ORIGINAL LOVE presents《BURST!》

第73回 (2000年8月17日放送)


<オープニング>
 
T「今日は久しぶりにリコメンデーション拡大バージョンをお届けしたいと思
 います。夏真っ盛り、残暑近づいてきたところで『レゲエ・ダブ特集』。」


M-01.R&R/オリジナルラヴ

<近況>
 いろんな人の曲をずーっと書いたりしてるという毎日。V6書いたからかどう
かわかりませんけど、ここにきて凄くたくさん依頼が来るようになりまして。
ちょっと多目に受けてしまったかなってところもあり(笑)、かなりスケジュ
ールタイトな中いろいろ書きまくってる訳でありますけど。お陰様でビッグク
ランチついに発売しまして、感想なりいろいろおハガキを頂いて読んでいたり
する今日この頃であります。

 ビッグクランチ発売のインストアイベントというのを僕初めてやりましたね。
お店のところで歌ったりライヴしたり…なかなか慣れないもんでいろいろ不手
際もあり、でもまあなかなか楽しいもんだったなあ。恥ずかしい…タノシハズ
カシという感じでしたけどね(笑)。いやーでも1日に2軒ライヴやるってのは
大変なもんだなあと思いまして。その2軒の間に生放送が入ってその後ラジオの
出演がという凄いスケジュールだった発売日はね。今はいろんなアーティスト
がインストアライヴやってまして。小室哲哉さんとかマライアキャリーとか…
ああいった超大物までインストアライヴやるもんでね。誰でも彼でもライヴや
ってる訳でありますが。2回ってのはやった事ないんで結構疲れたなと。でもジ
ャニーズの人達っていうのは1日5回か6回ぐらいライヴやるらしいですね武道館
とかで。で、入りが朝の8時とか9時ぐらいでしたっけ?で5回か6回1週間バー!
っと続けてやると。それでお客さんは朝の3時から並んでる。すっごい!それ聞
いたら2回ぐらいでへばってたらダメだなと思いましたね(笑)。凄いですねー
ジャニーズの人達。なんて思ったりして。ワシもまだまだ修行が足りんと(笑)。

<今週のリコメンド>
 ビッグクランチ発売されたばかりなんで、その中から2曲聴いて頂きたいと思
います。

M-02.愛の薬/オリジナルラヴ
M-03.殺し

<今週のリコメンド拡大バージョン>
 今日は「ダブスペシャルビックリマーク4つ」です。ダブっていうのはレゲエ
でシングルのB面に…歌モノがA面としますでしょ?で、B面何か入れないとカッ
コつかないなあ、じゃボーカル抜いてインストゥルメンタルを入れましょうか、
でもそのインストゥルメンタルだけだったら何かあれだから、ちょっといろいろ
抜き差ししてミキサーで遊んじゃいましたみたいな。それが発展して…ジャマイ
カの遊び心といいますかいい加減なガキ心とでもいいますか…ミキサーのタグを
ベースだけのソロにしちゃったりだとか…なんだかんだ遊んでるうちに、あ、何
か面白いじゃん!ダハハ!とか笑いながら…で、出来上がって行ったのがダブな
のではないかなと思ったりするんですけども。そんな中でも格別のクレイジーな
人達いろいろいてね。リーペリーとか特にそうですけど。あの人なんかずっと子
供感覚というか赤ん坊のような感覚で音楽に接してしまったお陰でああいったダ
ブみたいな訳のわからない一個のジャンルみたいなものが出来てしまった結果的
に!というようなものなんではないかと。という事でダブってのは歌モノのマル
チトラックを使ったお遊びから発展した謎のトルソーのようなアートみたいな感
じに結果的になったのかなあって今思ったんです僕は(笑)。それにディレイ…
テープエコーをいろいろ駆使して、なんか気持いいぞみたいなところを追求して
いった人達がたくさんいたんですね。で、今日はそういったダブの特集ってのを
したいと思ってます。

M-04.ベターダブ/ダブスペシャリスト

 これはまさにベーシック、典型的ダブといいますか、ディレイがまだたくさん
使われ出してない時代のダブ。音楽を録音する時は基本的に16トラックとか24ト
ラックとか…カセットテープL/Rありましたでしょ?で、片っぽずつ、例えばギ
ターベース、ドラムだけ、歌だけとか、こう一個ずつ録っていく訳ですね。それ
が16種類楽器があると16トラックになるって感じで。それをオンオフしてるだけ
なんですよね。オンオフだけでいいじゃん!うん!カッコイイ!イエ〜!ハハハ
〜!みたいな。それをイギリスのちょっと教養のある文化的なアートスクールの
ヤツ等とかが、お!これはちょっとなんかアーティスティックだなんだって、も
うちょっとカッコ良く発展させていったっていう印象を僕は持ったんですけど。
サッカーのワールドカップでジャマイカ戦ありましたよね。あの人達のサッカー
の様子見てるとホントにジャマイカ的だなと。こう何ともほのぼのとしてるんで
すよね。ボブマーリーの旗持って観覧席でレゲエ踊ってるとか、なんつーのかな
こうかわいらしいっていうのか、我々日本人の、時間に間に合わなきゃ!とかそ
ういう概念がない感覚ったらいいの?ぼやーっとしてるんだけどすごーくかわい
いっていうか、そういう背景から生まれるべくして生まれたというダブ。子供じ
みてるんだけど行きついたところが非常にサイケデリックな、結果的にアーティ
スティックになっちゃったみたいな音楽。面白いなーと。日本では絶対生まれま
せんねきっと。この「ベターダブ」。音がもれてるんですけど(笑)他のトラッ
クに、そういうのも全然気にしない。そういう感じが非常にジャマイカ人っぽい
なと思う訳であります。

***
 次はダブを非常に音楽的なコアなアートまで高めた人物ですね。

M-05.カムアローン/リーペリー&ザ・ブラックアークス

 リーペリーってのはやっぱりディレイの達人ですね。テープエコーの達人がリ
ーペリー。テープエコーのディレイを使って人をエクスタシーに導くっつったら
いいんですか?そういうキングオブドクター(笑)かプロフェッサーがリーペリ
ーだなと。この曲はホントにディレイのセンドのスイッチをオンオフしてるだけ
みたいな曲で(笑)、たまに何故かEQがこうビューっと動いたりしてましたけど
ね。それとテープエコーの設定を微妙に一回一回変えたりしてそれが何か気持い
いんですよね。まあ恐らくいろんな…レゲエってものはガンジャってものがあり
ましてそういった文化が欠かせない訳でありますが、ガンジャっつのは要するに
ドーパミンをたくさん脳の受容体に…気持良くなるっていうものなんでね。だか
ら凄くセクシーなんですよリーペリーのディレイってのは。セックスっぽいって
いうかね。この曲なんかそんな感じでしたけどもね。リーペリーは他に強烈なア
ルバムたくさんありますけど、もう馬鹿ではないかと(笑)言いたくなるような
作品たくさんあって、いろいろ神だなんだと崇められてますけど…神または馬鹿
みたいな(笑)そういう人ですよね。面白いなーと。

***

M-06.バッドボーイレッスン/キングタビー&ヤビーユー

 この曲は完全にオンオフそしてフェーダー操作でちゃんとアレンジされた楽曲
となってますね。ダブが一つのアレンジになってしまったと。しかも非常に計算
されたちゃーんと考えられたアレンジになっています。これ相当何回も何回もオ
ンオフ繰り返して、これは違うな、これはこうだ、とか考えまくったあとあり!
という感じですねこれは。キングタビー…神経質でいろいろ考える…リーペリー
とは全然違う人間性なのではないかと思える訳でありますけど。非常に美しい、
ダブの中でもかなり洗練された作品になってるかなあと思われました。

***

M-07.マネーマネー/ホレスアンディ

 マッシヴアタックで幅広く知られるようになったのかなこのホレスアンディ。
レゲエの人達の間ではもう凄い有名な人ですよね。最初はニューヨークのなんと
かかんとか一派とか言われててね、ニューヨークのレゲエでは凄く有名な。この
暗ーい声で淡々と…ひんまがったような声でカッチョイイ歌を聴かせるレゲエの
人だったんですけど。マッシヴアタックは彼のファンだったのかな?で、ブリス
トルに呼んで…今聴いて頂いた曲はブリストルに移ってからのホレスアンディの
曲で。ニューヨークに居た頃はそれ程ダブって感じではなかったですね。普通の
レゲエだったんですけど…普通っていっても凄くカッコイイ、もの凄く冷たーい
感じのレゲエだったんですけど…ブリストルに移ってからはこういうダブであっ
たり…これはベースやギターの楽器もホレスアンディが弾いてるという事なんで
ひょっとしたらダブもホレスアンディ自身がやってるのかなあという気もする訳
ですが。もうブリストルサウンドになっちゃってますねこのエコー入ってる事に
よってね。トリッキーとかいろいろいますけど、ブリストルのああいう暗い世界
に非常にハマッタという感じ、そういうトラックでした。

***
 次はマッドプロフェッサーという凄く有名な…イギリスのダブのアリワってい
うレーベルの社長じゃないやリーダープロフェッサーですけども。非常に綺麗な
ダブをやる人です。

M-08.ラディエーションルーリングザネーション/マッドプロフェッサー

 これはマッシヴアタックの「プロテクション」のダブバージョンばっかり集め
たアルバムの中の曲でしたね確か。これは素晴らしいバージョンでありまして、
こう何て言うか殆どマッサージ効果みたいな感じの曲でしたけども。半分夢の中
で音のシンセサイザーのフィルターがこうもがもが…あー気持いいな…寝ていま
して4回ぐらいね(笑)。マッドプロフェッサーは一昨年何故かワールドツアー
をやってまして僕はニューヨークで観ましたけれども。いろんなアーティストの
ADATを50本ぐらい持っててそれをADATプレイヤーで回してミキサーでぐにゅぐに
ゅ4時間ぐらい延々やりまして。最初お客さんは大盛り上がりで1時間ぐらいもう
ノリノリなんですけど、その後段々お客さん減っていって最後3人ぐらいでした
ね(笑)。そこまでずーっと延々やられるともうさすがにヘトヘトになってグタ
グタになってました。マッドプロフェッサーだけは元気でした。ホントにあのオ
ヤジって感じでしたけど。彼のレーベルのアリワはいろんなのがあって。マッシ
ヴアタックみたいなのは90年代に入ってからかな?っていうのはこういった強力
なダブをやるのは割と珍しかったですね。80年代後半くらいからはかわいらしい
打ち込みのテクノレゲエみたいなのをずーっと延々そういったラバーズものみた
いなのを出して。ま、それはそれで美しいかわいらしい感じの綺麗な音楽で良か
ったんですけど。その前ですね?確か80年前半かな?っていうのは、かなりこう
フリーキーなもの凄いダブをやってる時期があって、その頃のプロフェッサーも
結構いいですけどねえ。ダブは昔よく気に入ってましたけど、いろいろ懐かしい
感じを今日聴いたなあと…皆さんはどう思ったんでしょうかー。なかなかダブを
流す番組も最近は減ってると思いますが(笑)、まあ夏だったので今日はね。夏
涼しく気持良くなる、南の国熱帯音楽ダブ!レゲエ!という事で今日はまとめて
お送りしました。という事でリコメンデーション拡大バージョン「ダブ特集」で
した。

<エンディング>
 この番組では「こういう特集してくれ」とかのハガキ大募集しております。他
のラジオ番組ではなかなか特集できないような特集というのを期待しております
いろいろ。リクエスト感想何でも書いて送ってください。


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Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki