「江戸の精霊流し」

単行本 文庫


夜鷹そばや五郎八
柳原土手で夜鷹蕎麦屋の五郎八が殺されているのが発見された。正直な働き者だが、老後は子供達の厄介にならずに暮したいと思いつめていた。
野老沢の肝っ玉おっ母あ
「かわせみ」へ突然お石の姉のおてるが訪ねてきた。お石とは母親違いの姉であった。
そのおてるは江戸で所帯を持った徳三のところに赤ん坊をおいて出て行ってしまった。
昼顔の咲く家
深川の老舗料理屋の主人が殺された。疑われたのは高山仙蔵の身の廻りの世話をしているおきよという女だった。
江戸の精霊流し
かわせみでは長年勤めていた女中二人が暇を取り、お吉とお石は大忙しの毎日だった。そこへ桂庵からおつまという二十五歳の女中がやってきた。
亥の子まつり
長助と同じ町内に住むおいのという年寄が信心で出かけた御十夜念仏でぽっくり歿った。長助にはどうも合点がいかなかった。
北前船から来た男
東吾が麻太郎と源太郎を伴って舟釣りに連れて行った時、竿をとった船頭は以前北前船に乗っていた卯之吉という男だった。その卯之吉の不審な行動に麻太郎と源太郎が調べ始めた。
猫絵師勝太郎
煤払いの日、掃除の邪魔にされると逃げ出した東吾と宗太郎。その二人に源三郎が見せたのは今大評判だという錦絵で、愛らしい猫の七福神が描かれていた。
梨の花の咲く頃
以前かわせみに奉公していた女中のお梅の相談とは、従姉妹のおせんと夫婦約束をした友三の行方が知れないということだったが、なんとその友三が座頭殺しの下手人としてしょっ引かれた。



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