水車小屋の風景

10 けやき公園の水車

 

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けやき公園の水車

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小水力発電装置

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濁川沿いの水車

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奈良本の“けやき公園”に小水力発電装置が、去年だか一昨年だかに設置されたニュースを突然思い出し、何はともあれ今朝見てまいりました。

 

バス停奈良本で下車して緩やかな坂道を上がって行きます。公民館の前を通過し、濁川を渡って水神社前を通り、更に急な坂を歩くこと合計20分でオンサイト。久しぶりに訪ねたこの公園はこんなにも近かったのですね。

 

確かオープンしたての頃と、間を置いてもう一度訪ねたことがありましたが、当時はこんなに整備はされてませんでした。先ず、水車が設置されていたのにはびっくりです。ただし、小屋は付いてませんでしたので、水ぐるまだけです。

 

それでも、車には水受けの仕切りがしてあって、車が回るようになっていました。でも、引き水が流れ落ちる位置が少しずれていて、大部分の水が外にこぼれています。従って、水車は半分回るのが精いっぱいで、すぐ反転してしまいます。

 

ちょうど、職員の方と思われる若い女性が見周りにきて、別の小水力発電装置を点検していたので、引き水のコントロールが出来ないか訊くと、水流を弱めれば、かえって水車が回らなくなるとのこと。要するに、水が水車に落ちる角度を変える必要があるわけです。少し手を加えれば立派に回転するのに、このまま放置しておくのは残念です。

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小水力発電装置はこの水車の隣に設置されていましたが、これはまた小さなもので、しかも中を覗いても光の関係で確とした仕組みを見て取ることが出来ませんでした。河津の上佐ケ野のほうが分りやすい装置という印象です。ただし、けやき公園のほうが新しい装置のせいか、上佐ケ野の2倍の出力(500W)があります。技術がそれだけ進んだということでしょう。

足湯の隣の“きぼうの館”で煎れたてのコーヒーを飲むことが出来ました。でも、現在の委託業者は間もなく撤退するということでした。係りの方は2名でした。以前来たときは1名でしたが。公園内には散歩する人、介護者付きのリハビリの人など数名がいました。

 

 

帰りに、水神社に寄って拝殿に柏手を打ち、見事な数本の大木を仰ぎ見てから、橋を渡った所で杖をついたご老人に追いつきました。この近くのミカン農家のお爺さんだと聞き、早速、水車のことを聞くと、あるもあった、何とこの界隈に14個もの水車があったというのです。

 

奈良本の緩斜面には濁川が熱川の温泉街へと流れ落ちています。お爺さんの話しでは、水神社から下の一帯は一面が田圃だったそうで、濁川から公民館脇へと用水路が流れ、そのラインに沿って、何と、14基も水車小屋があったのです。驚きました。ここの水車も終戦直後まで動いていたそうです。稲取の水下などと同じように機械化の時代を迎えたのです。

 

お爺さんは大正7年生れの、間もなく97歳。杖をつきながらのゆっくりした歩行ですが、自分のミカン畑まで行ってきたのでしょう、口の周りにミカンのクズが付いていました。やおら、懐から大きなミカンを取出し、私に差し出しました。ウチのミカンは美味いぞ、と言って。