷静になった頭で考えると、アレは何に対して盛り上がって いたんだろう? 本当にオリジナル・ラヴの音楽でそうなってたの? そう疑問形が浮かんでくる事はくるけど、でも、そんな事はどうでも いい気がする。あんまり問題じゃないかな。私にとっては。たぶん。 なんていうか、、、そういう異常な盛り上がりの中の一人になれた、 田島を見て聴いてそうなれた、それだけで。#根が単純なので。(^^;

とにかく。皆をそういうふうにしてしまうオリジナル・ラヴは、 やっぱりイイ。大好き。愛してます。

知らなかった世界を私に見せてくれて、ありがとう! オリジナル・ラヴ、田島貴男、BTMLの皆さん、ありがとう!



くさかべさんによるライヴ・レポートです。

それにしても、頬は膨らんできたけど、田島も罪な男やね…。

ライヴ見てて思ったけど、田島の真っ芯には、やっぱ、 熱い血、あると思う。

例え触発されて出てきたものだって、あーんなに熱いリズム、 他の人にはやっぱ出せないよ。濃い男だ。
あの日、わたしは今回のツアーで初めて、アタマ真っ白にしてノることができて、すごい嬉しかったです。 気持ち良くって、目閉じちゃう。
っての、1年ぶりに味わえた。
もー田島先生には、お腹の中から腸がはみ出すくらい、 いろんなもの雑食しまくって欲しい。それだけ。 来年にはまた変なの出てくるね。

どの曲だったんだか、もーてんで分かんなくなっちゃってて。 カントリー入ってたのはサーディンだったか。
あと別のどれかでもやっぱりあったよーな気がする。 わたしもノりながら微苦笑してしまいました。 だってサビなんだもん。
そして某氏のこれからはカントリー!!説を思い出してました。 この次は是非ともご一緒に夜をブッとばしましょう〜!!



みわたさんによるライヴ・レポートです。

▼スピーカのまん前

Quattroでの私のポジションのこと.初めはBTer5〜6人でいたのですが,ライ ヴが始まって,後ろからいろいろと押されていくに従って私のポジションは右 前へシフト.で,結局ステージから見て左手のスピーカの前へと押し流されま した.あとはそこで狂いつつ田島をじっと見る.音というか振動に圧倒されて いたので,アレンジの変化とかは全く分からなかったです.
# でも後ろの"バカ騒ぎ" ^^; はかなり聞こえました.
# 全然気にならなかったんですが. ^^;

至近距離から見たのが初めてだったので気付いたこと.表情にはあんまり出て こないんですね,感情.非常に冷静にバカをやってるような印象がありました.
# この先を書くのはヌードよりも恥ずかしい(c)中山美穂なんで,自粛.

自分としては「これまでライヴで聴いたことのなかったものをやってくれた」 からではなく,「自分の中で最も好きなオリジナル・ラヴの楽曲」という部分 で聴けたことに対して満足."Hako"で聴きたいとセレクトした10曲を見返して みたらその中で5曲をやってくれていました.あの時は自分が好きな曲だけを セレクトしたつもりだったんで,その再確認となったです.

ただ,"11"からのというか新しめの曲がアンコールでゼロだったのは少し寂し かったです.それがあれば今年に何か掴んで来年へつなげる,って流れも分か りやすかったように思います.アンコールでフイエスタ〜Body..と続いた時は この調子でどこまでつっ走ってくれるんだろうか,と思わせるものを感じたの ですが,毎度お馴染みの「月の裏」イントロ聞いた瞬間,大団円が来たという か後の展開が読めたなぁ,と皆思ったりしませんでした? 私は強く思った.

12/6にリクオのペテン師ダンスを習得.一体何に使えるんだ(爆)


なかにしさんによるライヴ・レポートです。

 結構騒いでたなあ。自分でも意外な程に。

 まさか今のオリジナルラヴのライヴで声嗄れるまで騒ぐなんて  思いも依らなかった。あんなに歌うってことも。 

 ってなことで、いつのまにやら「酒呑んでオリジナルラ部」な私。  やっぱり皆でワイワイ言いながらライヴ観るのって楽しいな、って  思ったかって? 少し思いましたよ。だって正直楽しかったし。

 でもねぇ...。

 騒ぎながら冷静に考えて(私はそーいうことよくやるんです。決して意図的ではなくて自然にそうなるんだけど)先ず感じたのは「俺は田島に狂喜しているのか?それとも田島に狂喜しているBlueTalkerに狂喜しているのか?」ってことでした。

 適当に酒入って適当に盛り上がってれば、毎回あの位のことは出来ると思う。でもあの時、私の目は絶えず田島を見ていた訳ではないのも事実で。

 「その場の空気に酔い知れる」ことも大事だと思うんですよ。それが良くないと言ってる訳ではない。だって、ビデオで映画観るより劇場で観る方が楽しいでしょ? 「空気」あっての臨場感ですからね。でも、どうせ見るからには主役に釘付けになりたいってのもあるじゃないですか。

 この日のオリジナルラヴに、「えっ?」と思った瞬間も確かにあったけど、全体的には何だか中途半端な印象しか残らなかったんですよね。

 やけにルーズにウネる「ペテン師」から、何か今日は違うかも、という雰囲気はあったし、遂には「灼熱」「Two Vibration」のメドレーまで飛び出し今年初めて(笑)オリジナルラヴに対して「ヤられた!」と思ったけど、でも、その気持ちが持続しない。アップな選曲に思わず体は動くものの、バンド自体に魅力がない(というか演奏はこなれてきてるが「バンド」の一体感がない)ので、拡がった視界がすぐ萎んでしまう。

 田島は田島でろくにMCも入れず、やたら性急に突き進んでいく。でも客の盛り上がりに呼応してというより何かから命からがら逃げているようにも見える。折角収束した視野が彼を掴えようとするのに、肝心の田島がブレているように思える。

 そう感じながら「ヤられた!」とか「あれは卑怯だよ」なんて言ってるんだから変なものだけど。でも、私はそう言うことで様子を伺うつもりもないし、勿論人に媚びて好かれよう(笑)なんてこともない。田島に対してというより、「音楽」に対してそんなことするようになったら、私の人生殆ど終わったような のだから。音楽にぞんざいになったら、それは私の「死」を意味するも同然だから(個人的な話してどーする(苦笑))。

 では何故そんな言葉が口を突いて出たのか、何で私はクアトロの後ろで騒いでいたのか。脳裏には「今日は特別」の文字がぶら下がっていて、時々視界を妨げているにも関わらず。

 「クアトロだから」「ライブハウスだから」というフィルターをかけたくない、という話を前にしたけれど、それでもそういうキーワードには反応してしまうもので、私だってライブハウスという空間で田島やバックメンバがどう化けるか、もしくはどんな意表を突いた選曲をしてくるのか?そういう部分に凄く興味がある訳です。

 そういう状況下の「化学変化」を心の何処かで期待(切望?)して  る自分がいる。過去3回不満もあったが引っかかる部分もあった、何だか判然と(釈然と)しないけど、でも何か頭の片隅でプラプラ揺れていて、時々目に入るものがある。私はそれを「騒ぐ」ことで無意識に掴み取ろうとしたんだろうか? でも田島はその手をすり抜ける。

 何なんだ一体、これは?

 紙一重のところで「懐メロ」にはなっていなかったと思う、かと言って何か新しい展開が見えた訳でもない。田島の性急さは我々に結論を用意する隙を与えない為のようにも思える。それはそれで構わないのだけど、やはり最後は「夜をぶっとばせ」というお決まりのナンバーで、これでは潔いのか何なのかすら解らない。

 あの「プライマル」をカットしたのは正しいが、どうせ演るなら「JJJ」と「ローラーブレイド」をメドレーにする(これには「引導を渡す」という重要な意味もある)とかアンコールの弾き語りは「Time」でしょう、「Deeper」を有効とするのならやはりバンドで「ジャッジメント」もアリだよな、とか、これ以上考えてもあまりに個人的な思い込みになってしまうので(苦笑)そろそろ書くのを止めますが、何かキツネにつままれたような、そんな腑に落ちない夜でした。

 ただ、今のバンドでメドレーやちょっとしたソロ回しが出来るということは(演奏の優劣はともかくとして)「クラブ仕様」ということ以前に、バンドを有機的に動かそうという田島の思惑も見え隠れする訳で、そこにはちょっと期待していいかな、と思います。 

 『Desire』『11』での実験を経て、次作でどのような世界を構築するのか。「プライマル」や「アンブレラズ」で見せた極上のポップセンスと躍動感みなぎるバンドサウンドとの幸せな結末。今の田島が指向すべき道はそこにこそあると考えます。

 あと、リミックスは他人に発注した方がいいぞ(笑) > 田島

 『Sessions』の方法論を『11』で展開するという余裕があればもう少し面白くなったと思うのです。思い切って11人のプロデューサーを立ててみるとかね。一度他人にコナゴナに壊して貰えばいいんです。「お山の大将」にしておくにはもったいないから。


おおつか@東工大さんによるライヴ・レポートです。

4日の中野サンプラザは随分覚めた目で観ていたのに 今日は180度違っていた.
いままでのライヴでいちばん踊って,跳ねて,歌っていた. #なんて現金な自分(苦笑)

いやきっと,バンドの事がプレッシャーになっていたんでしょう.

(セットリスト)

1. は少しアレンジを変えて,テンポもスローに. 「やはりきょうは何かあるのか?」と期待が膨らむ. 終わりはCreamのWhite Roomっぽかったけど,あまりメロディーとマッチして いなかったような.嬉しいやら悲しいやら.

4. でなかなか楽しいアレンジを聴かせてくれて,でもまだまだ満足しないよと 思ってた僕は,次の2曲(しかも続けざま)でぶっ飛びました (^o^ たまたまライヴ前に「Two Vibrations? 佐野さんと小松さんでなきゃ,あのノリは出せないでしょ」 なんて言ってたのに,まさか演るとは.
冷静に,小島さんがどんな音出してるのか聴いてみようとする. ……ダメだ.よくわからん (^^;

カッコ良い音でした,小島さん.沖山さんもさりげなくすごい.

4日のサンプラザの時に大いにネックになった7.ですが…… やっぱり「根本は変わっていない」んですよね. でも今回は,田島さんが操作してるのを目にしたので そんなには引かずに済んだかなと.

曲順と順番が違いますが 14.ティラノの時も,田島さんが袖の方に向かって 音を出すよう合図を出したのを見て,ステージの人が操ってる部分が あるのがわかって,こちらもそれほど引かずに済みました.

これじゃ何言ってるんだかわからないですね. ステージの外の音にステージの人が合わせるのは見たくないんです. でも,ステージの人がステージ外の音を操っている部分もある, 音自体はいじれないんだけれども,その音を出すタイミングはステージの人が 決めているというのが確認できて,少し良かったなと思ったわけです.

しかし……アンブレラズはとても好きなんですけどね…… ライヴなのですから,すべての音はLIVE(生)で出して欲しい. 来年はぜひ,田島さん.

9. は好きな曲で,今年3回観に行って3回聴けたのは良かったんだけど このアレンジは好かん,です(^^;
リズムの変わるところが唐突なんですよね.特に「今日も.」のあと.

12. も,久々に聴けて嬉しかったです.

まわりも再びヒートアップしてた気がする. 灼熱とかと同じで,冷静に評価できませんでした.

...さて,本編が終了して,
「またあのアンコールかなぁ……」と,半ば諦めていたのですが
#ライヴでの「もにもに」「プライマル」の僕の評価は余りよくない
アンコールも違う曲を持って来てくれました.やるね〜っ (^o^)/

15. 他のどの曲よりも強く手を叩き,大きく手を振ってたような気がします. 大声で歌ったのは言うまでもなく.この日のベストチューン.

18. は……贅沢かも知れないけど,予想外に歌ってくれてこそこの曲は嬉しいんですよね.

2日前に聴いてるから,こちらとしては3度目のアンコールに 「夜をぶっとばせ」ではない予想外な何か,特別な何かを求める. 今夜は特別なんだから,締めの曲もそれに相応しいものであるはず.

でも,予想通りに終わってしまった.
僕が「もう1回,もう1回」を繰り返したのは その部分が満たされなかったからです.#単純やね

終了後のアナウンスが田島さんと知り,複雑な気分です. 「外は寒いですから……」なんて心遣い,ライヴ直後の人が良くできるなぁと 感心する一方,今喋るくらいならもっとMCしてくれよという不満が募る. #今まで田島さんがロクにMCするの見たことがない

でも,さっきふと思い出したんですよね.
モグラネグラの田島語録のようなコーナーに出てた 「ステージに立つ人は誰よりもホットであり,かつ誰よりもクールでなければ ならない」という言葉.
#主語は「ボーカル」とか「俺」かも知れないです.記憶曖昧

誰よりもクールであるべきなら終演後のアナウンスも当り前にできるだろうし, 熱いステージにMCは邪魔という理由で敢えて何も喋らなかったのなら それも納得できる.
この日の田島さんには,体調や機嫌が悪かったから何も喋らなかったんじゃ ない? なんて疑いを持つ余地が少しもない.

じゃあ,このライヴはどんな意味を持つのでしょう? 福井さんの「ダンスミュージック」と言う意見,なるほど,と思いました. でも今は余韻のせいか良くわからないので,もう少し考えて 自分なりの意味を見つけたいなと思います. 今言えるのは,去年のライヴでは全て「作詞作曲:田島貴男」の曲だったのが 今回5. と6. を演ったように,徐々に過去の曲に対する わだかまりというか偏見が取れていってる,敢えて避けていたのを 受け入れようとしているのが確認できて,嬉しいなということです. (田島さんが「フラットに接する」と言ってたのはこのことかなと思う)


[PART 3]
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