ORIGINAL LOVE presents《BURST!》

第31回 (1999年10月28日放送)


<オープニング>
T「ゲストに久々のタマイチさんをお迎えして、アットホームに
 盛り上がりたいと思います」


M-01.ブロンコ/オリジナルラヴ
  (99.07.17日比谷野外大音楽堂におけるライヴ)


T「プリプロ中。先日ピチカートのアルバムに歌入れしたが、ま
 た依頼されてもう1曲歌ってきた。非常に楽しかった。これは、
 かつての僕がいた頃のアルバムっぽいよね。2曲も入って。」

<リコメンド>
クセナキス
T「ラジオ番組史上初めてかかる曲だと思っていますが。クセナキスは
 現代音楽の作曲家。これは60年代のバッファロー・フィルハーモニー・
 オーケストラの演奏する曲。管楽器をペコペコいかしながら盛り上がる
 という。作曲した人もエラいが、演奏した人もエラいですね。
 この曲の頃はまだ「調」があるといえばあるんですが、70年代以降すっ
 かりなくなっていくんですね。ヴァイオリン50人くらいが一気に
 最低音から最高音へと駆け上がっていくだけの曲とか、
 ヒステリックな作風になっていく。
 かつて20年前くらいに<現代音楽をあなたに>っていう番組があった
 んですが、クセナキスかかるのはそれ以来じゃないですかね。
 エアチェックしたい人はしてください。CDは出てないです。僕が
 持って来たアナログは(中古市場では?)高いです、はい(笑)。」

M-02.アクラタ/クセナキス

 #今でもNHK-FMならかかりますよ。一応、大作曲家なのです。

<今週のアーティスト>
マザーズ オヴ インベンション
T「フランクザッパによりサンフランシスコで結成された世紀の
 変態バンド。
  1年に3枚くらい出してましたよね。でもどれも1年くらいかか
 るかなというくらいの気合いの入り方ですね。80年代に出した
 『Gスポットトルネード』って曲に最近ハマってるんですけど、
 あれはスッゴいですよ。生演奏なのに生演奏とは思えない(笑)。
 エイフェックス・ツインやスクエア・プレッシャーをもっと無茶
 苦茶にしたような。しかも全部書き譜(笑)。あれは人力の限
 界を試しているようなそんな曲。L?K?O もかけますよ(笑)。
 メキシコのクラストの後に『Gスポット...』をかけて、ついて
 きてる奴はアッパーになって、そうでない奴は座ってる、って
 いう。」

M-03.ハングリー フリークスタル/マザーズ オヴ インベンション
M-04.コール エニー デジト/マザーズ オヴ インベンション
M-05.チープ スリル/マザーズ オヴ インベンション

#かなり曲名怪しいです。申し訳ありません。

<バースト!トーク>
ゲスト:魂列車一号(以下1)
T「久しぶりだね。この前うちのスタジオに酔っ払って来たよね。」
1「あれは完全に酔っ払ってた(笑)。」
T「来てよまた。」
F(ディレクター、二見裕志)「なにしゃべってんだよ。」
1「オレが行かないと駄目でしょ。」
T「参加してよ。参加するパートあるよ、二見君もあると思う(笑)。」
F「ないじゃん(苦笑)。」
T「それで、またレコード買ったんでしょ?」
1「ヤバいんですよ。ヨーロピアンジャズっていうのにハマってて。今
 最も市場で高いと言われるレコード群を買っていて。オレもうレコー
 ドやくざ失格だな、と。」
T「失格失格。レコード皇帝でしょ。」
1「っていうか、財力ないんで、カード地獄寸前ですわ。今日かけようと
 思っているレコードも16800円ですよ。これをポーンと払ってしまうん
 ですよね。『一月後だ!』って。」
#ほんとに気でをつけましょう。>みなさま

T「バカだねぇ。だってさ、このレコードさっき聴いたけどさぁ、そんな
 に面白くないじゃない(笑)。」
#人でなし。>田島
T「で、この<カンタループアイランド>、コンセプトは面白いよね。」
1「ここ最近MPSレーベルのDJフロア向けのサンプラー(オムニバス盤)
 がリリースされて、その中に<カンタループアイランド>が収録され
 ていて、それで初めてこのアーティストを知ったのよ。こんなレコー
 ド売っていること自体知らなくって。それがレコード屋の壁に16800円、」
T「あったら、」
1「買わないと!!!(笑)。」
T「もうレコード屋の人、しめたと思ってるよ(笑)。きたきた!、って。」
1「いい金づる来た!!!って。最低オレ、もう。」
T「今この辺いろんなコンピとか出て、盛り上がってますよね。ジャザノ
 バとか。」
1「ジャザノバがこの辺の発掘をしてるんですよ。その辺にオレは踊らさ
 れてるっていう。もうハッキリ分かるよ。オレはジャザノバに踊らさ
 れてるよ。」
T「そうか。だってジャザノバの昔のドイツのジャズってさ、なんだか日
 本のジャズっぽいんだよね。面白いっちゃあ、面白いっていうかさ。」
1「ドイツのアミガっていうレーベルがあって、あれはちょっと日本的だよ
 ね、ジャズの解釈がね。」
T「なんかヘンな空気が充満しているんだよね、二見君(笑)。」
#二見ディレクターの得意分野なのか、それともイっちゃっている
#話題に呆れているのを田島が察したのか?

1「なんか不思議な感じなんだよ。アメリカとかヨーロッパのジャズ
 とは違ったところからぽこっと出たっていうか。」

M-06.カンタループ・アイランド/サード・ウエイブ
#ハービー・ハンコックのカヴァーで、ジョージ・ルークという人の
#プロデュースだそうです。

1「心地いいでしょ?なんかキライそうだね。」
T「イヤイヤ、そんなことないよ。でもどう聴いてもカンタループ
 アイランドだけどな。」
1「演奏じゃなくってフィリピン娘5人にヴォーカルにとらせる発想が
 いいんだよ。今この時代に最も必要とされているんだよ。」
T「そうかなぁ。」
1「自信なくなってきちゃったよ。」

T「もう1個は?」
1「今ズッポリハマっている、ヴォルフガング・ダウナーというドイツの、」
T「ジャケ最高。」
1「アタマが電球になっていて、」
T「全裸でネクタイ。」
1「自分の手とシールドがつながっている。」
T「このジャケは典型的なドイツの人の発想だね。屈折してるなぁ、でも
 ポップだよね。面白いもん。ダダイズムがエンターテインメントになって
 いる。」
1「でも音的にはあんまりエンターテインメントになり得てないんだけど
 ね。」
T「シュールじゃなくてダダ。ダダジャズ。」
T「で、さっき音聴きましたけど、フリージャズ(笑)。」
1「(笑)。」

M-07.アウトプット/ヴォルフガング・ダウナー

1「ヤバイです。こんなのかけていいんですか。」
T「最近このバースト!はね、『現代音楽をあなたに』って言われてるの
 よ。だってそういう存在でしょ。アタマはクセナキスだもん。」
1「クセナキスにマザースに。今日は他のも持って来てたんだけど、来た
 らクセナキスのレコードがデスクの上に置いてあったのを見て『これも
 アリかなぁ』と思ってつい出しちゃったんだけどね。きてるね、現代音楽。」
T「いいねぇ、今ちょうど心地いい時なんだね、ワシらにとって。」
1「音響系の後は現代音楽が来てるっていう。なんかちょっとアコーステ
 ィックな響きっていうのが現代音楽の中でも心地いいんだよね。」
T「アコースティックなんだけどアンプラグドじゃぜんぜんない。音響の
 構成主義というか、そういう面白さ。」
1「とにかくジャケだね、あのヒドさはないね(笑)。田島君もさ、この
 前ライヴでマッキントッシュ被ったじゃない。今度は電球だね。」
T「電球はレッド・ホット・チリ・ペッパーズがやってるんだよね。」
1「じゃぁ、電球が来てマックが来て次は何がくるか。」
T「オレ決めてるんだ。」
1「何?」
T「内緒(笑)。企業秘密なんですよ、さっき話したけど、1個決めてるの
 があって。」
1「頭に便器とかつけてね。」


prev

next


[BURST!]
[BROADGRAPHY] [Home Page]

Listening & Reported by Jun Arai
Page Written by Kiku^o^Sakamaki