「風鈴が切れた」でも方斎先生の年齢を七十から六十に直しています。文章も若干直されています。


風鈴が切れた
変更点
方月館の主人である松浦方斎は直心影流の遣い手だが、すでに六十を過ぎた老年で、 七十→六十
東吾が笑って、るいの頬を突き、るいは真っ赤になって、櫛を拾った。 真赤→真っ赤
狸穴までの道中、東吾も源三郎も麻の着物に表まで汗が通った。 単衣→着物
「間男して殺されたのが、お寺社のなんです」 係り→係
「狸穴の草履問屋、越後屋の隠居ですが、倅が道楽者で財産を食いつぶし、 削除
ぞろりとした縞の単衣は絹物で、遊芸の師匠にしても、贅沢な身なりであった。 縮緬→絹物
この家へきたのが、五ツ半(午後九時)を過ぎていたという。 追加
階段をころげ落ちるようにして外へとび出したそうですよ」 ころげて→ころげ
お上も馬鹿じゃねえ、食うものを食って、しゃんとしていれば めくら→馬鹿
眼が不自由でなければ、何々小町と呼ばれそうな器量である。 美貌→器量
「眼はみえなくても、匂いはわかるだろう。 臭い→匂い
 道のすみに蕎麦屋の暖簾がある。布袋屋という店で、看板に信州更科蕎麦所と書いてあった。 削除
東吾が近づいた。老女は黙って、眺めている こっちをみる→眺めている
日本橋のお店に奉公しているんですがね、親の祥月命日で昨日夕方から、帰らしてもらって 藪入りで昨日、帰って来て→親の祥月命日で昨日夕方から、帰らしてもらって
「夏は二階のほうが、いくらか凌ぎやすいんですよ ですからね→んですよ
窓の下が階下の屋根で右隣りとも左隣りとも屋根が続いていた。 すぐ→窓の下が階下の
屋根→削除
風鈴には、玉に下ている短冊がなかった。 下げて→下て
糸の途中から切れている。短冊が風に揺れて音を出す仕組みの風鈴は 削除
糸から力まかせにひきちぎったようであった。 糸の痕も→糸から
ひき切った→ひきちぎった
おみつは窓ぎわにしょんぼりとすわっていたが 削除
短冊を力一杯ひっぱれば、糸が切れるよりも風鈴自体が軒から落ちそうに思えた。 短冊に力が入れば→短冊を力一杯ひっぱれば
「今夜、あの女を泊めてやってくれ」 「あの女に、飯をくわしてやってくれ」→変更
「お前、昨日、親の祥月命日で帰った時、ばあさんからなにか頼まれたろう 藪入り→親の祥月命日
祖母→ばあさん
神妙に兄嫁の香苗の給仕で食事をすませ 手料理→給仕
それらしい使いが来て、おはまにことづけをいっているのをみたと申しています」 便→使い
嘉助が手拭にくるんで来た真新しい風鈴を出した。 風呂敷包にしていた→手拭にくるんで来た
「只今、仙五郎がおはまを番屋へ呼んで、責めています」 ひいて→呼んで
「事件が片づきましたから、なるべく早々に風鈴を買ってかわせみにお持ちになることですよ」 片づきましたら→片づきましたから
『かわせみ』→かわせみ
「風鈴は明日、るいと出かけて買ってやるさ。俺はこれから、かわせみへ行くんだ」 『かわせみ』→かわせみ


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