伊豆横道33観音霊場巡り

9回 法雲寺・普門院  

2014/12/19

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写真のスライドショー https://www.youtube.com/watch?v=ndohWTVIYCs&feature=player_detailpage

 

 

アプローチ(バス)

伊豆急河津駅から修善寺行きのバスに乗り、西湯ケ野バス停で下車

帰りは、賀茂逆川バス停から伊豆急下田駅へ ただし、14:05発の1本しか利用できない

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両寺とも、既に訪問したことがあるので探す苦労はありません。今回は湯ケ野から小鍋峠を越えて八木山地区に下り、北の沢の法雲寺で先ずご朱印を頂き、次いで逆川の普門院に向かうコースをゆくことにしました。

 

八木山地区では414号沿いに大規模な道路工事が行われていました。どうやら伊豆縦貫道建設に伴う工事のようです。土地の人はここにインターチェンジが出来ると言ってました。小鍋峠越えのような古道と伊豆縦貫道という新旧の組み合わせは、どんな形に収まるか、そう遠くない将来が楽しみです。

 

 

小鍋峠への道は西湯ケ野バス停から小学校へと降り、橋を渡って坂を上がって行く。橋を渡って間もなくの所に「小鍋共有温泉」というのがあった。「関係者以外禁ズ」と添え書きがしてある。川沿いに暫く坂を上がってゆくと、変則4差路に到着。ここには「小鍋峠古道」の看板がある。石垣に2体のお地蔵様のレリーフが苔むしたままで健在だった。

 

石垣の小鍋峠の矢印に従って左側の道へ入る。峠の入り口はこの石垣を回り込んで暫く坂を上がった突当りにある。古道はこの先、前回歩いたときと大して変わらず安心して歩けた。ところどころに置かれている案内板が最近整備されたことを思わせる。

 

やがてお地蔵様の坐像が迎えてくれ、その先僅かで道標が立ち普門院への道が分かれる。以前はなかったロープが張られ、通行困難を暗示している。事実、2年前にここを通行したときに途中で道は無くなり、斜面を這い上がって尾根に乗ったのだった。

 

今回は素直に峠道をたどる。前回と比べて明るい感じなのは間伐が進んだせいだ。きれいに整備された森には癒される雰囲気がある。「森の力の回復に向けて」と書かれた新しい大きな看板が立ち、河津側、下田側ともに広範囲にわたって手が入っていた。

 

ゆっくりと歩いて約40分で小鍋峠に到着。峠のお地蔵さんたちは相変わらずの姿で迎えてくれた。ここで30分だけ遊んでみることにする。お地蔵さんの背中から東へ尾根をたどって山頂まで行ってみよう。この尾根道は前に一度歩いて普門院の山門の前に下りたことがある。尾根をたどって北の沢に下りるつもりだった。それが途中で普門院の沢へ下りてしまったのだ。

 

今回は深追いせず、山頂から引き返した。なお、この山の北側を巻いてお地蔵様が3体(だったか)ある6本松峠へ通じる道は伐木と深い草の茂みとで、通行は困難に見えた。2年前には逆方向から小鍋峠に出られたのに。

 

さて、峠から北の沢へ下山である。道中は相変わらず小看板が随所に置かれ、迷いやすい所にはトラロープが張ってある。林道に下りて里道を行くようになると、ところどころにお地蔵さまなどの石仏を見る。子安地蔵尊は立派な小屋の中にあった。三界万霊等が畑の方を向いてひっそりと立っていた。

 

「左みしま 右下川津東うら 道」と彫られた道標を過ぎれば、この古道の入り口である北の沢橋は近いが、その前に法雲寺に寄らねばならない。

 

法雲寺

第12番 法雲寺

法雲寺は小鍋峠から来て、先ほどの「右下川津東うら路 左みしま路」の石柱から直ぐ近く、コンクリートの山道を上がった所にある。民家風の平屋が本堂で、その左手奥に古びた如意輪観音堂があった。もちろん両方とも施錠されている。扉の前で納経を終えて、さて、ご朱印はどの家で?

 

参道下の家で、北の沢バス停付近の「田の家」さんが当番だと聞き、そちらへ出向くと、ご朱印は寺にあると言う。ところが、ご主人は足が不自由らしく、直ちに動けない。それではと、カギを預かって、もう一度戻ることにした。それにしても、ご朱印が寺にあるとは・・・。先ず電話をしてから訪問すべきだった。

 

本堂のカギを開けて靴を脱いでいると、先ほどのご主人が車で駆けつけてくれた。ありがたい。ご朱印を頂き、礼を言って辞する。次は普門院に向う。寺の下に立派に枝を伸ばした「大楠」の木があった。かなり年輪を重ねたように見える。

 

 

普門院

第13番 普門院 

普門院へは先ほどの道標の「右下川津東うら路」に従って坂を下って行く。この道は稲梓川と併行してその上流に伸びており、下田街道414号が川の対岸をやはり併行して走っている。約1キロも歩くと、414号から枝道が下りてきて橋で合流し、そのまま西方向へコンクリート道を緩やかにのぼって行った。この道は2,3度往復してほぼ知り尽くしている。

 

道が少し急になり始めたところで、電柱で作業している人たちがいた。例の光ファイバーの敷設工事とのこと。こんな山奥のこの先に一軒しかない所にまで普及が進みつつあるのを知った。

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最奥の民家は大工さんの家で、この家が納経所だ。とりあえず、急な坂を上がって寺に詣でることにした。何度目かの普門院の境内は相変わらず静まり返り、池の水面はモミジに埋まって、この時期はさすがに紅葉のピークは過ぎていた。

 

大工さんの家でご朱印を頂く。ご主人の話しでは、寺は以前、この山の上の六本松にあったのを、この地に移したのだと言う。六本松とはどうやら、峰山から小鍋峠へつづく尾根上の平坦地でお地蔵さまなどの石像物がいくつか残っている峠のようだ。

 

やはり、六本松峠から沢筋に下り、逆川に出るのが昔からの道と思われる。ただ、この沢の上部は伐木や倒木で歩くのが大変で、私は逆方向で寺からその峠を目指したとき、沢筋を少し詰めただけで右手の山に上がり、305,7mの三角点を経由してたどり着いた。

 

この大工さんの家の沢周辺には25度の温泉が出るそうである。しかも少し上流にあるので、落差を利用して導管を引いているだけで重宝しているとのこと。温泉の話では祖母から聞いた話を披露してくれた。祖母は八木山集落にいた頃、小鍋の共同温泉風呂に入浴するのに小鍋峠経由で旧下田街道を歩いて行き、また戻ってきたときも未だ体は充分に温もっていたという。

 

現在の普門院は40年くらい前までは住職がいたそうである。当時は49の末寺を従えて栄えた寺だそうで、寺の風格を改めて思い出しながら帰途についた。峰山トンネルを抜けて河津駅までの歩きは車道歩きでも、そう苦にはならなかった。

 

 

 

 

 

 

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